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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

MURDER

作者: 桜風瑠那
掲載日:2018/01/20

「久也(ひさや)っ」

誰かに呼ばれた気がして、俺は振り向いた。

今いる場所が、何処(交差点のど真ん中)かという事も考えずに。

ドンッ

一瞬、何がおきたのか理解出来なかった。

身体が宙に浮く。

急激な痛みが襲い、俺は意識を失った。

クスクスっ

誰かの笑い声が聞こえた気がした。


───目を開ける。

俺を見下ろす女が見えた。

「久也、あなたもこれで、私と同じだね」

その女が言った。

「留美(るみ)…」

俺は思わず、その名を呼んだ。

1年前、俺が殺した筈の女。

好きだといつも、まとわりついていた。

目障りで、うっとうしくて俺が殺した女。

「お前…何で…?」

留美が笑う。

「何言ってるの? 久也。 あなた、死んだのよ」

留美は笑い続ける。

俺が───死んだ?

「何言ってんだよ? 俺は…」

───そう言って、思い出した。

俺は、車に跳ねられて…。

「好きよ久也。 これからは、また一緒にいられるね」

留美がいっそう微笑んだ。


交差点で俺を呼び止め、俺を殺した女。

もう2度と、会う事もないだろうと思っていたのに…。




─────────────────

【MURDER ESS】


夏の午後。

交差点の真ん中で、貴方を待つ。

強い日差しも、焼けるような暑さも感じなくなってしまったこの身体で。


「あぢ~」

手を団扇代わりにしながら、貴方が来た。

今も愛しい、そして、誰よりも憎い貴方。

「久也(ひさや)っ」

こちらに向かって来るのを見計らって、私は声をかける。

貴方の耳に、ちゃんと届くように、強く願いながら。


貴方は立ち止まり、そして…

私は貴方に、再び会う事に成功した。


これからは、また一緒にいられるね。

「好きよ、久也」

私は、呆然とする久也の前で、クスクスと笑い続けた。 

ESSは、女性側視点でのお話になります。

短すぎて別々に投稿出来なかったので一緒に載せました。

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