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ワールドエンドルート  作者: イカランム
26/67

EP:25 帰路と安堵


正直言って……この世界に対した感情を抱いてなかった。


ゾンビに襲われないし……サクサクと半ゾンビ化するし

生活は和が支えてくれるし、咲実が入れば敵もみんな雑魚だし

クイーンはアホだし……。


だが今回の探索でこの世界が如何に常軌を逸していたのかを身を持って知った。


暁「はぁ……マジで死ぬかと思った。」


蛍「大丈夫?」


暁「何とかな」


咲実「あ~マジやばかったぁ。ありがとな。暁」


暁「そっちも無事でよかった。」


出来る限り距離を離すために車は全速力で走っているが

和、咲実に白と蛍……全員の無事な様子を見てようやく一息つけた。


もちろん、嗅覚を引き上げてハルクゾンビの居所を感知している。

とりあえず、崖を降りてまで追ってくる様子はなさそうだ。


とは言え……アレだけの攻撃を受けて行動不能になってる様子もないが……。


暁「まさかあれほど厄介だとは思わなかった。」


蛍「暁くんは別のを倒したんだよね?そんなに違ったの?」


暁「場所が悪い……ってのもあるが完全に別物だな。

足止めだけを優先してたが……アレを倒すとなるとかなり厳しい。」


途中で倒すつもりだったけど……アレではな。

頭潰しても他にも頭があるとか反則すぎて笑えん。


暁「というか、お前、あれから逃げたんだよな?相当に凄くないか?」


蛍「あ~私は遠くから狙撃したりだよ?」


蛍「白がサポートしてくれてたし、流石にいきなり遭遇とかなかったよ。

というかいくらなんでもアレに挑むのはないかなぁ。」


咲実「いきなり壁を突き破って現れたからなぁ。マジでびびったぜ。」


暁「多分俺のせいだ。すまんな。」


蛍「いやいや、そもそもこっちの下調べが不足してなのが原因だしさ。

まさかもう一体いるなんて思わなかったし」


暁「それは俺もだ。二体目を考慮しなかった。」


咲実「考慮しないっていうか普通しないだろ……。

あんなデカブツが二体も居るとか絶対なんかバグってるって」


暁「そもそも、世界全部がバグってる状態だけどな。」


咲実「それはそうだけどさ……。つか、アレって人間に戻るのか?」


暁「どう……なんだろうな?」


蛍「流石に無理だと思うかなぁ……。犬とかも混じってるし……。」


暁「そもそも、俺の血が効くようにも見えないしな。クイーン次第か」


咲実「クイーン任せ……不安しか残らねぇ……。」


暁「まぁ、不安はあるが……

少なくとも俺をあの化物と対抗できるくらいにしてくれてたしな。」


暁「全くのバカじゃないってことだろう。」


なんでこんなに過剰スペックにしたのか……。

本当は遊び半分だったんじゃないかと思ったが

彼女の話に出てきた突然変異種がアレなら納得できる。


あの巨体でまさか改造している俺と同じ速度で動くとかとんでもなさ過ぎる。

今後も遭遇する可能性を考えると流石に気が滅入りそうになる。


暁「まぁ、とりあえず、休憩だな。流石にアレの足止めは疲れた。」


咲実「だなぁ……このポテチ食っていいのかな?」


蛍「そういえば……なんでこんなに大量にポテチが積まれてるの?好きなの?」


暁「色々あるんだよ……いろいろな。」バリッ!!


蛍「ふ~……ん?」


咲実「ま、おいおい分かるって、蛍も食いな。」


蛍「いいの?」


咲実「おう、いっぱいあるからな。」


蛍「やったぁ!ずっとお野菜ばっかりでこういうの食べれなかったんだよね!」


咲実「そうなのか?拠点に戻ったらアイスも肉も魚もあるぞ」


蛍「まじで!?すっごい楽しみなんだけど!?」


喜ぶ蛍を微笑ましく思いながら俺たちはポテチを貪る。


…………

………………


運転席にて……。


和「…………」ソワソワ


白「あの……。」


和「はい、何でしょうか?」


白「運転変わりましょうか?」


和「運転……出来るんですか?」


白「えぇ、いつかはお姉ちゃんとあそこを出るつもりだったので

VRでですけど運転できるように練習しました。」


和「お願いできますか?」


白「はい、大丈夫ですよ。」


和「ありがとうございます。」


…………

………………


和「暁様!!」


暁「ほごっ!?」


咲実「うぉっと!?」


そろそろ、和たちにも労いの意味を込めてポテチでも持っていこう。

とした所でいきなり和が飛んできて、そのまま吹き飛ばされてしまう。


暁「いきなりどうした……。」


和「いきなりではありません!心配……心配してたんです。」


暁「あ~……。」


運転席で何やらソワソワしてる気配はあったが

本当は飛びつきたいくらいに心配だったのかもしれない。


今回、渋々待機させられただけにかなりヤキモキしていたんだろう。


暁「すまんな。」


和「わかってるんです……。あの状況ではアレがベストだって……でも……。」


和「咲実さんと蛍さんだけ戻ってきた時……心臓が止まりそうになりました。

すぐにでも通信で状況を聞きたかった……。」


暁「そうだよな。ありがとう。お前の気遣いのおかげで俺は無事だ。」


状況は切羽詰ってた。

服は汚れてる程度で無傷……ではあるが

それは俺がしっかりと防御して、受け身を取ったからだ。


もし通信で集中がキレたらと思うと正直ゾッとしない。

さらに言えば和に気をつけて、心配させないでと

言われてなければ無謀に突っ込んでただでは済まなかった可能性もある。


和「本当に……本当に無事でよかった……。」


ギュッと服を掴んでつぶやく和を抱きしめ……

落ち着くまでそのままで居ることに……。


咲実「今こそ押し倒すべきじゃないか?」


蛍「お、おぉ、押し倒す!?きゃぁ~!」


煽ってくる外野にあの状況を乗り越えたのに元気だなぁ。

とか変な感想をいだきながら冷たくても暖かい和の包容を受け入れ続けた。


…………

………………


和「取り乱しました……申し訳ありません。」


蛍「や~いいもの見せてもらいました。

こう……滅んだ世界でも愛の花は咲くみたいなのいいよね!」


和「そんな……」テレテレ


まんざらでもなさそうな和……もう慣れてきた自分が怖い。

割りとそんなこと言ってる場合じゃない状況なんだけどな……。


蛍「咲実さんもここは押して行かないと」


咲実「あ~オレらは揃ってニャンコラするって決めてるからな。

焦って押す必要はねぇのよ。」


蛍「二人同時に!?ケダモノ!?」


いつ決まったのか……。

そもそもケダモノって言いながらなんか嬉しそうなのはなんなんだろうか?


暁「そう言えば……今誰が運転してるんだ?」


和「はい、白さんが変わってくれました。」


蛍「あれ?白って運転できたっけ?」


白「VR装置で学んだんだよ。」


蛍「おぉ~さすが白!天才だね!」


咲実「いやいやいやいや待て待て待て待て!!

今ここにいるじゃん!?運転は!?」


白「自動操縦装置がついてたからマップ登録して

目的地に向かって走ってますよ。」


咲実「え?そんな機能あったんか?」


白「これ作った人すごいですよ。

私じゃ考えられない程の技術が詰まってましたよ。」


咲実「ただのアホじゃなかったんだな……。」


色々すごいんだろうが……2年間生き残った彼女が褒めても

本人を想像するとどうにもすごそうに見えないから不思議だ。


白「到着までは多分2時間位かかるかな。」


咲実「そんなに?遠すぎじゃね?」


和「最初は世田谷区からですからね。」


咲実「あ~そういや電車に乗ってきたんだったな。」


八王子では色々ありすぎて忘れてたが

世田谷区→八王子から東京旧地区の拠点に向かうとなると

そのくらいは掛かるんだろう。


暁「流石に夜間はどうなるかと思ったが走りながらなら大丈夫そうだな。」


咲実「だなぁ。いくらオレらがいても二人抱えて寝泊まりは厳しそうだしな。」


何度も忘れそうになるが人間を見ると物凄い勢いで襲ってくるのがゾンビだ。

ブレスレットである程度カバーできると言ってもどこまで持つかわからない


ハルクゾンビに出会わなかればそこら辺楽観視して寝泊まりも考えたが……。


暁「今思うと車の中で寝泊まりは無謀だったな。」


咲実「そうだな。あんなのが他にも居ると思うと厳しいな……。」


蛍「大丈夫よ!いざとなったら白が解決してくれるし!」


白「お姉ちゃん、私にも出来ることと出来ないことがあるんだけど……。」


蛍「白なら大丈夫だよ!」


白「努力はするけど……。」


俺たち以上に楽観的な蛍と絶対に無理とは言わない白

この二人だからこそ、ずっと生き残ってこれたんだろうな。


そんなことを思いながら……俺達はのんびりと拠点に到着するのを待っていた。

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