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ワールドエンドルート  作者: イカランム
56/67

EP:55 大ムカデと脱出


咲実「うぉぉぉぉ!!」


ドバァッ!!


黒ムカデと白ムカデが合体して全力で逃げているが

先ほどとは違い余裕がなくなっていた。


暁「ちっ、合体して体積が上がったのに速度が上がってるとか何なんだ!」


トウカ「溶解液を吐き出す量と場所と速度も上がりましたね。」


追いつかれるほどには至ってないが飛んでくる溶解液の量がかなり多く

完全に振り切ることができなくなっている。


大ムカデ「マデマデ~ウエヘヘ~」


それに語彙もだいぶ増えてきた……気がする。

相変わらず理性の欠片も感じられないが……。

言葉を選べるほどに知性が成長したようだ。


暁「さて、どうしたものか……。」


咲実「どうするも何もこのまま逃げれば良いんじゃね!?」


暁「それはそうなんだが……あのムカデは良いサンプルになりそうだろ?」


咲実「こんな状況で冷静に何考えてんの!?」


暁「程度は低いとは言えある程度の知能があり、再生能力に合体能力、

更に脱皮に溶解液……どう考えても人間の枠から外れてる。」


暁「本当に人間だけを吸収してああなったのかそれとも別の要因か……。

持って帰れば今後のゾンビ対策に役立ちそうな気がするんだが……。」


トウカ「はぁっ!!」ザクッ


咲実「うぉぉぉい!!暁が変なこと言うからトウカが突っ込んだぞ!?」


の、ようだ。

後ろからトウカの発声と何かが切れた音がした。


振り向いてみると彼女の特製のブレードでムカデの首をチャンパしている。

が……。


大ムカデ「ナニズルゥゥゥゥ!!」ドバァッ!!


トウカ「くっ!」ダッ!


首がぶった切れたはずなのに毛髪や一部の手足から溶解液を吐き出した。

しかも、首はそのまま胴体に飲まれて……。

すぐに首が再生する……。


咲実「常識ハズレも大概にしろよぉぉぉ!!」


暁「これは流石に予想外」


トウカ「く、申し訳ありません。」


暁「いや、むしろよくやった。

どうにもサンプルを持ち帰るのは無理そうだな。」


トウカ「手応えとしてはあれはダミーの頭かと」


咲実「頭のダミーってなんだよ……。」


暁「ある程度知能があるなら、分からなくもないが」


あれで相当な数の肉体が融合しているはずだ。

頭が潰れても再生するハルクのように本当の核を何処かに隠しているんだろう。


見た感じ、ムカデのように長い胴体だ……。

今の状態で虱潰しに核を見つけるのも難しい。


末端の肉片も考えたが切れた毛髪が僅かに蠢いていたのを見るに

虫のような神経節みたいなのもありそうだ。


暁「つくづく面倒くさいのに当たったな。」


咲実「チートにも程があるだろ。」


暁「こんなのが生まれるほど善戦したんだろうから

電磁兵器は期待できるが……。」


トウカ「やはりこのまま罠に?」


暁「それ以外に選択肢はなさそうだ。」


色々解明できるチャンスだとは思うんだがそれにすがって全滅しても仕方がない。

普通のゾンビなら致命傷を受けても回復するが……流石に溶解液は無理だ。


暁「あと、10m先の部屋の床をぶち抜け、そこから逃げるぞ」


咲実「了解!」


大ムカデ「ニガザナイオォォッォオ!!」


暁「その前に」バシャッ!!


トウカ「ふっ!!」バギャァンッ!!


大ムカデ「ウボァァ!?」


飲水として持っていた水筒の中身をぶち撒け、

トウカの冷凍弾で床を凍らせる。


外と違って施設の床は綺麗な状態な場所も所々ある。

そこに氷を作ると当然滑る。

俺達みたいに安全靴じゃないならなおさらだ。


暁「よし、少しは稼いだ!」


いくつも手足がある身体だからすぐ起き上がるだろうが

途中で滑るせいでうまく動けていない。


こちらに追いつくために壁を這い出すが合体したことで重量が上がり

もたついているその間に僅かにでも距離を離し、許容範囲まで離れた。


咲実「どっせぇぇぇい!!」


そして、部屋に入る直前で咲実が全力の拳を振るい、床に大穴を開ける。

もともと掘っていてもろくなっているとは言え、

強力な鉄壁があるのにお構いなしだ。


咲実「飛び込むぞ!」


暁「了解!」


トウカ「暁様がお先に!罠を張ります!!」


追われることを想定してすべり台みたいになっている穴でも

トラップをはって万全を期そうとする彼女に先んじて飛び込む


穴から目的地までそれなりに距離があるが滑っていけばすぐだ。

重さがある大ムカデが速度を上げるかと思ったが


大ムカデ「ギャァァァア!!!」


大ムカデ「イダァァイイイァイィィィ!!」


大ムカデ「ピギェェェェ!!」


一体どんな罠を張っているのか、一定時間で大ムカデの叫び声が穴に響いている。

オオムカデの悲鳴を聞きながら穴を滑り降りる。


咲実「トウカ一体どんだけ罠仕掛けてんだ……。」


暁「たくさん?」


トウカ「30ほどです。」


咲実「仕掛けすぎだろ!?」


暁「お疲れさん。首尾は?」


トウカ「どうにも今ひとつでした。溶解液で半分は潰されました。」


咲実「なんとまぁ……。」


トウカ「まぁ、吐き出した溶解液で自爆してましたが……。」


暁「そこまでの知識はないのか……痛覚がないからガン無視してるのか」


トウカ「ある程度は効いているようですが

再生能力でほとんど意味をなしませんね。時間稼ぎがせいぜいです。」


暁「じゃあその時間をムダにしないように逃げるか

生き埋めトラップの場所は?」


トウカ「こっちです!」


トラップの先導はトウカに代わり、ここからは俺と咲実が妨害に回る。

しばらくして穴から大ムカデが現れる。


咲実「なんとなく分かってたけど無傷かよ!」


暁「叫び声は結局ダミーか」


相当な罠に引っかかったはずなんだがまるで意に返していない様子の大ムカデ


暁「この光景見てるとなんかあれだな……なんだったか?ウナギ?」


咲実「うなぎ?ツボの中のウナギとかそういう?」


トウカ「チンアナゴでは?海の中の細い穴から出てる。」


暁「それそれ」


咲実「そんな可愛いもんじゃねぇだろ……めちゃくちゃキモいぞ?」


暁「まぁ、見た目だけな。見た目だけ」


彼女の言うように

細くなっている穴から無理矢理身体を引き抜いてる姿はかなりキモい

悲鳴を上げながらズルズルと引きずり出している。


本来なら逃げるべきなんだろうが……

こいつを生き埋めにしておかないとどこまでおってきそうな雰囲気がある。


ゾンビはそもそもスタミナとは無縁だから

追いかけるられるなら延々に追いかけることが出来る。

大ミミズやハルクと違って何が秀でているかもわからない。


不安要素は全て排除していくべきだ。


大ムカデ「マッデ~マッデ~!!」


ようやく身体を穴から引きずり出すと……

こちらを向いてズルズルと這いずってくる。


速度は相変わらず、ダメージそのものも見受けられない。

とは言え、こちらも何もせずに待っていたわけでもない。


ズゴンッ!!


大ミミズ「ギェァァァ~~~~!!」


大ムカデがこちらに来る途中で地面が崩れ落ちる。

予め設置していた落とし穴にハマった。


トウカ「埋めます!」ガゴンッ


落とし穴にハマったのを確認してすぐにトウカがレバーを引き下げ穴をふさぐ


咲実「や、やったか?」


暁「それはフラグだ……。」


咲実「い、いや、言うだろ……この感じだと」


暁「まぁ言うが……。」


トウカ「大丈夫だとは思うんですが……。」


和と共に作った生き埋めトラップだ。

大ミミズでもなければすぐに脱出とは行かないだろうが……。


嗅覚を引き上げて埋まっている大ムカデの匂いを探知してみる。


暁「よし、全力で逃げるぞ!」


咲実「あ~やっぱり?」


暁「死なないのはまだしも殆ど無傷だ……というか細胞が活性化してる。

たぶん……何かしらの方法で掘ってくるな。」


咲実「さ、最悪じゃねぇか!?」


トウカ「手強いですね……。」


暁「全部のトラップ発動して逃げるぞ!」


咲実「了解!」


トウカ「はいっ!」


俺達は手当たり次第にトラップを発動させてその場を後にする。

途中で通信が入り、和たちもすでにヘリに乗り込んだようだ。


後は俺達がヘリに乗り込めばいいだけなんだが……。


暁「まずいな。」


咲実「なんかあったか?」


暁「さっきから匂いで探知してるが……思ったより移動速度が早い」


咲実「マジで!?」


トウカ「生き埋めの経験でもあったんでしょうか?」


暁「地下を掘ったときにそんな後はなかったが……。

知能が上がってるから対応速度が早いのかも知れんな。」


咲実「無茶苦茶だろ。」


暁「知能が上がってくれたおかげで出来ることもあるがな。」


咲実「なんかあんのか?」


暁「どうやら説明するヒマもなさそうだ。」


穴蔵を飛び出し、地上に出ることに成功した。

あとはヘリに向かうだけなんだが


暁「急いでヘリを上げろ!」


クイーン『え?え?なに!?』


暁「良いから早く!」


クイーン『わ、分かった!』


地上ですぐに通信機をつなぎ、ヘリを飛ばさせる。


直後


ボゴォンッ!!


俺達の目の前の地面が盛り上がり


大ムカデ「ピギェェェェァァ!!!」


盛大に悲鳴を上げながら大ムカデが現れた。


暁「そいっ!」


トウカ「ハッ!」


大ムカデ「ピギィィィィ!!」


向こうは虚を突いたつもりのようだが

こちらとしては想定内、

飛び出た瞬間にありったけの手投げ弾を放ち動きを止める。


暁「やれっ!」


咲実「吹っ飛べやぁぁぁぁ!!!!!」


僅かに止まっただけですぐに動き出すだろう大ムカデに

咲実の全力のパンチを浴びせかける。


爆風とともに振るわれた拳が大ムカデにめり込み……

そのまま遠くへ吹っ飛んでいった。


咲実「っしゅあっ!」


暁「喜ぶヒマはないぞっ!」


ようやく手応えがある攻撃にガッツポーズをさせてやりたいが

遠くの方からハルクが近づいてくるのを感知した。

暴れすぎて気付かれたみたいだ。


トウカ「お早くっ!」


既に垂れ下がるロープをつかむトウカの手を掴み、咲実を抱きかかえる。


直後にヘリが急上昇していき


ハルク「ヴォォォォォッ!!」


大ムカデ「ギェァァァ!!!」


遠くから聞こえる進化型の声を聞きながら何とか脱出した。

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