高校生
「ほな また明日な〜」
「うん バイバイ」
手を振り友人と別れる女子高生
辺りは真っ暗
夜遅くまで遊んでいた様だ
ガチャン
家のドアを開けると
玄関には母親が立っていた
「コラッ!何時やと思ってるん!?」
ポケットからスマホを取り出し
時間を確認する
「22時38分」
「こんな時間まで出歩いて
変な遊びしてないやろうな」
「そんなことしてないわ
それにあんたに関係ないやろ」
そういうと家の中に入る彼女
「晩御飯は!?」
「ハンバーガー食べてきたからいらん」
「それなら連絡しーや!
せっかく作ったのによ!」
私の名前は中谷 光
高校生3年生 17歳
「はぁ なぁ〜んでこんな家に生まれたんだろ」
お風呂に入るヒカリ
プクプク
お風呂の中で気泡を発生させる
なんだか浮かない様子の彼女
お風呂に出て
長い黒髪をバスタオルで拭き
自分の部屋へ
「どうせならもっと裕福で母親が優しい家に生まれたかったな」
次の日
学校で
「あっおはよーヒカル 昨日はカラオケ面白かったな」
「おはよー うん でも私もっと上手くなりたいなぁ」
「十分上手いやん」
「まだまだやで」
「おう お前ら昨日カラオケ行ったんけ?」
2人の男子がヒカル達に話しかけてくる
「うん 昨日 私とヒカルで行ったんやし」
「へぇ〜 何歌うん?」
「私は東野カナ」
「ヒカルちゃんは?」
「ネ、ネーシャ」
「へぇ〜聞きたいなぁ ヒカリちゃんのネーシャ なぁ祐也!」
「う、うん」
髪の毛を茶色に染めたリョウと
メガネをかけた大人し目の祐也
「私のは?」
「お前のはいいわ」
「なんでやねん!」
笑
「今度 皆んなでカラオケ行こや」
「いいなぁそれ」
「ほな いつ行く?」
「今週の日曜は?」
「いいで〜 ヒカルも行くやろ?」
「うん もちろん 行く」
「ほな日曜日な 時間とか場所はまた決めよか」
私と友達のマユ
男子のリョウとユウヤ
4人で日曜日カラオケに行くことになった
マユとリョウは昔からの幼馴染で仲が良く
私とユウヤはよく2人に付き合わされた
リョウとユウヤが2人で話す
「ユウヤ!嬉しいんちゃん?」
「な、なにが?」
「なにってヒカルちゃんの歌声聞けるんだぜ お前 ヒカルちゃんのこと好きだろー?」
「す、好きとかじゃないで」
「好きだろ お前 普段からヒカリちゃんのことじーっと見てるやん」
「み、見てないし!」
ヒカルとマユの会話
「ねぇ ヒカルはユウヤ君の事どう思う?」
「どうって、大人しい…優しいって感じ…」
「そういう意味じゃなくて男子として!」
「えっ う…ん いいんじゃない?」
「もぅ はっきりと好きか嫌いかで教えてよ」
「そ、そういうマユこそリョウとはどうなのよ」
「私とあいつは昔からの幼馴染で腐れ縁ってやつ そんだけだよ」
「ほんとにそれだけー!?」
「ほんとだってー」
そして日曜日
4人はカラオケへ
「あなたが〜思うより遠く〜」
パチパチッ
「ヒカルちゃん上手い!上手い!」
「そ、そう?」
「なぁ ユウヤ!上手かったよな?」
「う、うん」
「よ〜し じゃあ次 私ねー」
4人でカラオケを楽しみ
その帰り道
前にマユとリョウ
後ろに私とユウヤの
2列で歩いていると
前から3人組の男達が歩いてきて
私と少し擦れる様に当たった
スッ
「すみません」
「チッ」
「…おい ねーちゃん」
呼ばれ振り向くと
「服が擦れて汚れたじゃんか」
「す、すみません」
「…ふ〜ん 大人しそうだけど まぁまぁ
かわいいじゃん
ちょっとそこにバン止めてるから来なよ」
「い、いえ 遠慮しときます」
「あっ?」
するとマユが
「す、すみませんでした 気をつけます」
「キミもそんなダッセーのとつるんでるより俺らと車でドライブでもしようよ」
リョウが前へ出てくる
「すみません 皆んな学生なんで」
「あ?ケンカ売ってんの?」
「ケンカなんて売ってないです」
3人の男達がリョウを囲むと
1人がリョウの至近距離まで近づく
「や、や、やめて下さい」
ユウヤが勇気を出してリョウを助けに入る
「メガネくんは邪魔 邪魔 早く 家に帰って勉強しときなさい」
1人の男がユウヤの前に立ち
威圧する
とてもマズイ状況に私とマユはどうする事も出来ない
「早く家に帰りな 俺達はその子らと遊ぶんだよ」
「友達なんです 勘弁して下さい」
「だ〜か〜ら〜 早く消えろ!」
そういうと1人の男がリョウを強く突き飛ばす
「くっ…」
リョウは強く突き飛ばされ
頭に血がのぼると
その男に殴りかかった
ドッ
「なにすんねん!」
殴られた男はリョウに殴り返し
取っ組み合いの喧嘩になった
しかし
もう1人の男が後ろからリョウを抑える
「やっちゃえ」
「よ〜し抑えとけや」
卑怯な男達
ガッ ズンッ ガッ
抑えられたリョウは何度も顔や腹を殴られた
「やめろ!」
ユウヤが助けに入る
「待てや 眼鏡くん」
ユウヤの腕を掴む男
3対2の状況
それに相手は年上
敵わなかった
「け、警察呼びます!」
マユがスマホを取り出し
電話を掛けた
「もしもし 警察ですか?助けて下さい!」
「チッ せっかく盛り上がってきたのによー」
「まぁ いいじゃんか 制服覚えたし
この辺の子らやろ」
「またね〜眼鏡くん」
男達は立ち去り
ユウヤとリョウは助かった
「ウッ」
「大丈夫か!?リョウ!」
すぐさまリョウの元へ駆けつけるユウヤ
「あいつら…卑怯だ!覚えてろよ…」
「しゃ、しゃーないよ 大人っぽかったし」
「お前は悔しくないんか!」
私とマユも2人の元へ駆けつける
「大丈夫?リョウ」
マユはリョウを心配するがリョウは拗ねていた
「こんなかっこ悪くて弱いやつ…ダサいやろ…」
「かっこ悪くなんかないよ だいぶ年上やのに立ち向かったやん それに相手の方が人数多かったし、卑怯やったし…」
「慰めはいらん!」
「ちょっとリョウ!」
1人歩いて行くリョウを追いかけるマユ
「警察呼んだんじゃないの?ここで待ってた方がよーない?」
「呼んだふりしただけやからこんで」
「そ、そうなんや すごいなぁ 咄嗟に」
「2人は先に帰っといて 私 リョウを追いかけるから」
「うん わかった 気をつけてね」
私とユウヤ 2人きりになった