第二章 呼吸を落ち着かせると、心身共に落ち着く 1 自律神経の働き
第二章 呼吸を落ち着かせると、心身共に落ち着く
1 自律神経の働き
自律神経には交感神経と副交感神経がある。
簡単にいえば、緊張している時は交感神経が優位になり、リラックスしている時は副交感神経が優位になる。
緊張している時は、食欲がなくなったり、眠れなくなったりして、筋肉には力が入る。便意や尿意は減り、心拍数は上がることが多い。この時、体内で働いているのが交感神経である。
逆に、リラックスしている時は、食欲があり、睡眠も取れて、筋肉の力は抜ける。便や尿も出しやすくなり、心拍数も下がる。この時は体内で、副交感神経が働いているのである。
人間はずっと緊張していることもできなければ、ずっとリラックスしているわけにもいかない。つまり、自律神経は絶えず、身体の調整を行わなければならない。この自律神経が障害されると、体のバランスが乱れる。
私たちが気分が悪くなる時、交感神経が過剰に働いていることが多い。つまり、緊張し過ぎているのである。呼吸が荒くなったり、呼吸数が増えたり、心拍数が増えたりして、不快な身体症状が生じ、それに伴い、気分はさらに悪くなってしまう。
このため、呼吸をゆっくりにして、回数も減らすと、心拍数は落ち着き、不安や抑うつが治まる可能性は十分にある。




