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先生の話はしっかりと聞きましょう!!

 チュンチュンという小鳥の朝の挨拶が聞こえる。

 私は芳醇な花の香りと共に目を覚ました。床の上でや。


「……えっと、おはよう?」


 しかし、そんな爽やかなの朝のはずなのに、目の前のティナちゃんの顔は薄いクマがあったりと、とても疲れているように見えた。


「……はぁ、貴女なにも覚えていませんこと?」

「えっと、ゴメンね?急に倒れたりして……」


 いや、本当申し訳ない。私のクセなんだよ、これはもう。もうどうにもなんなくて詰んだ時は、いろいろ諦めて寝るっ!

 ……でも、どうしてだろう?床で寝ていたはずなのに全く体が痛くない。


「そっちじゃないですわよ。もしかして本当に覚えがないですの?!」

「えっと?なにを?」

「なにをって!私、昨日貴女の魔法で散々浮かされたり、地面に沈められたり、体重増やされたり、体重増やされたりっ!

 ……それなのに貴女はフワフワ浮きながら気持ち良さそうに眠ってるし!それを、全く覚えていないですの?!」


「えっ?」


 えっと、なにそれ?私わかんない。

 主人公ちゃんまだ生後3日、まだ赤ちゃん。難しいことよくわかんない。


「……はぁ、もう、もういいですわ」


 なにかを悟った様な、それでいてなにかを固く誓ったような顔で言った。


「……良かったですわね、魔法が使えて」

「えっ?!マジで?!私魔法使いになれたの?!」


 本当に夢が叶ったよ!私、夢の魔法少女になれたよっ!


「どうやって使ったかわかんないけど!」

「あれが、故意にやったものなら、……私は貴女をぶっ殺す」


 __ゾワ


 やっべー、これまじモンの殺気だ。私殺される。なんこれめっちゃ怖い。この子怖い。ガクブル。


「まぁ、よくわからないけど魔法使えんならいっか!」

「まったく、試験があるというのに貴女のせいで寝不足ですわ。レイナ、コーヒー!」


 なんか、よく分からないけれどものすごい迷惑を掛けてしまったみたいだ。あとで、キノコの山のチョコレートの部分だけあげるから許して。


 そのあと、レイナさんが持ってきた美味しい朝食を頂いた。クロワッサンがサクサクだった。

 ティナちゃんはコーヒーを無言で3杯ぐらい飲んでた。なんか威圧感出てて怖かった。



「ひぇー、ここが闘技場か!(コロシアム)」

「さすが、国王様が経営される学園、広いですわね」

「そして、無駄に凝ってて高そう」

「……国王様を侮辱行為は許しませんこと?」

「はい、すみません。それしても、人学園ゴミのようだねー」

「今日は学園関係者だけでなく、一般公開されていますからね、人が多いのは当然でしょう」


 そう、人が多い。私がいる所は生徒だけだけだからまだましだけど。あそこなんてほら!もう入り切らなくて人の上に人がのかってるよ!重そうだなぁ。


「魔法をが使われる所を見れるのは戦場を覗いてここだけですから」

「あー、一般が魔法を見れる絶好の機会ってわけね」

「そうです、平民は魔法を持たない人間ですから。……貴女は例外ですが」

「……まぁ、主人公ちゃんだからね」

「主人公ちゃん?なにを言っているのですか?」

「いや、ゴメンこっちの話!てか、悪魔って物理攻撃も聞くんだよね、確か」


 危ない危ない、不用意にゲームのこと喋るとこだった。


「えぇ、別に魔法使いじゃなくてもたおせますわ。というか、対悪魔撲滅軍、軍兵のほとんどは魔力を持たない平民で組織されていますし」

「そっかー、よかったぁー」


『対悪魔撲滅軍』って前も思ったけどネーミングセンス無いな。まんまやん。


「貴女は意識して魔法使えませんものね」

「そうなんだよ、でも、1番下とかには絶対なりたくないし!」


 主人公ちゃんはここで悪魔を魔法で倒すんけど、私使えないし。でも、ここで悪魔倒さないとそのあとのキャライベント、攻略出来ないし。


「まっ、物理効くし、剣振り回してれば倒せるよねっ!」

「まぁ、精々頑張ってくださいまし。

 ……あら先生が前に出てきましたわね」


 ティナちゃんの言うとおり、ざわつく生徒たち前に黒いローブを羽織った『如何にも魔法使いです』といった風貌の男が出てきた。何故か鞭を持っている。


「えー、生徒諸君!初めまして。ジーニャス魔法学園教師長のグランベリー・クルーザーです」


 と、喋っているが、さすが貴族様と言ったところか、生徒の大半はおしゃべりをしており、先生の話を聞いていなかった。


「ねえ、ティナちゃん、あそこにめっちゃ武器置いてあるけどアレで悪魔倒すのかな!?」

「恐らくそうでしょう、……よかった、ちゃんとナックルもありますわ」

「えっ?ナックル?使うの?!ティナちゃんが!?!」


 かく言う、私も聞いていない勢だった。ぺちゃくちゃと話しているその時だった。


 バヂィーンっ!!


 という音と共に先生の隣りの兎を象った石像が破壊されたのは。

『シーン』と静まり返る生徒たち。先生の持った鞭だけがバチンッバチンと床に叩きつけられている。


「ここに入学した以上、貴方の立場は教師よりも下です。それをゆめゆめ、忘れないで下さいね?」


「いいですね?」と、バッチンバッチン床を叩き壊しながら仰る先生。

 私含め、生徒たちはタダ無言で首を上下運動させるのことしか出来なかった。


「では、新入生に向けて試験内容を確認します。上級者は黙っているように」バッチンバッチン


 静まった会場に、先生の声と鞭の音が響く。


「貴様方には試験用に捕獲した悪魔と戦って頂きましす。

 倒さなくても構いません、ただ全力で戦って下さい。

 魔法もガンガン使っていただいて構いません。

「あぁ、もちろん倒しても良いですよ?……そう簡単に出来ないとは思いますけどね。

 制限時間は10分。行動不可能になったらそこで試験終了。

「死にそになったら助けますので、死にそうになるまで戦って頂いて結構です。

 リタイアも可能ですが、その場合の試験評価は無しと過程し、自動的に最低ランクのFクラスとなります。

「武器はあそこに並べてある物を使っていただいて構いません。

「自前のものが良いという方はそれで戦っても良しとします。ただし、魔法属性付きの武器は許可しません。

「長々と説明致しましたがご理解頂けましたでしょうか?」


 ここで。『理解出来ませーん』とかいったらあの鞭で殺されるだろうなぁ。しかも、なに?『死にそうになるまで戦え』って!この先生言い方丁寧だけど、なかみは結構鬼畜だね。


「そして、今回戦って頂く悪魔はこちら、『サンドイッチカブトムシ』です。あぁ、ちょうど入って来てますね」


 どこからも無く、シャカシャカとこの世の終わりのような音がする。猛烈に嫌な予感。


 音のする方向に目をやるとそこには…………


 ………………恐怖、不安、戦慄、凄惨、地獄、悪夢、恐慌、動揺、憂虞、畏怖、怖気、脅威、嫌悪、不快、憎悪、厭忌 、厭悪、唾棄、 嫌厭、敵意、反感、怨恨、殺意、破壊、決壊、倒壊、崩壊、爆破、解体、損傷、撃滅、壊滅、潰滅、消滅、打破、損壊、撲滅、大破、荒廃、疲弊、毀棄滅亡破滅廃絶没凋落衰亡死滅絶滅滅尽断絶滅失……



 ……………………すべてをまとった悪魔が存在していた。



「……オオ、神の、クソッタレ……」



 誰だよ、『剣振り回してれば倒せんじゃね』って盛大にフラグ立てたやつ言ったヤツ。私だよ。


 ……フラグ回収乙

サンドイッチカブトムシを見た新入生の反応、抜粋。


『 _,,_

( ゜Д゜) ・・・


 _,,_

( ´ Д ⊂ ゴシゴシ


  _,,_

( ゜Д゜) ・・・』


……目を疑った。

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