なんでも探偵団
この回から桐崎梨花は普通の女子なのでご心配なく!
「で、館山さんのお兄さんは見つかったのか?」
もともとここに来た理由は館山さんのお兄さん探しだ。もう既に道を外れている気がするが。
「ああ、梨花に追いかけられる前に手がかり掴んだんだけどねー、走ってたら忘れちゃった。」
忘れちゃったじゃねーよ。お前ほんとここに何しに来たんだ。
「はぁー、じゃあまた聞き込み始めるか。」
「ええー、私もう疲れた。」
「お前、午前中結構サボってたよな?」
「な、なんのこと?」
「てめぇ、いい加減にしないとそろ…」
「…ねぇねぇ、うちその写真の男知ってるよ。」
「「MA・JI・DE!?」」
「うちの親がやってるフランス料理店の店員だよ。」
お兄さんはギタリストでは無かったようだ。
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「ほらここ。」
「で、でかいな…」
「梨花のお父さんってコックさんだったんだねー!美味しそう!」
今、俺達は桐崎の親が店長のフランス料理店の前にいた。
「ほんとにここに館山さんのお兄さん働いてるのか?」
ここで働けてるなら、別に心配する必要なくない?なんか桐崎と会ったことのが今日のイベントとして大きくなってる気がする。
「ちょうどお昼の時間だし、昼飯食べてきなよ。」
「うん!そーするー!敬もいいよね?」
「別にいいが、お前はもう本来の目的を完全に忘れてるよな。」
「ソ、ソンナコトナイヨー、ナイナイ。」
片言になってるぞ。
「ただいまー!」
「いらっしゃいませ。…て、梨花ちゃんか!おかえりなさい。」
店に入った俺たちを迎えたのは、館山さんのお兄さんだった。
俺達の午前中の苦労を返して欲しいな。
まじで。
「あなたが館山晴香さんのお兄さんですか?」
「そ、そうだけど…あなた達は?」
「晴香ちゃんに頼まれてあなたを探しに来ました!」
「…え?は、晴香はなんで俺を探しているの?」
「…え?館山さんがお兄さんと連絡が取れなくなったから、探して欲しいと…」
「あー、携帯が壊れてしまって、2日ほど連絡できなかっただけですよ。今日の朝、連絡しましたよ?」
「「・・・・・・・」」
今日ほんとついてないな!いつもより酷いわ!俺の休日返せよ!てかお兄さんより館山さんだよ!2日連絡なかったぐらいで俺達に相談してくんじゃねーよおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!
「…なるほど。僕の妹がご迷惑をおかけしました。お礼というべきか、お詫びというべきかわかりませんが、食べていってください。」
詳しく事情を説明した俺達は、ここの料理をただで食べさせてもらえることになった。
「まぁまぁ、よかったじゃん。お兄ちゃんも見つけられたし、梨花とも会えたし、ただで料理も頂けたし、今日はいい日だね!」
お前お兄さん見つけたわけでもないし、桐崎に会ったら逃げてたじゃねーか。
「そうそう。うちの父さんの料理は結構高いんだからね?感謝して食えよガキ。」
「誰がガキだと?喧嘩を売ってるなら買おうじゃないか。」
「じょうだんじょうだん。ほら、座ってお前も食え!」
またトラブル製造機にあってしまった。できれば桐崎とはもう関わりたくな…
「隣町だし、たまに私達がいる街にも遊びに来てね!」
「毎日でも行くよ。希は親友だからな!」
「うん!」
「…来ないでくれない?頼むから。」
「うん。チョー断る。」
ですよね…
トラブル製造機は桜宮1人で充分なんだよ!桜宮1人ですらいらないのに!
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「なんかすいません。私の勘違いだったみたいで。」
「楽しかったから大丈夫だよ!お兄ちゃんも元気で良かったね!」
一夜明けて月曜日。
俺達は館山さんから感謝のお言葉を頂いていた。俺は何も話していないが。
「なにか困ったことがあったらまたいつでも言ってね!」
「はい!ほんとに今回はありがとうございました。」
館山さんは礼をして、探偵部の部室(理科準備室)を出ていった。
「希も敬もお疲れ様なー。」
今日は珍しく雄司もいる。
「ほんとだよー。大変だったんだからな。」
「楽しかったからいいじゃん!」
「楽しかったのはお前だけだぞアホ桜宮。」
「アホじゃないわ!」
「じゃあバカ希。」
「雄司まで!酷くない!?」
「「酷くない。」」
「なんでよぉぉぉぉぉぉ!!」
相変わらず桜宮はやかましい女だ。こいつ、顔はまぁまぁなのに中身がほんとに残念なんだよな。絶対彼女に・・・・・
「すいません、探偵部ってここであってますか?」
突然聞こえたその声は、とても懐かしい声だった。
「そうですよ!用があるなら中にどうぞ!」
「失礼します。相談があって来ました。」
そう言って入ってきた女子は、
俺の元カノだった。
次から二章です。
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