転生した竜騎士は、死に様を求めて奮闘するようです

　アルソニア王国の竜騎士、アラン・マークスは闇竜との戦いで命を落とした。
しかし、目を開けると見知らぬ屋敷の一室であった。

　所縁のない貴族の少年の身体に憑りついてしまった事に戸惑いつつも、自分の置かれた状況を調べていくと、そこは祖国の名前すら忘れさられた五百年後の世界と知る。

　国も滅び、かつての知り合いすらも誰一人いない世界。
第二の人生を歩む気にもなれず、どうしたのもかと思案するアランは一つの誓いを立てた。


『元の持ち主に身体を返し、それを己の死に様とする』


　しかし、未練が無いと思っていた今の時代を生きる人々との出会いを重ねる事で、心は揺れ動く。
そんな想いとは裏腹に、アランは大きな時代のうねりに巻き込まれていくのであった。

　戦禍に呑まれ行く中、アランは最後の誓いを果たす事が出来るのだろうか。
そして、求めていた真相に辿り着いた時、アランの出した答えとは――――



異世界転生無双を書こうとしたのにそもそも舞台が異世界じゃない事に気が付いてしまった物語が今幕を開ける。