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第九章　悔いを残さないために　1　生きている全ての瞬間を大切にする①

第九章　悔いを残さないために

1　生きている全ての瞬間を大切にする

　「親から頂いた命を最後まで大切に生きる。」

　それが、私が病気になってから最初に思ったことです。

　周りの人が生きて一緒にいるのは当たり前のことではないと先程も述べたが、自分が生きていることだってやはり当たり前のことではない。

　親から頂いた命。そして一生懸命親が私のことを育ててきてくれたからこそ、今の私がいる。

　病気になると、つらいことは山ほどあった。それまで、活動的だった人生が一気に「一日中寝てばかりいる人生」になってしまった時もそうだったし、病気になってもなお生き続けなければならないことは本当に苦痛に感じていた。

　今はだいぶ良くなったが、今でもつらかった時のことは覚えている。「死にたい、だけど…」という思いで、必死に痛みや苦しみと戦ってきた。だからこそ、今の私は精神科の患者さんの気持ちが格段と良く分かるような気がする。