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ワールドエンドルート  作者: イカランム
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EP:04 次の目的と真の力

咲実「やべぇ……食いすぎた……」パンパン


和「え、えっと、胃薬飲みます?」


咲実「ダメだ。

和が作ってくれた料理に胃薬を使うなんてオレのプライドが許さねぇ……。」


暁「男らしいな。見た目は普通に美少女なのに……。」


咲実「当たり前よ。」ゲフッ


暁「まぁ、あまり辛いなら消化を早める薬でも飲みな。

どうせ今日はもう活動するつもりはないしな。」


咲実「活動……そういや、オレは何をすればいいんだ?」


暁「ん~今後の動き次第だな。」


咲実「人類の救済だっけか?結局何をするんだよ?」


暁「今まではとにかく、ゾンビに俺の血を飲ませる……だったんだが

結局、目覚めたのが和と咲実だけなんだよな。」


和「他の(かた)は半ゾンビ化はしますが目を覚ます気配がないんですよね。

死んでるわけじゃないみたいですが」


クイーン「何か条件があると思うんだけど……何か二人に共通点とかないかな?」


咲実「オレと和に?」ジー


和「私と咲実さんに共通点ですか……」ジー


咲実「胸の大きさは……オレのが上だよな。身長とかも」


和「そうですね。体型は関係なさそうですよね。」


暁「真っ先に思いつくのが体型なのか」


咲実「最初に思いついたのは性別だけどオレ以外にも同性は居ただろ?流石に」


クイーン「えぇ、結構な数いるわね。」


和「年齢……とかでしょうか?」


咲実「オレは17歳だが」


和「私は20歳ですね。」


暁「近いが……どうなんだ?」


クイーン「年齢幅はそんなにかなぁ。

他にも20代~10代の人は結構いるしね。」


咲実「出身地とかか?オレは群馬生まれだが」


和「私は東京ですね。」


咲実「全然、違うな。」


クイーン「ちなみにこっちで共通点かなぁっていろいろ調べたけど

血液型、脳波数値とか二人に近い人は居たけど他に復帰した人は居ないわ。」


和「何が条件なんでしょうか……。」


咲実「ん~……実は美人かどうかとか!?」


暁「いや、流石にないだろ」


クイーン「なるほど……」


暁「おい。」


クイーン「だ、だって、ゾンビ化を止めるのは暁の活力みたいなのだし

種付けしたい!って思う相手なら効果があるのかなってさ!?」


咲実「た……種付けって……暁、そうなのか?」


暁「待て待て待て!!

たしかに可愛いとか美人とか思ったけどそこまで下半身と直結してねぇよ!」


和「か、可愛いなんて……あ、暁様がいいなら私は全然……」


暁「全然なんだよ?言わなくていいけどさ」


和「そ、それは……さ、最初はベッドがいいです!」キャー


暁「言わなくていいって言ったのに……。」


クイーン「ちなみに……半ゾンビも子供は産めるよ!」


暁「…………ちょっと黙ろうか?」ギュミー


クイーン「ひはいっ(痛いっ)!!ひはいっ(痛いっ)!!ほへんなはい(ごめんなさい)ひはいっ(痛いっ)!!」ムギュー


和「さ、流石にそれ以上は……ほっぺが取れますよ?」


暁「チッ」


クイーン「ふ……ふぐ、凄い痛い……。」


和「よしよし」


クイーン「か、からかうのはこのくらいにして可能性はあると思うよ?」


咲実「こ、子作りか?ささ流石にもう少しわかり合ってからのほうが……。」


クイーン「そっちじゃなくてね!?

暁くんその手は何!?もう私のほっぺたは限界だよ!?」


クイーン「可愛い子が復帰するって話!冗談じゃなくてさ!

ほら、エッチな気分になったときってある意味活力がある状態じゃない!?」


クイーン「暁くんがかわいいって思った娘が復帰しやすいんじゃないってさ!?

可能性的にね!?すっごくすっごく科学的な感じでね!?」


暁「…………まぁ、いいだろう。今は少しでも情報が欲しいしな。」


咲実「ってことは……暁の気に入った女の子を探す感じなのか?」


暁「ものすごい誤解されそうなセリフだな。」


クイーン「ある意味間違って……無くなんかないですよね!?

すっごく真面目なことですよねだからごめんなさい!」ビクビク


和「ふふ、仲良しですね。」


クイーン「目腐ってない!?めちゃめちゃ私怯えてるよ!?」


咲実「それは自分で言うことか?」


暁「何にしても俺が可愛いって思った娘を連れてくればいいんだな?」


クイーン「う、うん、そんな感じで……。」


和「……考えてみるとかなり難しそうですよね。」


暁「まぁ、たしかにな。」


咲実「そうなのか?ゾンビなんてそこらじゅうにうじゃうじゃいるだろ?

もう、一人二人いてもおかしくないだろ?」


暁「この周辺のゾンビはあらかた半ゾンビにしてるからな。

そもそもココらへんが東京旧地区で数が少ないってのもあるが」


咲実「東京旧地区!?」


暁「何か気になることでもあるのか?」


咲実「い、いや、俺が最後に居たのは群馬新地区だったから……。」


クイーン「ゾンビは生身の人間を感染させようと追いかける習性があるから

人も設備も多かった東京新地区に来たのはおかしくないわ。」


クイーン「中には北海道新地区のバッジを付けた人も居たしね。」


咲実「そうなのか……」


暁「やっぱり、人の多い新地区を捜索した方がいいのかね?」


クイーン「そのほうがいい娘が見つかりそうね。」


和「となると……やはりあの場所がネックですね……。」


暁「そうだな……。」


咲実「あの場所?」


暁「今日は活動するつもりはなかったが実際に見てもらったほうが早いかもな。

咲実は鍛えてそうだから探索サポートに来てほしいしな。」


咲実「探索か……今の状況であれだが心躍るな。背中はオレに任せな!!」


暁「はは、期待してるよ。」


クイーン「気を付けてね~」


暁「ははは、お前も来い」


クイーン「うぇぇ!?なんで!?」


暁「なんか使えそうな車とか道具とか探させる。

まじで距離があるから徒歩ダルいしな。」


クイーン「無理無理無理!私頭脳担当だし!た、助け……助けてえええ!」


和「たまには運動も大事ですよ。」


咲実「そうだな。運動不足はダメだな。」


クイーン「味方が居ない!?」


クイーン「そ、そうだ。咲実ちゃんのお腹の調子は!?食べ過ぎだったよね!?」


咲実「あれ、そう言えば……もうそこまで辛くないな。」


クイーン「消化早くない!?」


咲実「まぁ、結構鍛えてたからかな?」


暁「大丈夫そうだな。はーい、探索部隊出撃~」


クイーン「いや!助けて!ゾンビ嫌ああああああ!!」


…………

………………


咲実「なんか、想像と全然違うな。」


暁「どうにも半ゾンビとか俺にはゾンビが襲ってこないんだよな。」


咲実「オレが人間だった時はウザいくらいに追われたんだが……。」


クイーン「ぞ、ゾンビはゾンビじゃないやつを感染させようって本能しか無くて

逆に……ひっ!?…………ゾンビじゃないやつにはしつこく襲いかかるのよ。」


咲実「ってことは探索とかするなら半ゾンビの方が便利ってことか?」


暁「人間の俺と違って腹も減らなくて

全然疲れないらしいから便利そうではあるな。」


咲実「もう一生、半ゾンビでよくないか?流石に理性皆無のゾンビはゴメンだけど

半ゾンビなら特に困ることがない気がするんだよな。」


暁「俺もそんな気がするが……まぁ、人によりけりだろ。」


クイーン「い、一応、半ゾンビは腐敗病って言う病気が原因だから

あんまりそのままのはよくないと思うんだよね……。」


咲実「あ~何が起こるかわからないって恐怖はあるんだな。」


クイーン「うん……それでも暁がいれば大抵のことは問題ないんだけど

中には突然変異したのとか居るからさ……はぅわ!?」


暁「突然変異か……見たことないんだよな。」


咲実「例えばどんなのが居るんだ?」


クイーン「えっと、えっとね。なんか色々融合しちゃってる気持ち悪いのとか?

腕が鉄パイプみたいになっててそこらじゅう殴りまわってる変なのとか……。」


暁「よくわからん……。」


咲実「そういうのは無差別に襲うのか?」


クイーン「わ、わかんない。出会った時は私はゾンビ改造してなかったし……。」


咲実「出会わないとわからんってことか……

一応、コレでも武術の心得とかあるからいざという時は役に立つぞ」


暁「頼もしいな。」


クイーン「ひゃわっ!?」


暁「このちびに比べて……な。てか、怯えすぎだろ。」


クイーン「だ、だって……だって怖いんだもん……。」


咲実「どう見ても二十歳以上には見えないな……。」


暁「ゾンビは襲ってこないんだろ?」


クイーン「と、突然変異種はわかんないもん。ゾンビ改造したのは最近だし

その前はずっとゾンビと追いかけっこだったんだもん……。」ウルウル


暁「あ~分かった分かった。手を繋いでやるから今はそれで我慢しろ。」


クイーン「う、うぅ……帰りたい。」


暁「それはダメ。」


クイーン「鬼~、鬼畜~」ギュゥゥ


咲実「甘いのか、厳しいのかわからんな……。」


暁「それより、そろそろ着くぞ」


咲実とクイーンを連れて暫く歩くと旧地区の出入り口らしき場所に到達する。

その境界線みたいなものを超えれば東京新地区

別名"島凶(とうきょう)"と呼ばれる場所があるらしい。


咲実「なんだこれ?」


クイーン「と、通れないの?」


暁「そうなんだ。

和と探索して、軽く東京新地区も見てこようと思ったんだが……。」


そこには崖崩れによる土砂と倒壊したビルがいくつも横たわっていて

そこから先への侵入を完全にシャットアウトしていた。


コレが俺と和が難しいと言っていた理由だ。


旧地区は放棄されていた場所だけにゾンビの数がそれほど多くない。

50人ほど半ゾンビ化して眠っているのをカメラのある場所に隔離しているが

それがこの地区に居る8割ほどのゾンビだったりする。


暁「いずれはクイーンに爆薬でも作らせて通るつもりだったんだが……」


クイーン「強制なんだね……別にいいけど……。」


暁「今の状態だと進めないんだよな。」


クイーン「じゃあ、爆薬とかを作ればいいんだね?」


暁「そうなるな。他のゾンビも大体は確認してるが

和や咲実並の容姿となるとかなり厳しい。絶対数が不足してるしな。」


クイーン「この地区には生きてる人なんて一人も居なかったからね。

和ちゃんの居た所はここから離れてたし、そこにももう誰も居ないけど……。」


咲実「ってことは爆薬が出来るまでしばらく待機ってことか?」


暁「だな。無理矢理登って進めないこともないが……」


クイーン「それは推奨できないかな。

いざという時にすぐに戻れないことを考えるとデメリットのほうが大きいよ。」


暁「なんだよな。」


咲実「こう、正拳突きで全部吹っ飛ぶとかないのかな?

ほら、死んだ後に復活するとパワーアップするとかあるじゃん?」


暁「ははは、だったら楽そうだが流石に無いだろ。」


咲実「だよな~」


と、言いながら軽く正拳突きを土砂に御見舞する咲実


その瞬間、ボヒュゥゥッッッ!!っととんでもない突風が吹き抜け


ボンッ!と……目の前にあった土砂が吹き飛んでいった……。


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