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ワールドエンドルート  作者: イカランム
33/67

EP:32 群馬と異常地帯


暁「…………。」


アツキ「クシャい……。」


到着まであとすこしという所で電車の速度を一気に下げてもらった。

アツキが言ったように群馬に入った辺りから異臭が凄い。


多分、俺とアツキ、嗅覚が異様に高いからこそ気がついたんだろう。

ゾンビ臭と死臭と腐臭が電車の外に蔓延していた。


暁「二人はマスクを付けといたほうがいいぞ……かなりやばい。」


和「そんなにですか?」


暁「嗅覚を引き上げてるわけじゃないのにかなり臭うな……。」


白「やっぱり人が多いからかな?」


暁「多分な。それに……」


アツキ「進化ゾンビ結構いる。」


暁「みたいだな。少なくとも今の位置から索敵できる範囲に3体ほど居るな。」


白「そんなに……。」


和「いかがしますか?」


暁「……途中で降りたほうがいいかもしれんな。

駅には他にもいそうだ。」


本当ならもう引き返したほうがいいかもしれないが……。

この状況ならむしろ探索は必須だろう。


いくらなんでも異常過ぎる。

今探索せずに帰っても、

いずれ探索するならどこかで危険地帯に踏み込む必要がある。


暁「探索は難しいだろうが、

最悪、どういう進化ゾンビが居るかだけ調べて帰ろう。」


白「分かった。カメラ用意しとくね。」


和「電車も、すぐに発進できるように設定しますね。」


アツキ「お兄ちゃんもマスク」


暁「ありがとう。でも大丈夫。」


アツキ「そう?」


ここでは常にいざという状況が起こりうるだろう。

いち早く状況を察知できる嗅覚を鈍らせることは出来ない。


正直、死臭と腐臭とゾンビ臭でえげつないことになってるが

安全と引き換えには出来ない。


暁「アツキこそ、付けときな。」


アツキ「ん~……一人より二人だと思う。」


暁「そっか」


アツキ「ナデナデ好き」


彼女の気遣いに嬉しく思いながら……気を引き締める。

ここでは一瞬の油断が命取りになるのは間違いない。


和がノートPCで電車を制御し、ゆっくりと速度を緩めていく


暁「よし、ここで出よう。」


駅付近に大量のゾンビの気配がするし、周囲には進化ゾンビが居る。

できるだけ距離があって、探索できそうな位置で電車を止めてもらった。


白「荷物は軽いほうがいいよね?」


暁「そのほうがいいな。」


動き安さを重視して最低限の荷物に切り替える。

余程のことがないなら電車内なら大丈夫だろう。


暁「まずは俺が出る。アツキは最後だ。」


白「気をつけてね。」


アツキ「アツキは最後?アツキ強いよ?」


暁「いざという時には二人を引っ張り込んでほしいからな」


アツキ「なるる。おっけ」


和「ドア、開きますね。」


暁「…………っ」


ドアが開き異常なほどの匂いが鼻を突く

思わず顔をしかめてしまうが……嗅覚を戻すことは出来ない。

対応の遅さが致命傷に繋がるだろうし


暁「よっとっ!」ゴキンッ


トカゲ?「ギシャァッ!!?」


暁「ずっと電車の上に何か居ると思ったが……いきなりか」


妙に馬鹿でかいトカゲ……だと思うが

爬虫類的なやつが襲い掛かってきたのを首を折り、

体と頭を切り離して高架橋から投げ落とす。


和「大丈夫ですか?」


暁「問題ない。今の以外にそれらしいのはいないな。」


白「ゾンビ……だよね?」


暁「ゾンビ犬と似たような匂いがしたが……。」


白「じゃあ、突然変異種かもしれないね。」


暁「進化型なのか?」


白「突然変異種と進化型は別のモノだよ。

薬物とか環境の影響で変質したのが突然変異種になるかな。」


白「進化型の印象が強くて忘れがちだけど多分こっちも注意だと思う。」


暁「見分けがつきにくいな……。」


白「色んなのが合体したのが進化型、個体が突然変異種で良いと思うよ。」


アツキ「じゃ、あれは突然変異種?」


暁「あれ?」


アツキ「すっごい向こうにでっかい象がいるよ?」


白「ちょっと待って下さいね。」


白が双眼鏡を取り出して覗き込む。

視力に関してはちょっといい程度だから俺には見えない。


匂いで……何かでかいのがいるのは分かるが……

獣臭いのくらいで象かどうかまではわからなかった。

そもそも、象の匂いを嗅いだことがない。


白「うん、あれは突然変異種だね。

多分、象が薬品で巨大化したんじゃないかな?」


暁「何でもありだな……。というか象に感染能力はなくないか?」


白「ゾンビは噛んで血を出させようとするけど……。」


白「血を出させれば感染するから乱暴に言えば

腕を引きちぎったりでも感染するのはするよ。」


暁「マジか……。」


和「流石に……生存者が居る可能性は低そうですね。」


白「可能性は……ゼロじゃないと思うけど……難しいのは間違いないね。」


アツキ「どこ回る?ゾンビver2探し?」


暁「できれば活動拠点を作りたかったが……無理そうだな。」


敵の種類が多種多様過ぎる。

馬鹿みたいにデカい象まで居るんだ。どこかで腰を据えてってのは無理だろう。


白「今回はやっぱり、脅威になる奴を調査するんでいいと思う。

方針を立ててから次に回そう。」


暁「了解。今回は一塊で行こう。」


和「かしこまりました。」


アツキ「みんなと一緒」


東京都は比べ物にならないほどの危険地帯で俺たちは活動を開始する。


…………

………………


暁「ち、なんつうやつだ!」


アツキ「おぉ……ハヤイハヤーイ」


調査を開始して暫く

最初は順調に情報を集めていたが……。


ゾンビv2「キシャァァ!!」


ゾンビの中に索敵能力の高いものがいたらしく、襲撃を受けていた。


速度はそれなりだが……。

俺が和、アツキが白を担いでいる状態では思ったより速度が出ない。


しかも


暁「次は左に行くぞ!右に何かいる!」


アツキ「あいあいさ~」


そこらじゅうに異様な匂いが残っていて

まっすぐ逃げられず、撒くことが出来ない。


和「このままではジリ貧ですね。」


白「何処かで対処したほうが良いかも……。」


暁「対処って言われてもどうするんだ?」


幸いにも俺の二回り程度のサイズ、

倒そうと思えば倒せなくないかもしれないが

ハルクと違って小柄な分、敏捷性が高い。


できれば広い場所で戦いたいんだが

ゴチャゴチャしたものが多すぎてベストポジションが見つからない。


暁「何処かに場所はないか?」


白「難しいかも……密集地区だから広い場所がない……。」


和「ビルとかありませんか?」


白「ビル?あるけど」


和「ホテルビルならパーティー用のホールがあるはずです。」


暁「なるほど、それで探してみてくれ。」


白「あった。上に登ればすぐに見つかる位置にあるよ!」


暁「よし、上に上がるぞ!」


アツキ「あいあいさ~」


俺とアツキで揃って壁を蹴って住宅地の屋上に出る。


暁「あれだな!窓から行くぞ!階層は?!」


白「えっと……あれだと……15階から20階まで」


暁「よし、16階の窓から行くぞ!」


アツキ「ういさ~」


壁を登っても追いかけてくるゾンビと距離を測りながら

マンションの屋上から飛んでホテルの窓を叩き割って飛び込む


和「白さんはこちらに!」


白「はい!」


ホールに入った瞬間に和が白と共に避難する。


暁「せぁっ!!」


ゾンビv2「キシャァッ!?」


同じく飛んできたゾンビに振り向きざまに蹴りを加えるが

当たり前のように回避されてしまう。


アツキ「アツキパーンチ!」ゴヒュッ!!


回避されるのは想定内

回避した先にはアツキがのんびりとした声に合わない剛拳を放った。


ゾンビv2「ギギャァッ?!!?!」


流石に俺とアツキの二段構えは対応できなかったようだ。

アツキのパンチに寄って吹き飛ばされ窓の外に飛んでいきそうになる……が


暁「地面と結婚しなっ!!」ベジャァッ!!


アツキのパンチの勢いをそのままに地面にすりつぶすように叩きつける。

地面を壊して遠くへなんて馬鹿なことはしない。


俺たち並みの索敵能力を持つ奴を残しておいてもデメリットしか無い。

頭どころか上半身全てが地面と同化するみたいにすり潰される。


すり潰したらすぐにその場を離れ、どう動くかを待つ……。


暁「…………。」


アツキ「…………。」


10秒……20秒と待機するが……動く様子はない……。


白「データ収集できたよ。もう動かないみたい。」


暁「…………そうか」


白の言葉でやっと緊張感がとけた。

完全に解く訳にはいかないが……一難は去った。


アツキ「ハイタッチ!」


暁「ん、ハイタッチ」パチーン


こういう状況でもマイペースなアツキのおかげで

ネガティブな方向にモノを考えなくて助かる。


白「ちょっとだけ調査するけど大丈夫?」


暁「…………今はこの周囲にそれっぽいのが近づいてる様子はないな。」


アツキ「大抵、振り切った。こいつが早かっただけ」


白「じゃあ、すぐ済ませるね。」


和「少しですが飲み物と軽食をどうぞ。」


ごく僅かでも疲れてる俺とアツキを気遣って

差し出されたものを貰って小休止に入った……。


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