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第三十三話 一瞬

「皆を後ろに下げておいてフィーリ王女、私一人でやるよ。普段なら面倒くさい相手だろうけど水源から帰って来た今の私ならこの程度の相手に苦戦なんてしないだろうし」


「わかりました。皆サリシア様の戦いの邪魔にならないように下がりなさい!!!」


「今度は噂の剣帝聖女様が相手か」


「だがいくらなんでもこれは桁違い過ぎるぞ」


 左側の地下通路で戦闘していたセルフジーニアスの二人はいま目に見えているサリシアが普通ではない状態だと体が本能的に理解していた。

 その為か二人とも異常な量の汗をかいていた。


「俺達が知ってる剣帝聖女の情報と違いや過ぎないか」


 サリシアは二人に対してなにかしている訳ではない。

 ただその場にいるだけだがそれでも感じる。

 自分達を簡単に圧倒する存在。

 それが今の剣帝聖女だと。


「そりゃさっき魔力の水源から帰って来たからね。それだけで君たちならわかるんじゃないかな?セルフジーニアスの人達ならさ」


 サリシアのその言葉に思わず二人は顔を引きつらせてしまった。


「マジか!!だけどそれを聞いたら納得するわ」


「なるほど純度百パーセントの魔力を体内に得ているから我々はいるだけでもこれ程の力を感じてしまうのか」


 これを我々セルフジーニアスは欲していたがその一端を得た剣帝聖女でこれか。

 なら純粋な魔力の塊その物はいったいどれ程の力を秘めているというのか。

 興味は尽きないがそんな事を考えていられないか。


「うん、だからね」


 サリシアゆっくりと腰に差した剣を引き抜く。


「今の私は加減なんて出来ないから」


 サリシアから人くらいなら簡単に吹き飛ばすことのできる強風がふきだす。

 サリシアがしていたのは引き抜いた剣を構えただけ。

 その時上下に軽く剣を振った。

 それがとてつもない強風を生み出していた。


「構える為に剣を振った動作でこれかよ」


 構えたなら次にするのは当然攻撃。

 サリシアはあまりにも自然に攻撃ヘと移っていた。


「なっっ!!」


 はぁ!!今剣を振り上げただろうがなんでもう目の前にいるんだよ。

 一瞬にして間合いを詰めたサリシア。


「ハッ!」


 そしてただ真っすぐに剣を振り降ろす。


「ガハっっ」


 斬られた!?

 ハっハっハっなんだよこれ。

 逃げる暇も対応する隙もなくたった一振りでこんな……。

 一人の体が崩れ落ちる。


「……もう一人」


 走馬灯ていうのはこういう感じなんだろうな、ずいぶんと剣帝聖女の動きがゆっくりと見える。

 こうもあっさりなんてな。

 だがこれが魔力の水源にある力か。


「セイッ」


「ッッッ!!!」


 とりあえずこの場所はもう大丈夫かな?

 次に向かわないと。


「こうも瞬殺ですかサリシア様」


 私達が足止めでやっとだったセルフジーニアスの二人をたったの一撃であっさりと終わらせるなんて。


「本来ならここに全員に回復魔法を使ってあげたいんだけどフィーリ王女に任せていいかな?」


 手負いの者達が多いですが今すぐに治療しないといけないほどの者はほとんどいない。

 これくらいなら残った者達で対処可能でしょう。

 フィーリは冷静に周りを見渡しすぐさま結論を出した。


「はい、ここは気にせず行ってください。今行くべきあなたの戦場へ」


「ありがとね」


 フィーリの言葉を聞いたサリシアはその場を一瞬で離れ次の戦場ヘと戦いの場を移した。

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