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第一七話 予感

「送ってくれてありがとね」


「いえいえこれが運び屋としての仕事ですから、サルマニアの運び屋を今後もご贔屓にサリシア様」


 サリシアは北門に行くためにある運び屋のもとを訪れていた。

 どんなものでも運んでくれる通称運び屋、国の端から端時には世界の端っこまで何でも運ぶ

 物運びのプロ達。

 彼らは馬での移動や海を渡るために鳥達と共に運び屋に徹していた。


「今回も頼むよ最速のレックさん」


「やめて下さいよサリシア様。それ恥ずかしいんですからね」


「いやいや実際速いし凄いよ、その若さでこんなに速度を出せる運び屋はサルマニアだとレックくらいだって皆言ってるしね」


 今回は何より北門へ行く速度が大事だ。

 速ければ速いほどにいい。

 一日でも一時間でもなんなら一分でも速く到着しておきたっかった。

 その為にサリシアは今サルマニアで一番の最速を誇るレックに依頼をしていた。

 自分を運んで来れと。


「隣街に行くくらいの距離なら走ったほうが楽だし早いんだけど国の端っこまでだとそうはいかないからね」


「相変わらず凄いこと言っていってますよそれ。ではちゃんと捕まっててくださいね」


 今回は基本的に陸路なため馬車での移動となった。

 道のりは緩やかな所が多く馬車が過度に揺れることはなかった。

 その為か移動している間にサリシアは馬車内で盛大に爆睡をしていた。



 ◆◆◆◆◆◆


 サルマニア  北門ザダ 大広間


「ラルクどうしたの?最近ずっとそわそわしているわよあなた」


「あぁいえ、なんだか最近嫌な予感がずっと拭えないのです」


 ただの予感でしかないのですが……

 金髪にそこそこ整った顔をして騎士というよりかは魔法使いのような格好をしているラルクはその顔が歪みながら困り顔で答えていた。


「あらそうなのラルク、あなたの予感はいつも変な方向で当たるから今回も楽しみね」


「フィーリ王女私はただの護衛騎士として何も起きないでほしいのですが………」


「そんな無理なこと願たって仕方ないでしょうに」


 フィーリ王女は紅茶を優雅に飲みながらさもそれが当然のように答える。

 なにせあの兄と根っこのところでは同じだものと、類は友を呼ぶのかしら天才肌の直感持ち達は。

 なぜそうなるのかと聞いてもなんか出来たと言う人達なのだと。

 それがここに居るラルクと第一王子の兄なのだと幼い頃からの理解してそれがいつの間にか楽しみになったのだ。

 今度はどんなおかしなことが起こるのかと。


「フィーリ王女」


 そんな会話をしている時ドアのノックが叩かれた。


「何かしら」


「ガイカゼ公国の方々が到着されさっそく今回の交渉会議をと」


「了解よ。ガイカゼ公国の方々を待たせると悪いからすぐに行くわ。いきましょうラルク」


「はッ」


 フィーリ王女はステップでも踏むような動きで会談場所に向かう。

 その様子を後ろから見ながらラルクは思う。


『何事も起こらず無事に終わってくれ』と願っていた。

 第一王子と居る時もいつも通りに願っているのだが何故か今回ばかりはいつも以上に願ってしまった。

 確信があるわけではない、ただの直感でしかないが何かが起きる気がしてならない。

 自分の身かそれとも他国の人間かはたまた王女か。

 こういう時に働く直感は実にビックリするほど当たってしまう物で、後々でラルクは盛大にため息を吐くとこになったのであった。



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