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come trouble!!  作者: 藤色 こーた
第一章 探偵部にようこそ
7/10

桐崎梨花に御用心

この回だけ、少し百合的な要素があります。不快にさせてしまったら申し訳ありません。この回以外はありません。

五月の中旬の日曜日。俺と桜宮は朝の8時から館山さんのお兄さんを探している。

今の時刻は12時過ぎ。もう4時間探しているが、手がかりすら見つかっていない。


「ふうー、疲れたね、ちょっと休もうか。」


こいつはさっきからフラフラと探してるフリしてサボっているくせになぜ疲れるのか。人に聞きこみをしたりいそうな所に移動したりしてるのは俺だ。休むなら俺だろ。


「いいからさっさとやれ。俺は早く帰りたいんだよ。」


「ほーい。じゃあ私向こうの方探してくるね!」


まぁどうせあいつじゃ見つけられないだろ。


「あのー、この写真の方見たことありませんか?」


俺は館山さんから預かっているお兄さんの写真を見せて聞いた。


「うーん、知らないかなー。」


「そうですか。ありがとうございました。」


先程からほぼこんな感じだ。俺は男の人にしか聞けないので女の人はいても無視する。


「はぁー。この当たりにはいないのかなー。桜宮と移動するか。」


「・・・・・・あなた今、桜宮って言ったよね?」


「!!!!!!!!????????」


声が聞こえた方に振り向くと、俺や桜宮と同じぐらいの年だと思われる、麦わら帽子を被った肌が焼けている女の子がいた。女の子か…でも無視するわけにも行かないしな。ら


「い、言いましたけど、何か御用でございまひょうか?」


よし完璧な返答ができたぞ!女の子が何このヤバいやつみたいな目で俺のことを見てるが大丈夫だろ!泣きたい!


「桜宮って、桜宮希?」


「そ、そうです。」


「この近くにいるの?」


「いると思いますけど…あなた、誰ですか?」


「うちの名前は、桐崎梨花。あんたは?」


「俺の名前は、光山敬です。」


なんかこの人とは普通に話せるな。

ということは、なんかやな予感がする…


「あ、敬いたー!ねぇねぇ、晴香のお兄ちゃんが……」


桜宮が桐崎さんを見て固まった。


「や、やっと見つけた…やっと、希を見つけた!」


すごくやな予感がする。俺は普通の女子とは話せないが変わったやつとは何故か話せるのだ。つまり・・・・


「希ー!大好きだー!」


「やだああああああああ!!!」


桐崎さんが桜宮の方へ走っていった。

そして桜宮は・・・・・・・・

俺が今まで見たなかで1番速く逃げた。

なんでだ…なんでこうなった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「逃がさないよ希!」


「嫌だああぁぁぁ!」


「2人ともなんでそんな速いの!?」


桜宮が逃げる。桐崎さんが追いかける。

俺はなんとか2人に追いつこうとして走っているが、日頃から引きこもりぎみの俺では追いつけない。むしろ差は広がってる気がする。


「やっと捕まえた…もう逃がさないよ希!」


「敬ーー!助けてーー!」


えー。俺もう関わりたくないよー。絶対トラブル案件じゃんこれ。


「き、桐崎さん?と、とりあえず話を…」


「邪魔するなガキ!」


「今日知った人になんでガキあつかいされなきゃいけないんだよ!」


5分後。なんとか桐崎さんを桜宮から引き剥がし、マジギレした俺の前に2人とも正座している。


「桜宮。説明しろ。」


「は、はい!あ、あのですねー…」


「うちと希は恋人だ。」


「ちょっと梨花は黙ってて!」


「はやくしろ桜宮。さっさとしないとお前がこの前歌いながら道でヘントコな踊りをしていた動画を俺が学校にばらまく。」


「待ってアレ撮影してたの!?あ、あれはほんとにまずい!わかったすぐ説明するから!説明するからあの動画消して!」


「な、なぁ光山なんちゃら。後でその動画こっそり見せてくれないか?」


「もうあんたは黙っててくれ。」


桜宮の説明によると、桜宮と桐崎梨花は中学の同級生で、仲が良かったらしい。

で、桐崎はあれだったので桜宮への好意があったのだが、卒業式の後にその感情が抑えきれなくなり、桜宮に愛を告白。そして盛大に振られて桜宮の信者(?)になった、ということらしい。最近桜宮に会えていなかったために、桜宮を見て思わず、ということだった。定期的に会えばこんな酷いことにはならないらしい。

め、めんどくせぇ・・・・

てか定期的に会えば大丈夫なら、なんで会ったら桜宮逃げたんだよ。


「希!私じゃダメか?なぜダメなんだ?」


「私にそっちの趣味はないの!それに、言ったでしょ。高校入って好きな人できたって。」


「そっか…わかったよ。もう諦める。だから、親友でいてくれ!」


「それはもちろん!」


「ありがとう、希。」


いやありがとうじゃねよ。なんで俺が説明まとめてる間に2人でいい感じに話終わってるんだよ。そんなすぐ終わるならもっと前にその会話しとけばこんなことにならなかったんじゃない?


「なにこの茶番。」


「「すいませんでした。」」


そう言って桜宮と桐崎は俺に頭を下げた。


もう帰りたい。


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