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ヤサシイユメハ、ワルイユメ…?  作者: いつもニコニコ白色君
3/3

二章 "夢"の意味

ちょっとだけスランプ抜けてきましたどうも。


ってもなかなか上手くは行かないもんですねえ…


とにかく、本編どうぞ。

「さあ、冒険に出発だー!…と思ったんだけどさ。」


意気揚々と掛け声をあげたヒュプノスだったが、ふと深刻な顔で雨音を見る。


「君の仲間さん達…どこにいるの?」


「いや、今さらでござるなあ…。ほら、こっちでござるよ。」


そういってヒュプノスを先導する雨音。


彼女は呆れ声ながらも、先ほどまでの暗い雰囲気は消えていた。















「はあ?協力?」


開口一番のその一言だけで、そこらの大気が凍てついたのを感じる。


「ま、まあ…そんなに怖い顔しないd」


「やっぱりここらで首でも飛ばしてやるのが正解かな?」


「ヒエッ」


なまじ本当に首一つ程度なら簡単に飛ばすことができる為、正しく一手間違えば惨事を見る危険物を扱っている状況。


その場は背筋に稲妻が走るような緊張に支配されていた。


そんな中おもむろに口を開いたのは、雨音だった。


「気持ちはわかるけど…今は落ち着いてくれないかな…?」


「っ…。」


雨音のその口調から、いつもの謎のノリが消えている事に気づいた雅は、立ち上る殺気を僅かに抑える。


「確かに前の事とか、今の状況とか、色々あって彼を信用できないのはわかる。けど…。」


そういって、ちらりとヒュプノスの目を見て。


「悪意のある人がこんな悲しそうな目をするとは、僕にはどうにも思えないんだ。」


「…」


「雅ちゃんなら、今じゃなくたって彼を行動不能にするくらいなら出来るだろうし、今決めるのは早いと思う。」


雅は、雨音の目を見た。


その目は、眩しいくらいに真っ直ぐだった。


「…わかったよ。でも…」


彼女は、キッとヒュプノスを睨み付けて。


「僕の仲間に何かしたら、絶対に許さないから。」


「知ってるでしょ?僕は無駄な事はしない主義なんだ。」


「ふん…くれぐれも後で後悔させない事だね。」


「肝に命じておくよ。」


「そのいけすかない態度、いちいちイライラさせてくるね。」


「え?ご、ごめん…。そんなつもりはなかったんだけど…。」


「…素直に謝られると余計変な感覚になるからやめてくれないかい?」


「え、う、うん…」


「…ねえ雨音ちゃん。さっきから思ってたんだけどさ。」


「うん…。」


「「もしかしてこの二人、案外仲良くない…?」」



















まさか見透かされるなんて、思っても見なかったな。


「悪意のある人がこんな悲しそうな目をするとは、僕にはどうにも思えないんだ。」




姉さんが僕を置いていってからの数千年の間、誰にもこんなこと言われたことなんてなかったのに…。


ああ、人間達が夢なんかにすがる理由が、ここに来てなんとなくわかった気がするよ。











きっと皆、本当じゃなくてもいいから、誰かにわかってほしいんだ。自分の事を…。









僕にもわかるだろうか。


永い時間の中で、身も心も歪んでしまった僕にも。


今の僕にはまだわからない。でも…








「アンタにだって、じきにわかる日が来るわよ。この気持ちが。」











あの時あんなにもわかりたくなかったその気持ち。


今は少しだけ、わかってみたい気がした。









続く…

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