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後編2

45分~50分か……舐めてたな。

スマホで高尾山の登頂時間を調べてみたら、意外と時間がかかるみたいだ。

てっきり30分も歩けば上まで行けるものかと思っていたが、やはりそこは山だな。

おのれ山!!


しかもこの暗い中、恐る恐る登っているのだから

50分どころか下手すれば90分くらいかかってしまうのでは??


そして、登ったら今度は下る訳で……

あーーヤバイな死にたくなってきたわ~


「登るの結構、時間かかりそうだけど平気?」


何気無く女の子に聞いてみる。


「あ……はい……時間なら気にしなくて大丈夫……です」


へー、そうなのか

時間きにしなくていいのか。

なんか何も聞かないで個々まで来たけど

もしかしてこの女の子は何が複雑な事情を抱えていたりするのか?

そもそも名前も聞いてないし……

そう言えば俺も名乗ってないし……

会話無いし、今更自己紹介するか??


「あのさ……歩きながらでいいんだけど、お互い自己紹介とかしてみない??」


前を向いたままそう聞くと

女の子は何も言ってこない。

やっぱり個人情報は守りたいのか

そうだよな、名前だけでも色々と分かっちゃう世の中だもんな……警戒されたかな……距離また開いたかかな……

恐る恐る立ち止まり後ろを見る


「ひゃっ……」


女の子がビックリして下を向いて立ち止まった

さっきと同じ距離

むしろ少し近づいた??

もう少し不意打ちしたら背中に激突案件だったのに。


「ごめん!急に止まって。返事ないからはぐれたかとおもって……」


「いえ……その……ごめんなさい」


「別に謝らなくていいよ。俺も無神経だった」


「いえ……その……そう言う……訳では」


女の子はモジモジしながらうつ向いている。

なんか言いたいけど何て言ったらいいか分からないみたいな感じだ。


「私……名前……教えられない……です…………理由も……教え……られないです……ごめんなさい」


必死に言ってきた言葉。

謎が謎のままである。

そっかー、家庭の事情とかなのかな?

実は俺が気付いてないだけで滅茶苦茶有名人とか?

普段テレビ観てないしあり得ない話じゃないよな

こんなに可愛いし、アイドルくらいやってても俺は驚かないぞ!!


「そうなんだ、そしたらこの話はもう終わりにしよう。悪かったね!」


そう言って俺はまた歩きだした。

二~三歩歩いて後ろをチラッと見てみたら女の子はちゃんと着いてきていた。


登るまで退屈だしどうするか……


「あのさ、しりとりでもしながら登らない?」


ボキャブラリーの無さに涙が出てくるぜ。


「あの……はい……大丈夫です……」


女の子はわりと即答だった。

やっぱり沈黙が息苦しいのは同じなのかもしれない。


「それじゃ……高尾山の高尾のお、からスタート」


女の子が

えっと……お……だから……

と、小声で言いながら考えている。

もう、その姿想像しただけでかわいい!!


「お……おにぎり」


「リール」


「る……ルーレット……」


「トラブル」


「る……ルンバ……」


「バル」


「る……る……類人猿……あっ……」


「アウトー!」


ちょっと意地悪だったか?

まさか最後、類人猿とかちょっと予想外のチョイスだな。


「あの……る……ばっかり……ずるい……です……」


少し震えた声

怒ってるのか??


「ごめんごめん、昔友達に良くやられてさ。なるほど、しりとりはそうやって勝つのかって思ってね」


「私……ずるいの……好きじゃないです」


少し怒ってる感じだけど

やっぱりかわいい。

なんだろう、もっとからかいたいな

でも、真面目そうだしあんまりやったら可哀想だよな。


「じゃあ、今度はずるいの無し!それでもう一回どお?」


「はい……やります」


即答だった

負けず嫌いなのかもしれないな。


「じゃあ次は、しりとりのり、から」


「り……りす」


「スマイル」


「る……」


女の子の不機嫌そうな顔が目に浮かぶ。


そんな事をしているうちに、気が付くと高尾山の展望台の近くまで来ていた。

楽しい時間はあっという間である。

とりあえず高い所に連れて行く。

これで目的は果たせるのだろうか

俺は、女の子とのセックス期待していいのだろうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

あと2~3話で終わりたいと思ってますが……どうなるかは気分次第です。

ラストは決めているもののどうやってそこに持っていくべきか……

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