EP:29 妹なゾンビと新情報
暁「早速話を聞こうか、返答次第では群馬行きだが」
クイーン「めちゃめちゃゾンビ居るところじゃん!?私死んじゃうよ!?」
咲実「や~でもそれも仕方ねぇよ……。
いくらなんでもハルクゾンビを復活って……。」
白「ずっと別室で何かしてると思ってたけど……まさかこんなことしてたなんて」
蛍「白にも黙ってたんだ?」
和「信じていたんですが……残念です。」
クイーン「なにが!?何が残念!?」
どうやら俺を含め誰にも話さずにハルク少女を作ったらしい。
クイーン以外のハルクゾンビを目撃している。
たとえ小型化しても……。
いや、あの性能で小型化されると施設内でも手が出せなくなるかもしれない。
そう思うと、誰も好意的に見ることはできなかった。
クイーン「えっと……とりあえず、自己紹介しよっか、ね?」
針のむしろの状況でクイーンはハルク少女に目を向けるが……。
?「…………」プイ
サラッと無視された……。
クイーン「えぇ……。」
咲実「おい、なんか無視されてんぞ」
白「自分でも制御できてないのかな?」
蛍「え、それやばくね?」
和「仲間を手に掛けたくはないんですが……ですが暁様のためにも……。」
クイーン「待って待って!?マジでその発想凄く怖いから!?
この娘はアツキちゃんだよ!ね、アツキちゃん!?」
アツキ「…………」プイ
ガン無視である……。
クイーンが嫌いなのかどうか知らんがクイーンに反応するつもりがないらしい。
暁「あ~アツキ。」
アツキ「ん、お兄ちゃん」
暁「は?」
返事……されたんだと思うがお兄ちゃん?
クイーン「私に反応しないのに暁くんには反応するの!?」
アツキ「…………」プイ
咲実「お前何したんだよ……。」
蛍「ケーキでもパクったのかな?」
クイーン「何もしてないよ!?」
暁「待て待て、そもそもお兄ちゃんってなんだ。俺に妹はおらんぞ」
アツキ「お兄ちゃんは……お兄ちゃん?
アツキはお兄ちゃんの血で出来てる?」
咲実「フワッフワしてんな。」
クイーン「もうだいたいわかってると思うけど、
この子は暁くんが持って帰ってきたハルクゾンビの細胞から蘇生させたの」
暁「蘇生?」
クイーン「うん、ハルクゾンビも元々はただのゾンビだからね。
脳細胞から肉体を再生して、暁くんの血で浄化したのかこの子」
白「つまり……ハルクゾンビを半ゾンビ化復帰させたと?」
暁「いや……彼女は半ゾンビじゃない。完全にゾンビだ。」
半ゾンビとゾンビの違いは意識があるかないかだけじゃない。
腐敗病が完治してるかどうかも大きな要因だ。
暁「この子の体から腐敗病と同じ匂いがする。」
クイーン「うん、そこがちょっと想定外な部分でさ。
普通は暁くんの血を摂取すると腐敗病が収まるんだけど……。」
咲実「じゃあ、こいつに触れると感染すんのか?」
クイーン「そこは大丈夫、不活性化してるから感染はしないよ。
ただ、半ゾンビとは違って生命活動が停止してないの。」
白「生身のまま、人間を越えた存在?」
クイーン「有り体に言うとそんな感じ
もともとハルクゾンビだった影響なのか知らないけど……」
クイーン「多分、咲実ちゃんくらい強いと思う。」
アツキ「強い。アツキは役に立つ子」
暁「そういう問題じゃないと思うんだが……。
とりあえず、襲いかかることはないんだな?」
アツキ「お兄ちゃん、好き。襲わない。別の意味で襲う?」
暁「クイーン?」
クイーン「待って待って!?私何もしてない!ほんとに何もしてないの!!
ハルクゾンビの影響なの!ほんとにほんと!!」
白「ゾンビ集合体だった時の影響で色んな知識があるってことかな?」
クイーン「それそれ!」
見た目はクイーンみたいな子供だが知識は十分ってことなのか……。
変な知識まで入ってると思うが……。というか初対面で好きっておかしくね?
クイーン「アツキちゃんはさ、言ってみれば私達半ゾンビじゃなくて
どっちかって言うと暁くんみたいな感じなの。」
暁「俺?」
クイーン「私たちは生命活動を停止してる状態でしょ?
だから体力もスタミナもないし、お腹も減らない……でも体は自己治癒しない。」
クイーン「暁くんは凄く強いけど普通に生きてるから
お腹も減るし、スタミナもあるし、傷付いても自己治癒するんだ。」
クイーン「改造はしてないけどこの娘も似たような感じなの。
ただ、咲実ちゃん並の戦闘力を持ってるだけで」
暁「それは……どうなんだ?大丈夫なのか?」
クイーン「敵意とかはないよ。そこは大丈夫。
そもそも、腐敗病の影響で人間を襲うだけだからね。」
アツキ「大丈∨」
暁「危険がないなら……まぁいい。
とりあえず、ハルクゾンビも蘇生できるってことなんだな?」
クイーン「うん、核となった人だけね。」
暁「核だけ?」
クイーン「もう一つの細胞からも蘇生させようと思ったんだけど……。
核以外はぐちゃぐちゃに混ざってて無理だったんだよね。」
クイーン「元々、脳がないと蘇生できないんだけど……その脳も」
咲実「混ざりまくってどうしようもないと……。」
クイーン「残念ながら……
あ、あとやっぱり、暁くんと相性が良くないと復帰も難しいかも」
白「生命機能停止してない状態で眠ったままは流石に……。」
クイーン「うん。脳があれば他のゾンビよりは相性を近くできるけど
根本的に相性が悪いとかだとかなり厳しいかもしれないかな。」
アツキ「お兄ちゃんと相性バッチシ」
どうにも釈然としないが……。
新しい仲間を迎えた……という体で納得させることにする。
それよりも
暁「アツキの事は分かった。次は今後の方針だ。
ずっと宙ぶらりんのままだったがいつまでもこのままはだめだろ?」
クイーン「そうそう、今回の事でわかったことがいっぱいあるんだよ!
それを踏まえて次の方針も決めていこうって思ってね!」
早速とばかりにモニターを起動して説明を始めるクイーン。
今回でわかったことはそれなりに多かった。
まずはゾンビ犬の習性について
これは動いている個体の中で一番大きな物を攻撃するという習性だ。
電車で俺を襲ってきたのも、
ハルクゾンビを攻撃したのもそのルールに従っての行動らしい。
咲実「要は人間じゃなくても襲うってことか?」
クイーン「そうだね。生き物ならなんでも攻撃するみたい。
腐敗病で対象の部分がイカれたんじゃないかなぁ。」
クイーン「マザーコンピュータで管理されてるはずだから
それを破壊すれば止まるかもしれないかな。」
咲実「それの場所は?」
クイーン「流石に分かんない……軍事機密だしね。」
咲実「それもそっか」
クイーン「犬も腐敗病にやられてたけどシステムコアの情報を元に動いてたから
マザーコンピュータを止めれば全固体が停止するのは間違いないよ。」
次にハルクゾンビ……というかこっちが本題だろう。
クイーン「暁くんの情報を元にハルクゾンビって呼称してたけど
実はハルクゾンビは進化型ゾンビってことが分かったの」
咲実「進化型?」
蛍「死んでるのに進化するの?凄くない?」
クイーン「死んでるのは死んでるけど実際はナノマシンで活動してるからね。」
白「ナノマシンのアップデート機能?」
クイーン「正解」
蛍「なにそれ?」
クイーン「ナノマシンには自己治癒機能っていうのがついてるんだ。
怪我をしたり病気になったらナノマシンが治してくれるの。」
クイーン「で、腐敗病はこのナノマシンに異常を発生させ
腐敗病を治そうとして新しい感染者を増やしてる。」
蛍「わ~意味なーい」
咲実「意味が無いどころか実害満載だな。」
クイーン「本来は交流治療システムって自己治癒でどうにもならないときに
他のナノマシンの力も借りようって機能だったんだ。」
クイーン「でも、交流治療システムでもどうにもできなかった場合に
稼働するのが自己成長システム……アップデート機能だね。」
暁「手に負えないから自分が成長して治そうってことか?出来るのか?」
クイーン「一応、交流治療システムの延長線上にあるものだからね。
もっと多くの人のいる場所に行って交流を増やして成長するんだ。」
クイーン「でもこのシステムが使われることはなかったんだよね。」
咲実「殆どナノマシンで解決するからか?」
クイーン「それもあるけど、交流治療でもどうにも出来なかった場合
統合管理センターに情報を送って世界中の情報に照らし合わせて治すからね。」
白「今の世界では動いてないからアップデート機能が働いた。」
クイーン「そう、そしてその機能で生まれたのがハルクゾンビ」
クイーン「進化型ゾンビになる条件は一つだけ、近くに正常な人間が居る時」
咲実「そいつを感染させようとして成長するとか?」
蛍「え~それはチートすぎじゃない?」
クイーン「残念だけどそれが正解よ。」
咲実「まじかよ……。」
蛍「えぇ……。」




