一章 これまでと、これから
まあた十日も間あいてしもた…
なんでもするからユルシテオニイサン(ん?いまなんでm)
では、本編どうぞ
…一体なんだったんだろうか。
人の領域に土足で踏み込んでおいて、主人の事をあんな盛大にボロクソ言って去ってくとかあるか…?
なんて心中でぼやく彼の口元は、ほんのわずかだったが緩んでいるように見えた。
…こんなにも賑やかなのはいつぶりだったろうか。
彼女達が前回ここに来て、去っていってからは、ここにはもはや誰もいなかった。
そもそも今まで夢にやって来る人間達は皆、彼が連れてきた者達だった。
誰一人として自力でこの世界に入ってくるようなものなどいなかった。
夢を見ていると理解することはできても、夢を意図的に見ることは基本的に不可能。
この原則は、夢を司っている存在たるヒュプノス以外には例外など存在するはずがない。
では彼女達は本当に、一体どうやって…
「大丈夫よ。アンタは余の弟なんでしょう?なら、泣いたらダメよ…?」
…流石に、一人の時間が長すぎたんだ。
こんなときくらい…泣いてもいいんじゃない?
ここまで泣かずに頑張ってきたんだよ…?
「ねえ、大丈夫…ですか?」
か細い声。しかし、しっかりと聞こえる声。
そちらへ顔を向けると、そこには雨音が立っていた。
「え、えっ!?なんで君がここにいるの?」
「えっと…なんとなく、ですかね…。」
「あんなことがあった後だっていうのに、僕の事が怖かったりとかしないの?」
「そりゃ、なんでまたここにいるのかもわからないし、前回の事も考えると怖いですけど…。」
そういって、伏し目がちに。しかししっかりと彼の目を見て。
「あなたの目が、なんとなく寂しそうだったから…。」
「…」
何を言ってるんだろう、この子。
かつて自らを夢なんてよくわからないところに閉じ込めた張本人の前ににたったひとりで現れて、その理由が寂しそうだったから…?
「…フフフ…アハハハハ!!!」
「えっ!?」
「ああ、ごめん。余りにもおかしくって。」
「え…っとお…。」
「そんなに不安がらなくていいよ。あと、敬語も使わないでくれる?」
「え?」
「君に興味が湧いた。それに、君たちがこの世界へ紛れ込んできたのは、僕としても初めての現象だったんだ。」
「…え、ん?」
「結論としては、これから君たちが此処を出るための手伝いをしてあげようと思うんだ。」
「え、本当…でs…ござるか?」
「なまじあんなことがあった手前不安に思うのも仕方ないと思うけど、そういうのはこれから、ちゃんと行動で示していくから。」
「じ、じゃあ…これからよろしくでござる…?」
「うん!よろしくね!」
姉さん。やっぱりまだ泣かないよ。
だから、もう少しだけ、待っててもいいよね?
続く…。
言い付け素直に守ってるヒュプくんかわI(
また次回作まで間空くかもしれませんが、なんでもすr(
では、また。