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ゴメンなさいありがとう

「ヒカリ!そろそろテストでしょ 勉強は?」


無視するヒカリ


「聞いてるの?」


「うるさいな!」


中学生のヒカリが母親に反抗していた

ただ少し注意しただけでだ


「反抗期か…」


小さな声でそう言い

悲しそうな顔をしながらも

成長していくヒカリを

どこか嬉しそうにする母


「コラ!あんたが悪いんやろ

ゲームばっかりして!」


大人のヒカリが

中学生の自分に説教

しかし聞こえるはずもない

よく考えたら

昔の自分…

歯を食いしばり

母に心の中でゴメンと謝るヒカリだった




そしてヒカリが高校生になり

すっかり大人になったが

父親が居ないことに劣等感を抱いたまま

母には反抗ばかり

彼氏のユウヤも出来た

さらに社会人にもなれば

より母と関わらなくなった


「ヒカリ…」


社会人になって

家を出たヒカリ

とても寂しそうな母

そんな母の側でヒカリは


「お母さん…ゴメンなさい

今までお母さんの苦労とか想いとか

なんも考えないで…」


母を後ろからギューと抱きつくヒカリ

母には見えないし感じもしないはずだが

母は右手をヒカリの手に添えた


「!?」


「いいのよ…子供は親に迷惑をかけて

心配かけるものよ…」


そう言う母に

ヒカリは涙を流しながら

母を呼ぶのだった


お母さん…


お母さん…





「はっ」


ふと目が覚めるとヒカリはベンチで

寝ていた


「ヒカリ〜寝言凄かったで〜」


横にはマユが笑いながらこっちを見ていた


「夢…いや あれは夢なんかじゃない」


立ち上がるヒカリ


「どしたの?」


「ゴメン マユ!ちょっと急用が出来たから、またね」


「あっ、ちょっとー」


走り出すヒカリ

バスに乗り

また走り

向かった先は

実家だった


家のインターホンを押し


「はーい どちら様で…あれヒカリじゃない」


「お母さん!」


母に抱きつくヒカリ


「ちょっと、どうしたのよ ヒカリ」


母を見つめる


「今までごめんなさい!」


「何が?」


「だから その 中学生とか高校生の時に

反抗したり、大人になっても冷たいままだったり」


「あのね ヒカリ 思春期になると子供は反抗期になるのは当たり前なの

それに若い頃は自分の事だけ

考えてればいいのよ」


「お母さんもお父さんをあんな事故で亡くしたのに辛かったのに…」


「あんたなんでそんな事まで知ってるの

まぁいいわ

じゃこれからはしっかり親孝行

してちょうだい」


そう言いニコッと笑う母


ヒカリは大きく頷き

母に寄り添った




「ねぇ お母さん!」



「ん〜?」



「私 子供 産んだら 色々と教えてね」



「いいわよ」



「私 ユウヤさんと幸せになる

親孝行もちゃんとしていくからね」



「期待しないで待ってるわ」




ヒカリはその後

ユウヤとの子を無事

授かり産みましたとさ

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