女子コミュ障
スーパーボールマン雄司の初登場です。
「敬、一緒に向こうで飯食おうぜ。」
そう言って近づいてきたのはこの学校で唯一の男友達の、西田雄司だった。雄司は俺と桜宮と同じ探偵部だが、サッカー部と兼部しているため、探偵部には暇なときしか来ない。
「バカ希とかもいるし、来いよ。」
雄司はこの学校で十本の指に入るぐらいのバカだ。その雄司にバカ呼ばわりされる桜宮はもはや天才というべきレベルの頭の悪さなのだ。なぜこの高校に受かったのか疑問しかない。
だが、今はそんなことはクソどーでもいい。
「とかって、誰がいるんだ?」
「え?あぁーあいつらだよ。」
そう言って雄司が指した方向には、雄司と同じサッカー部の男子と、
桜宮を含め5人の女子がいた。
「絶対に無理だ。チョー断る。」
そう。何を隠そう俺は面識のない女の人とお話することはおろか、同じ空間にいることすらできないのだ!!
こうなった理由はいろいろとある。
実はty・・・・・・・・・・・
「あ、そうか。ごめんな。女子コミュ障だもんなお前。わりぃわりぃまた今度誘うわ。」
「お、おう。」
別に女子コミュ障な訳ではない。中学生の途中までは普通に話すことが出来ていた。なぜこうなったかと言うと、 実はty・・・・・・・・・
「たーかーしー?聞こえてる?」
邪魔するなバカ桜宮。
「なんだよ。」
「1人じゃ可哀想だから私が一緒に食べてあげるよ。」
「お、そうかありがとう。じゃあ俺は食べ終わったから先に行くぞ。」
「ちょっと待って酷くない!?」
「酷くない。」
「ちょっとおおおおぉぉぉぉ!?」
やかましい女だな。絶対彼女にはしたくない。まぁ俺はもう一生彼女が出来ることなんてないだろうけど。
俺はやかましい桜宮を残して1人図書室に向かった。
「図書室は相変わらず遠いな。」
図書室は俺のクラスがある校舎の反対側の校舎にあるので行くのがめんどくさい。別に本を読むのが好きなわけでもない俺がどうして遠い図書室なんかに行くのかというと、方向音痴な桜宮では図書室までたどり着けないからだ。
「ここならトラブルに巻き込まれなくすむな。」
図書室の前についた俺はとりあえず昼休みが終わるまで適当な本でも読んでいるかと思い、図書室の中に入ろうとすると、
「あのー、探偵部の光山くんだよね?」
話しかけてきたのは、隣のクラスの女子だった。
お、俺に用がある女子なんているわけが無い。ま、まさか雄司が女子更衣室に設置したスーパーボール型の超高性能カメラの存在がバレて、俺が雄司が設置するのを黙認したのがバレたのか!?
待ってくれ殺さないでくれ、レベル上げが終わっていないモンスターたちが俺の帰りをスマホの中で待っているんだ殺さないでくださいお願いします!!
「あ、あの?探偵部に探して来て欲しい人がいるんだけど。」
「・・・え?」
トラブルの予感がする。