表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

闇を纏う剣?……なにそれチョーカッコイイ。

あれは、いったいなに?いや、名前は分かっている。『サンドイッチカブトムシ』だ。

その名の通り、カブトムシとカブトムシの裏側どうしを合体(サンドイッチ)したのを、5mぐらいに巨大化させた感じ。

聞いてないよ!こんな化け物!!私ゲームやったけど、悪魔だって表示が出てただけでこんな大物だなんて書いてなかかった!

こんなの主人公ちゃん倒してたの?凄すぎだろ!さすが主人公!!

……でも、私には真似出来ないよっ!どうしろってんだ!!


「何あれ、チョー気持ち悪いですわね」

「なっ、なんだよあれ!倒せる理由ねぇだろ!?」

「ムリコワイオウチカエリタイママァ!」

「見ろよ!新入生のやつら!ヒビってるぜ!」

「いや、お前の足みろよ。震えてんぞ」

「ザワザワ」


さすがのティナちゃんも驚いているようだ。ティナちゃんだけじゃない、新入生はもちろんのこと、去年体験した上級生らしき人でもなれるもんじゃないらしい。

……若干1名会場のどよめきを言ってるヤツがいるが。ザワザワってなんだよ!ザワザワって!確かにザワザワしてるけど!


「諸君、怖がることは無い。去年体験した者はわかるだろうが、死にそうなヤツが100人程度出たが、死人は出ていない」


いや、先生。生徒の三分の一程度が死にかけてるってどういう事ですか?


「今年も瀕死者が何人出るかで賭けも行われている

私的には150人ほど、出て欲しい」


先生も賭けてんかーい!

いやいやいや、おかしいでしょう?いろいろおかしいでしょう?


「ではこれより、クラス分け試験を行う。名前が呼ばれた者から順にはじめる」


___こうして、このクラス分け試験がはじまった。


「言い忘れたがサンドイッチカブトムシの弱点は頭と胴の隙間だ。それ以外の外骨格は硬いからな、攻撃がほとんど通らないぞ」


あそこをどう狙えと言うんですか?その弱点4mぐらいの所にありますよ?

3mぐらいジャンプしろと?……ギネス取れるわ!無理だわっ!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「うわっ!えっ?ちょっとあの子大丈夫?!頭つぶれたよね?!」


試験は悲惨極まる状況だった。


本来なら、生まれて初めて見る魔法という、非現実的かつ、幻想的なものに目を奪われるのであろう。

実際に、武器からから出る炎や水が出るのはスゴい。たまに剣が闇を纏ったり、光輝いたりするのも中二心をくすぐるし、カッコイイ。


……が、それ以上に、


「ギャーーーっ!!ママァーーアッ((メキっ


という、悲鳴と共に身体がありえない方向に曲がるのを見るのはさすがにきついし、私は飛び散る血を『キレイだ』とのたまうほど、神経が太い訳でも無い。


「よしっ、これで50人目っと。順調だねぇ」


……隣りにはバチンッバチンと鞭を鳴らしながら、賭けに興じる教師がいるし。てか、なんで私の隣りに居るんだよ!その鞭怖いよ!

純粋に神秘的な魔法というものを楽しむ状態では無かったのだ。


「なんか、もう、いろいろ想像と違いすぎて笑うわ」

「ほっほら!見てください!王子様が戦われますわ!」


ティナちゃんは最初こそ驚いていたものの、今は楽しんでいるようだ。なにそれ、対応力高すぎ。

あっ、ホントだパキン野郎がサンドイッチカブトムシと対面してる。持っているのは今までの試合でも、何回か見た長くも短くも無い、普通の剣だ。だか、


「なんか、ほかの人と違って妙に落ち着いてるね?」

「当たり前ですわ!だって王子様ですもの!」

「チッ、瀕死になんなそうだな」


王子様だったら強敵を前に慌てちゃ駄目なの?

なんか、ちょっとかわいそだね。いや、イケメンだからざまぁって感じか。


「それにしてもムカつくぐらい完璧な顔だねぇ」

「あの、真剣に剣を構える表情。エクセレント!」


「凍てつく氷よ、其れを鋭く長く凍らせよ!


……氷魔法____氷刃伸葬」


__ピシィ。

という音と共に王子の持つ剣が凍った。凍った剣は今までに何回か見たが、そこは攻略キャラ、ただ凍らすのでは無く、刺々に氷柱を纏わせた。重そう。


そしてそのまま、サンドイッチカブトムシに正面から突っ込んで行く。


「はぁっ!!」


んで、私の嫌いなイケメン動作『真剣な顔で気合いの声を発する』を行い、跳躍。……脚力パネェ。3mぐらい余裕で飛んでるよ。

その勢いを殺さず、サンドイッチカブトムシの弱点に氷の刃をぶっ刺した。


キャシャカシャカきシャーと断末魔をあげて倒れる、サンドイッチカブトムシ。長いから以後、サンカブと呼ぶ。


パキン野郎が地面に降り立った瞬間に湧き上がる歓声。この試験初のサンカブ討伐成功者である。


「さすが王子様ですわ!」

「新入生でサンドイッチカブトムシを倒すとは……なかなかやるなぁ」


ティナちゃんも、先生もベタ褒めである。えっ?私?ゲームで勝敗わかってるので、何とも思いません。


「パキン野郎が強いのは当然でしょ、ほら次はじまるよ」

「パキン野郎?……あっ、あれはノア様じゃないですか!!」


誰だよそいつ?……あぁ、チビか。確かチビもサンカブ倒すんだよね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ