EP:61 アトランティスと招待
拠点に戻ってから、俺達は宴会三昧をすることになった。
電磁砲を開発し、リヴァイアサンゾンビとドラゴンゾンビを倒したお祝いだ。
本来であればすぐにでもアトランティスと合流するべきなんだが
どうやらアトランティスには強固な防御壁が構築されており
こちらから通信することができなかった。
どうにも時限式らしく数日は応答することも出来ないだろうとのこと
仕方がないので暫くは時間を潰すためにお祝いを兼ねての大宴会を開いた。
周囲にはゾンビの影もなく、ようやく手に入れた平穏を皆で喜ぶ。
ついでに流れないうちに試合のご褒美を支払ったりして……。
3日後
??『この度はアトランティスを助けて頂き有難うございます。』
ようやく、アトランティスと通信が繋がった。
通信相手はユリスと名乗る女性
アトランティスを統括している、アトランティスのトップだそうだ。
ユリス『まさかあれほどの大きさのゾンビが現れるとは思わず
防御壁を構築して過ぎるのを待っていたのですがまさか倒されるとは』
クイーン「いやぁ、あのまま放置してても被害が来そうだし何とかね。」
ユリス『なるほど、素晴らしい判断だと思います。
今まで何度も成長していくゾンビを見てきましたがあのサイズは初めてです。』
ユリス『あれが限界とも思えませんでしたから倒すことが正解でしたでしょう。』
クイーン「そう言ってもらえると頑張ったかいがあるよ。」
アトランティスをまとめる人物だからどんな人かと思ったが
物腰柔らかで見識が深そうな印象がある。
少なくともこちらに対して高圧的な態度は見られないし
だからといって媚を売ってる感じでもない。
ユリス『つきましてはあなた方をアトランティスに招待したいのですが
……どうでしょうか?』
クイーン「いいの?防御壁が解けたばかりだし
まだゴタゴタしてるんじゃない?」
ユリス『防御壁を構築したのは一度や二度じゃありませんから大丈夫ですよ。
あなた方のおかげで助かったのです。ぜひ饗させてくださいませんか?』
元々、交流したいがために助けた面もある。
呼んでくれるなら願ったり叶ったりだ。
クイーンは振り向いて無言でどうするかアイコンタクトを取る。
無論、俺を含め誰も否定するものは居ない。
クイーン「そちらがいいんだったらぜひお願いします。」
ユリス『もちろん大丈夫ですよ。
ヘリポートを開放しておきますのでぜひ、ヘリでお越し下さい。』
海はまだ荒れてますしね。と付け加えられる。
ということで俺たちは宴会の後片付けをそこそこにして各々準備する。
蛍「どんな人がいるんだろうねぇ」
白「声を聞いた印象だとユリスさんは優しそうだけどなぁ。」
暁「三千人も入ればいろいろな人がいると思うけどな。」
蛍「楽しい人がいればいいな!」
暁「それ以上に俺たちは一人残らず人外化してるんだが……
受け入れられるのかどうか……。」
蛍「あぁ……。」
俺や機械兵は見た目は人間だが
クイーン達は肌が青白いゾンビ色だ。
どう見てもまともには見えない。
もう慣れて気にもしなくなったが向こうがどういう反応をするのか
それだけが心配だった。
蛍「まぁ、なんとかなると思うけどね~
この世界を生きてきたんだしさ」
白「そうね。ずっと船の上で過ごしてない限りは何とか?」
蛍「うぃ?船の上だけだとなにかあるの?」
白「三千人もいれば立派なコミュニティだしね。」
白「ゾンビと戦ってきて免疫があるならともかく
ただ追い立てられて逃げ込んだだけだとゾンビにトラウマを持ってると思う。」
蛍「あ~」
暁「絶望したらあっさり死ぬような世界だしな。
箱庭でぬくぬく暮らしてると面倒になりそうだな。」
蛍「じゃあどうする?私たちは行かない方がいい?」
暁「いや、連れていく、クイーンが何も言ってないのもあるが
今回のことも今までのことも皆が居なければできなかったことばかりだ。」
暁「意思疎通が出来るのに
肌の色が違うだけで迫害するならこっちから願い下げだ。」
暁「生きるために我儘ならいいが自分に固執して周りを迫害するやつはいらん。
少なくともそういう輩を守るつもりも助けるつもりもない。」
蛍「シビアだね~私も賛成だけどさ。迫害される側だしね!」
暁「お前らに限らず、全員人外だから迫害される側だけどな。」
白「一応、暁さんは人間だけど」
暁「中身を超改造されてるから人間とはいい難いけどな。」
蛍「だねぇw」
そんなことを話しながら準備を終えてヘリに乗り込む
一体どういう人物がいるのかワクワクしながら……密かに相手を警戒しながら
普段はビビってばかりのクイーンも今回ばかりは嬉しそうにしている。
ビショップも心なしか嬉しそうだ。
彼らはマグメルとして世界を救済するのを目的にしているし
コミュニティが存在していることが嬉しいのかもしれない。
一体どういう方向に向かうのか……
ヘリはゆっくりとアトランティスのヘリポートへと着陸した。




