表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールドエンドルート  作者: イカランム
55/67

EP:54 黒ムカデと逃走


暁「白!聞こえるか!」


白『聞こえてる。大丈夫?』


暁「なんとかな。想像以上に手強い。

このまま、第三ルートから逃げるが和の方はどうだ?」


白『今のところは問題ないと思う……でも』


暁「なにかあるか?」


白『白い方のムカデが和さんのところに向かってるみたい。』


暁「マジか……。」


二人が遅れを取るようなことはないだろうが相手が相手だ。

データ収集に支障が出る可能性がある。


暁「データの進捗状況は?」


白『今は順調だけど、もう少しかかるかも……。』


暁「分かった。白い方もこっちにおびき寄せてトラップで仕留める。」


白『…………大丈夫なの?』


暁「ポテンシャルそのものはこっちのほうが上だ。」


流石に撒くわけには行かないので

それなりの速度で追いつけるように走っている。

足止めが通じず、ガサガサと進んでくるが速度は大したことがないみたいだ。


速さよりも状況への対応力と機敏さを高めたようにみえる。

最初に出逢ったのが一体でよかった。

揃っているともっと面倒だった気がする。


暁「向こうが滞ると面倒になる。全部引き連れて埋めてくる。」


白『…………分かった。気をつけてね。』


暁「もちろん。」


白との通信を一旦切って……。


暁「和」


和『はい、聞こえました。……また無茶するんですね。』


暁「無茶っていうか……うん、まぁ……。」


誰かが無茶をしなきゃいけない状況なんで……というのも言い訳にしかならない。

何度となく無茶はしないでと言われているが

どうしてもそういうお鉢が回ってくる。


回ってくれば受け取らないわけにも行かないわけで

彼女からすれば許容したくないことなのも分かる。


和『止めても聞かないことは分かってます。優先するべきことも……。』


暁「すまん。」


和『絶対に無事に戻ってきてくださいね。』


暁「それは約束する。」


和『私たちは第5ルートから撤退します。

他のルートは全て潰して構いません。』


暁「分かった。気を付けてな。」


和『こちらのセリフですよ。』


暁「だよな。無事に戻る。待っててくれ。」


和『はい。』ピッ


暁「はぁ……また怒ってそうだなぁ。」


通信が切れてから思わずため息が出てしまった。


咲実「まぁ、仕方ないって、状況が状況なんだからさ。

和も内心では分かってるって」


暁「内心でどう考えてても抑えられないものはどうしようもないけどな」


咲実「諦めるしかねぇわな。」


暁「軽く行ってくれるな……。」


トウカ「怒られるのは避けられませんよ。

それよりも白い方をどうやって誘き寄せますか?」


暁「それについては大丈夫だ。

こいつらは十中八九、音でこっちに反応してる。」


咲実「そんなん分かんのか?」


というか、それ以外に俺らに反応を示す可能性がない。

地面から来たのに匂いや温度を感じ取れるわけもないだろう。


咲実「言われてみりゃそうだな。」


暁「ってことで、任せる。」


咲実「あん?オレ?」


暁「とにかくでかい声を上げればこっちに気が付くはずだ。」


トウカ「それだと外のハルクも来るのでは?」


暁「来てもどうもできん。施設が狭すぎてハルクは入ってこれんだろうし、

流石にゾンビとやりあってきただけに施設そのものが強固だ。」


何度か溶解液をぶち撒けているのに

表面が溶ける程度で奥にある鉄壁にまで浸透していなかった。


が、近くにあった普通の鉄のポールは溶けていた。

つまり鉄を溶かすだけの溶解力があるがこの施設を溶かすことは出来ない。


それだけの強度があるならハルクの攻撃も耐えるだろう。

今思えば防壁の一部は崩れていたが……施設そのものは完全に無傷だった。


一体どんなやつが作ったのか……。


暁「ハルクがきた時はその時だが、

幸い、俺達のルートと和たちのルートは交わらん。」


暁「ハルクも引き連れて脱出すればすむ」


咲実「ハルク連れ回して脱出したらまた和が怒るぞ?」


暁「……その時はその時だ。」


咲実「覚悟があるならいいけどよ。」


そういうと咲実は走りながら大きく息を吸い込んでいく

それに合わせて俺もトウカも耳を塞ぎ……そして……。


咲実「ウォォォォォォッッッッッッッ――――――!!!!!!!!」


地面も壁も吹き飛びそうな轟音が一帯に響き渡る。

体が強化されてたり、ゾンビ化してなければ

鼓膜が破れて、心臓が止まってもおかしくないレベルだ。


現に


黒ム「ピギャアァアァァアア!!?!?!」


あまりの爆音に痛みを感じないはずの黒ムカデがのたうち回っている。

脳にデカイ損傷を受けたのか

顔らしき場所から泡やら黒い液体まで吹き出している。


トウカ「もはや兵器ですね。」


咲実「そ、そこまでだったか?」


暁「改造してなかったら俺はここで死んだかもな。」


咲実「お、大袈裟すぎ……だろ?」


のたうつ黒ムカデを見てると自分でも大袈裟に思えなかったんだろう……。

尻すぼみになっていって挙句に疑問形になった。


完全に撒くことが目的じゃないので黒ムカデが動き出すまで止まっていると


PiPiPi


通信が入った。


暁「暁だ。」


和『とてつもない音がしました何かありましたか!?』


通信機から聞こえてきた声は慌てた様子の和の声

本当によほどの声だったらしい……。


暁「大丈夫だ。白ムカデをおびき寄せるために大きな音を出しただけだ。」


和『ほんとうに大丈夫なんですか?』


暁「本当に大丈夫だ。それより白ムカデは?」


和『はい、レーダーを見るにこちらから離れていっています。』


暁「誘き寄せは成功したみたいだな。」


和『ですが……少し気になることが』


暁「なんだ?」


和『どうにも大きな音ではなく別のものにつたれたように見えました。』


暁「別?」


和『はい、音が聞こえる直前にもう方向転換していたような……。』


暁「ふむ……。」


和『何か嫌な予感がします。どうかお気をつけください。』


暁「分かった。」ピッ


暁「聞こえてたか?」


咲実「あぁ、でもなんかおかしかったか?」


暁「ここから和たちのいる場所まで大した距離はない。」


暁「なのに音が聞こえる直前ってことは

咲実が大きく息を吸った当たりでこちらに向かおうとしてたってことになる。」


トウカ「いくらなんでも反応が早すぎますね。」


暁「レーダーの方はどうなってる?」


トウカ「こちらに一直線に向かってきているようですが……。」


暁「一直線か……。」


さっきの爆音だと施設全体に響いて明確な位置なんてわからないはず……。


暁「予想出現位置は?」


トウカ「左側の奥の通路からですね。」


暁「近づいたらすぐに逃げるぞ……嫌な予感がする。」


咲実「まだ嫌な予感すんのかよ!?」


杞憂で終わればいいが……この世界で嫌な予感が杞憂で終わったためしがない。

レーダーをよく見て出てくるタイミングを待つ……。


黒ムカデはのたうつばかりで動く様子がなかったんだが

白ムカデが近くに来た途端に黒ムカデが予想位置の方向へと這いずり始める。


咲実「あん?なんでそっちに?」


暁「俺達から逃げてる……ようにも見えんが」


トウカ「そろそろ現れますが……。」


一体何が起こるのか……各々逃げの体制のまま待機していると


白ム「ピアァァ!!」


黒ム「ビャアァ!!」


白ムカデが門から現れると突然黒ムカデが体を起こした。

白ムカデの道を塞ぐように胴体?を立たせたことで二匹は激突

お互いの悲鳴が通路に響きながら、二匹がもつれ合うように地面に倒れ込む。


なんで?と思って一瞬考えるが……答えはすぐ出た。


暁「逃げるぞ!」


咲実「え、いきなりなんで!?」


暁「あいつら合体するつもりだ!」


咲実「まじで!?」


トウカ「ふっ!」バギャンッ!!


咲実「トウカ、ナイス!!」


ぐちゃぐちゃと気色悪い音を響かせるムカデに

トウカが冷却弾を投げ込み氷漬けにする。


多少は動きが鈍り結合速度が遅くなったが


ジュゥゥ――


咲実「ま、まじかよ……。」


あっという間に溶解液で溶かしてしまった。

でも少しは時間を稼げた。俺達は一気にその場から離脱を開始する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ