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ワールドエンドルート  作者: イカランム
27/67

EP:26 休息と悩み


白、蛍を迎え入れてしばらく経った。


特に心配はしていなかったが

白が技術者だったこともありクイーンといち早く仲良くなったことで

二人は想定より早くここに馴染んだ。


新たな仲間……と言っても流石に外で探索は出来ないが

拠点の護衛や技術関連で大いに助けになるのは間違いない。


それに小型プラントの設置により燃料の問題も解決した。

これまで以上に野外探索に力が入るだろう……と思ったのだが


唐突にクイーンから待ったがかかった。


どうにも前回の探索で持ち帰ったゾンビ犬のコアと細胞

ハルクゾンビAの頭と何故かゾンビに取り込まれてたくまの人形


それにいつの間にか咲実が回収してたハルクゾンビBの衣服

これらを検査した所……新しい情報が見つかるかもしれない。

とクイーンに言われ


俺たちはクイーンと白の検査が終わるまでの間、休憩を挟むことになった。


俺が目を覚ましてからずっと探索しっぱなしで休んでなかったのもあって

軽い探索は必要だが、基本的に短期間で済ませ体を休めることに


そんなある日……。


暁「クイーンいるか?」


蛍「いないよ~。」


暁「また研究室に篭ってるのか?」


蛍「ぽいねぇ~」


大型テレビがリビングに設置されてから

定期的にリビングにクイーンが居座っているんだが今日はいないらしい。


代わりに蛍が探索で持ち帰った漫画を

ソファーでうつ伏せになって脚をプラプラさせながら読んでいた。


蛍「なんか用事あったの?」


暁「この前見たシリーズ系の映画の続編を見つけたから

一緒に見ようと思ったんだが……。」


蛍「どんなやつ?」


暁「バイオハ○ード3だな。」


蛍「めっちゃゾンビ映画じゃん。

てか、クイーンゾンビ嫌いなのにゾンビ映画とかよく見てるよね。」


暁「リアルと映画は別物なんじゃないのか?」


蛍「まぁ、気持ちはわかるけどさ。映画の中なら実害ないしね。」


暁「ちょうどポップコーンとコーラも見つけたから良いと思ったんだがな。」


蛍「じゃあじゃあ、私と見ようよ!」


暁「ゾンビ映画は大丈夫なのか?」


蛍「あんまりおどろおどろしいのは無理だけどバイオハ○ードでしょ?

あれってなんかスタイリッシュアクション映画化してるじゃん?」


暁「まぁ、初期はともかく2番めからはアクション率の方が高いな。」


蛍「でしょ?ホラーは苦手だけどそういうのは全然大丈夫」


暁「じゃあ、一緒に見るか


蛍「いぇーい。」


始めての出会いがアレだったのに気が付けば蛍とも随分と打ち解けていた。

最初は怯えられてた気がするんだが……

一緒に窮地を乗り切ったからか心の壁を一切感じられない。


拠点に来たばかりの頃は多少ギクシャクしていたが……。


今では同じソファーに座って並んで映画を見るくらいに打ち解けている。


暁「あ、これキャラメル味だ……。」


蛍「キャラメルダメなの?」


暁「映画中の食べ物は塩系のほうが好きなんだよな。」


蛍「あ~そういう気分ってあるよね。私の塩だけど交換する?」


暁「頼む。ありがとうな。」


蛍「気にしなさんなぁ~」ポリポリ


蛍「…………なんか変な感じだよね。」


暁「なにが?」


蛍「今さ、外ではゾンビが闊歩してるような世界じゃん?この映画みたいな」


暁「そうだな。」


蛍「なのに暖かい部屋でおやつとジュース片手に映画鑑賞してるんだよ?

普通におかしくない?」


暁「まぁ、普通ではないわな。」


蛍「助けが来ることを何度も夢想してたけどさ。

流石にこんな状態は全く予想だにしてなかったんだよね。」


暁「常識ハズレも良いところだしな。」


蛍「この部屋だって一応、リビングのはずなのに殆ど漫画喫茶だもんね。」


漫画喫茶……言われてみればたしかにそうだ。

大量のDVDと漫画にPC、大型テレビが設置されていて

一角にはドリンクサーバーにソフトサーバーまで設置されている。


もう慣れたがゾンビ世界の拠点の一室とは思えない光景だ。

殆どクイーンの趣味だが……。


蛍「私さ……実は悩んでるんだよね。」


暁「悩む?」


蛍「白はさ……天才じゃん?

クイーンほどじゃないけど私達の中だと二番目に賢いじゃん?」


暁「そうだな。」


彼女は俺達が誰もできなかったクイーンのサポートが出来る。

おかげで効率が上がったのかキャンピングトラックを作った時みたいに

こもりっぱなしってのはなくなった。


蛍「白はすっごく役に立ってるけど……

私はそんなに役に立ってないと思うんだよね。」


暁「それはないだろ。俺と和、咲実が出ると拠点が完全に手薄になるからな。

いざという時に守ってくれる人がいるのは重要な事だ。」


俺か、咲実か、和が拠点に残ればいい……とも思ったが

俺はイケるとなったら多少無茶をしてしまうし

咲実は脳筋でいざ暴走すると一人ではどうしようもないところがある。


だから絶対に誰かサポートが必要で

クイーンがあの調子だから必然的にその役目は和になる。


簡単な探索ならペアでもいいが

先に進むとなるとどうしても俺、咲実、和のワンセットじゃないと進めない。


俺は大体できるが慎重さは和に劣るし、パワーは咲実に劣る。

安全性と効率を考えるとこれがベストだ。


となるとどうしても防衛が疎かになる。

クイーンが常識はずれなくらいに防備を重ねているが


ハルクゾンビのような化物が現れるとそれもどこまで持つのかわからない。

かと言ってあの小柄体型ではハルクゾンビを倒すほどの銃器を使えない。


暁「蛍がここにいてくれるから俺達は安心して探索に出られるんだ。

役に立ってないなんて言うな。」


蛍「……ありがと……でもさ。もっともっと役に立ちたいって思うんだ。」


暁「今でも十分だと思うが……。武器でも開発するのか?」


蛍「半ゾンビ化……どうかなって」


暁「それは……。」


蛍「暁の言いたいことは分かるよ?

せっかく人間のままなのにわざわざゾンビ化する必要あるって?」


蛍「でもさ……この世界でただの人間ってだけで生きていけないと思うんだ。

白が電波ブレスレット作ってくれたから生きてこれたけど」


蛍「ハルクゾンビとか電波が通じない相手には何も出来ないだよね。」


暁「…………。」


蛍「リスクが有るのもわかってる。」


蛍「でも、この世界では多少のリスクに目を瞑らないと……

すぐに死んじゃうって思うんだ。」


蛍「暁は私が守ってるから安心って言ってくれたけどさ、実は怖いんだよね。

もし、ハルクゾンビみたいなのが来たら……白とクイーンを守れるのかなって」


蛍「電波も聞かない、銃も聞かない相手に……二人を守れるのかなって」


そんなに悩んでたのか……。

てっきり、もっと気楽に考えてくれてると思ったんだが……。


確かに、立場が違えば俺も彼女と似たようなことを考えるかもしれない。

拠点を守るのは大事なことだが

危険な外に出ていけないだけで重しに感じるかもしれない。


暁「俺は……蛍の意志を尊重する。」


蛍「暁……。」


暁「役立たずじゃないのは間違いない。

拠点に蛍が居るからクイーンと白を安心して任せていける。」


暁「でも、もっと先のことを考えるなら

半ゾンビ化も視野にいれるのは間違いじゃないと思う。」


蛍「……ありがと」


暁「でも短絡的に半ゾンビ化に手をのばすのは早計だな。」


蛍「え?」


暁「うちにはクイーンが居るし、白も居る。

二人なら半ゾンビ化しなくても外を出歩けるように出来るかもしれないだろ?」


蛍「それは……うん。そうだね。」


暁「まずは二人に相談してみな。

俺だと後押しするくらいしか出来ないが……。」


暁「二人ならもっと良い答えを出してくれるだろうさ」


蛍「そんなことないって!なんかスッキリした。」


暁「それはよかった。」


蛍「や~やっぱりモテる男は違うよねぇ。

言葉に力があるっていうかさ?」


暁「何だそりゃ?」


蛍「いや~モテモテじゃん?和も咲実もクイーンもラブっラブだしさ?

もしかして、元の時代でもモテモテだったんじゃないの?」


暁「好意を持たれてるのは別に否定せんが……。

少なくともコールドスリープ前はモテなかったぞ。」


蛍「え~うっそだ~顔も結構整ってるし、頭いいし、気遣い上手だしさ?

女の子にとっていいところいっぱいあるじゃん?」


暁「そういう……もんなのか?」


蛍「本当にモテなかったの?一度も?」


暁「…………モテるモテない以前に……人がいなかったな。

同年代は4、5人位しかいなかった気が……。」


蛍「あ~そういや超少子化時代だったっけ?」


暁「生まれた瞬間からそうだったから

コールドスリープに入るまで気にしてなかったけどな。」


蛍「私の世代だと人口爆発みたいなこと言われてたんだけどなぁ……。」


暁「今はその人間ももう殆どいないがな。」


蛍「時代の流れって怖いねぇ。」


暁「今の状況を時代の流れに加えて良いのか……。」


蛍「イレギュラーだって時代の流れだよ!」


白「何の話?」


蛍「暁くんはモテるって話!」


暁「もう別の話の気がするが……。」


暁「白が出てきたってことはクイーンは?」


白「今は寝てるよ。ここの所ずっと検査に打ち込んでたからね。」


暁「そうだったのか」


白「何か用事があったの?」


暁「前に見たいって言ってた映画をな」


白「○イオハザード3だっけ?かなり古い映画なのに見つけたんだ?」


暁「中古ショップでな。結構品揃えが良かったから

今度、咲実と回収してくるが……。」


暁「そうだ。蛍が相談があるんだとさ」


白「相談?」


蛍「そうそう!実は私……さ……あれ?白?」


白「どうかした?」


蛍「え……あれ……えぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」


白「なんでいきなり叫んでるの?」


暁「さぁ?」


蛍「こっちがなんでだよ!?なんで……なんで白がゾンビ化してるの!!?」


暁「……マジだ……。肌の色がゾンビ色になってる……。」


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