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プロローグ4

 サリシアはオーガを前に見据えながら剣を構えるそして


「セイッ」


 ただ真っすぐに剣を振り降ろした。

 やったことはシンプルにそれだけ、それだけのはずなのにあり得ないほどの風が吹き荒れる。


「お~~~結構思い切って振り降ろしたのに吹き飛ばずに耐えたね。これだけで体を一気に持っていくことぐらい普通のオーガ相手なら出来るんだけど」


 サリシアはオーガが耐えたことに素直に驚いていた。大抵の者はただ真っすぐに振り降ろしただけのサリシアの剣に耐えることが出来ずに吹き飛ばされるからであった。

 

「グオオオ」


「よっと」


 そんな関心をよそにオーガの拳が飛んで来ていたが平然とかわすサリシア。

 今度はこちらの番だと言わんばかりに攻撃を仕掛けだすオーガ、当たれば人間の体などいとも簡単に潰すことができるほどの拳だが、


「よっ」


「はっ」


「おっと」


 正面からオーガの拳が幾度も飛んで来るがどの攻撃もかわしていくサリシア。当たればひとたまりのないようなオーガの拳だが、正面からただ振るわれるだけの攻撃を回避し続けるなどサリシアには簡単で作業のようなものであった。


「そんな緩急もなくただ正面から強く握った拳を振るうだけじゃいつまでたっても当たんないよ。攻撃って言うのわねこうするんだ」


 突如オーガの肩から血が噴き出した。

 サリシアは拳を振るってくるオーガの肩をいつの間にか斬っていた。


 何がおきた!!!?!?

 何をされた、何をした、

 自分は斬られたのか?

 

 突然自分の体から血が噴き出した。

 理解が追いつかない、なぜ自身が傷を負っている?仕掛けていたのは自分の方なのに。



「そんな困惑した顔するんだ。意外と表情豊かだね」

 

 オーガが困惑し動きを止めている間、今おきたことが当たり前かの如く平然と立っているサリシア。

 

「理解出来ないなら今度は君にも分かるように斬ってあげる」


 サリシアは先程のオーガと同じように正面から仕掛けた。

 まるで自分との差を教えるかように。

 

「ただ全力で力を出せばいいってもんじゃない」


 サリシアは先程のオーガの拳よりも遅い速度で幾度も剣を振るう。

 明らかに見える剣速で迫り来る攻撃だが、オーガは避けきれず自身の体に傷を付けられていた。


「相手はどこまでの力量を持っているか?どれだけの策を仕掛け出し抜こうとしてくるか?こちらを格下と思っているか?格上と思って対応しているのか?」


 サリシアはオーガに自身の言葉を聞かせながら着実に体に傷を付けていく。



「個人での戦いにおいて力の差が大きくかけ離れる場合は全力で叩き潰したり、堅実に一手一手追い詰めるだけで勝てるかもしれない。それでもかもしれないだけ。絶対でじゃない」

 

 サリシアが語るのは自分の矜持であり在り方。


「だから相手との駆け引きをする。ほんの少しでも情報を引き出そうとするし自分の持てる力を隠して切り札にする。勝つ為に」


 剣の技術を極め者は剣聖と呼ばれるがサリシアは剣聖と呼ばれはしなかった。

 呼ばれた名は剣帝、本人がまだ剣士としての剣技を極めていないと言い続けているのも理由だが、主な理由はサリシアが掲げる矜持にあった。

 

「うん、君がどれだけ回避するか防御するかだいたいわかってきたね。じゃ今度は初めに振るった時ように思いっ切りいってみようか」


 サリシアは初めに振るった時ようにオーガに向けて剣を構える。

 そして


「セイッ」


 ただ真っすぐに剣を振り降ろした。

 初めと何ら変わることがないように思える全く同じ攻撃だが結果は違った。

 今度は大きく後ろに吹き飛ばした。


「わかれば効かなかった同じ攻撃でも通用するようになる」


 剣聖ではなく剣帝の理由、それは相手への理解であった。

 相手を理解しそれにあった攻防をする。

 自身の剣技で圧倒するのではなく相手に合わせ常に手を変え情報を引き出し相手を知りつくしていく。

 そこに妥協はない勝利する為に必要なものを得てかもしれないを潰していく。

 その場を支配していくように

 対峙する相手すらも

 故に剣の帝


「さて、本当はいつもみたいにもっと制限された状態で対峙したらいい勝負になっただろうけど、陛下が全力出して良いって言ったからね。その代わり慈悲なく殲滅って」


 サリシアとオーガには本来力の差が大きくかけ離れていた。初めから全力で叩き潰したり、堅実に追い詰めるだけで勝てたかもしれない。

 だがかもしれないは許されない。

 サリシアは精神を整えて力を溜めていく。

 

「だから跡形もなく消す」


 たった数度の攻防でサリシアは相手のオーガを理解してしまった。

 全力で潰して勝てると

 かもしれないは起きない


「ゼァ゙ァ゙ァ゙ァ゙」


 溜めて放つというシンプルな一撃。

 辺り一帯が消失する程の一撃でオーガの体は跡形もなく吹き飛んだ。





◆◆◆◆◆◆


「あ」


 ある小さな部屋の一室で少年のような姿をしたなにかが呟く。


「僕のオーガが死んだ???なぜ???」


 少年はうーんと悩んでいたが、


「まぁいいや、他にいっぱいいるし」


 すぐさま切り替えたまだいるからいいやと


「まだまだ支配して増やさないと」


 支配するそれだけを考えて。


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