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ワールドエンドルート  作者: イカランム
24/67

EP:23 VSハルクゾンビと予想外

弱肉強食が全ての野生の世界では草食動物に限らず

ありとあらゆる生き物が生きている内に何度も感じるものがある。


圧倒的にリアルな死の予感

殺される寸前でなくても感じる出会った瞬間に分かるリアルな脅威


人間社会でもそういうものはいくつもある。

超高速で走るトラックとか電車とか

災害なんかも大体そんな感想を抱くだろう。


こんな無茶苦茶な世界なら余計だろう。


けど、変な改造をされてたから俺は目覚めてから

そんな感想を抱いたことは一度もなかった。


自分の体のこともかなり無茶苦茶だと思ってたが……。


今、この時に始めて自分の体に感謝した。


目の前の巨大な化け物を前にして……。


巨ゾ「ヴォォォォオオォォォォオォ!!!!」


ゴゥンッとジェット機でも通過したみたいなパンチが俺を横切る。

獣道みたいな抉れが地面に刻み込まれ、一撃一撃が俺を戦慄させる。


暁「格好つけて請け負ったが無茶苦茶だな……。」


さっき倒したやつに比べて明らかにこいつのほうが強い。

生まれたてだったのか別の理由か

とにかく、明らかに手強い。


それでもごちゃごちゃした施設内ならまだなんとかなるレベル

単純に場所が悪すぎた。


遮るものが何もなく完全な更地では

どう考えてもこのデカブツのほうが圧倒的に有利だった。


俺の何倍もデカいのに俺と速度が全く同じで

パワーは向こうのほうが上


俺は知能、耐久力、機敏さが圧倒的にこいつに比べて秀でているが……。

何もない場所では全く意味をなさなかった。

小細工のしようがない……。


対して体格、パワー、スピードを持つデカブツは

だだっ広い場所では無敵に近い。


丸太みたいな巨大な腕を一振りするだけで広範囲をカバーしてしまう。

体もでかいから高速で動かれるとそれだけで脅威になる。


耐久力のおかげで軽く掠る程度や受け身を取ればほぼノーダメージでいられるが

何よりも俺が負けているものがあって割りとジリ貧に追い込まれていた。


そう、スタミナ……持久力が完膚なきまでに劣っていた。

改造されてアホみたいにスタミナがあるが……あくまで俺は人間

対するデカブツはゾンビだ。


ハルクみたいな巨人のくせにゾンビだからスタミナに限界がない。

そもそも死体だから当たり前なんだが……。


ポテンシャルは五分五分でありながら

スタミナが負けてる……それだけでかなりまずい状況になっていた。


暁「これ以上無いってくらいのピンチだなっ!」


さっきから色々頭を動かしているが……打つ手がない。

互いに同じ速度だから施設に逃げ込めばなんとかなるかもしれないが


このデカブツに暴れられると施設がぶっ壊れる。

何度も来たい場所じゃないが今後来なくていい場所でもない。

他に野菜を作る場所がないならここが生命線になる。


一応、人間である俺に食糧は多分必須だ。

数値が高すぎて気が付かなかっただけでスタミナもあるんだ。

食糧がなくてどうこう……と言うのは無理だろうし


蛍と白も居る以上、食料供給地点を失うのは避けたい。


ここ以外の何処かに施設があればよかったが

……不幸なことにここはまじで吹き曝しで何もない。


巨ゾ「グォォォォッッ!!」ブォン!!


暁「ちっ!」


体格とパワーに任せたぶん回しだから致命打にはなってないが……。

神経を集中しまくってるからスタミナの消費が激しい。


普通なら何十時間でも活動できそうだが……。

この戦闘は一体どこまで続けられるか

最悪、咲実の救援を待ってられないかもしれない。


巨ゾ「ウヴォオオオォォオオォォオォォォ!!」


腐れハルクもそれを分かってるのか

なんか余裕そうに雄叫びを上げてるのがもの凄く腹立つ


暁(…………殺るしか……無いよな!)


暁「ウォラァッ!!」


巨ゾ「ヴォァッ!!?」


できれば足止めして合流を待ってさっさと帰ろうと思っていたが予定変更

正直、この状況で足止めをすることがそもそも難しい。


となれば……邪魔するやつを叩き潰して悠々と帰る。

リスクはあるがこの世界で生きる事そのものがリスクの塊だ。


暁「だったら、リスクを取って生きて帰らせてもらうぞ腐れハルク!!」


巨ゾ「ヴォォォォアァァァァァァ!!!」


顔面に叩きつけた煙幕とトリモチ爆弾で

体から煙を吐き出しながら吠えるハルクゾンビ


怒り心頭の様子で適当なぶんまわしから

俺を的確に狙ったパンチが振るわれ始める。


暁「テレフォンパンチだよクソがぁぁ!!」


突っ込んでくるデカ腕に指をめり込ませて投げ飛ばす。


巨ゾ「グォォォォッ!!」


少しはダメージを期待したが……。

当然の如くノーダメージ、思い切り叩きつけたのに

ゴロンと転がるだけで持ち直した。


痛覚ゼロHP無限のゾンビ相手だから仕方がないが

だとしてもチート臭くて普通に腹が立つ


暁「やっぱり頭潰すしか無いか……。」


前のゾンビも頭を潰してとりあえず機能停止した。

となればこいつも頭が消えれば動けなくなる可能性がある……。


巨ゾ「ヴォォォォォォォォ!!」


立ち上がって迫りくる拳

相も変わらず一辺倒だが……それだけで押し込まれるから嫌になる。


変わらず振るわれた一撃が地面に吸い込まれ……

地盤を叩き割って辺りに大きなクレーターを作り出す。


暁「あぁ、これを使えば良いのか」


頭を叩き割るのも容易じゃない……そもそも武器がないと思っていたが

創意工夫が俺の生き残れる道だ。


巨ゾ「ヴォァァァ!?」


手持ちにあるトリモチ爆弾をもう一度足にぶつけて転ばせる。


ズシンと地鳴りを響かせ、倒れ込んだ所で


暁「死ねっ!」グチャァッ!!


とてつもなく生々しい、肉が潰れる音が辺りに響いた。


俺が振り下ろしたのはトリモチと岩を絆げた簡易モーニングスター


渡されたトリモチはハルクゾンビの動きを一瞬封じられる程の強度がある。

高速で動くハルクゾンビを足止めできる粘着性もあった。


それを利用して叩き割られた地面にあった岩石をひっつけ

遠心力を利用して頭に叩きつけた。


暁「これで一安心……とならんのか……。」


頭を潰してしばらく休憩……と思ったが

直後に俺の居た場所に拳が振り下ろされた。


巨ゾ「――――っっ!!」


吠える頭が無いからポーズだけだが……何故か正確に俺を狙ってきた。

なんとなく……そう、なんとなく感じ取った俺は

バッグに入っていた手榴弾をハルクゾンビにぶつけてみる。


爆発音とともにハルクゾンビの服……らしきものが散り散りに弾け

その肉体が露わになったのだが……。


暁「いや、俺は人を見た目で判断しない系男子だとは思ってるが

……いくらなんでも限度ってあるだろ。」


巨ゾ「ヴェ……ヴェェ」

巨ゾ「ぉぉぉ……ぉぉぉぉ」

巨ゾ「ぐぅぉぉ……ォォぉ……」


顔だ。顔に限らず、目、鼻、耳、口、歯、腕、足……。

人、犬、鳥、猫……おおよそ生き物のパーツが無数に引っ付いていた。


体はもちろん、脚、腕、服で見えなかった部分にいくつも


はっきり言って……ヤバイほどキモい

絵がドヘタクソな人が書いた失敗作みたいなのが目の前にいる。


めっちゃリアルに三次元に存在している。

恐ろしくカオスだし……恐ろしく気持ち悪い。


何にしてもこれで煙幕では動きが止まったのに

トリモチを顔にひっつけても頭を潰しても動き出したのは分かった。


重要なパーツが体の至る所にあったからだ。


それに……なんとなく感じてた違和感。


こいつには知能がある。

いろんなものを取り込んだ影響なのか他の理由なのか知らないが

低能でもある程度の知能が存在している。


通りで普通はヴァーヴァー言ってるだけのゾンビのくせに

怒ったり、喜んだりしてるわけだ。


電波を無視して蛍と咲実に突っ込んできたり、俺に襲いかかるのも納得した。


しかもだ……。


巨ゾ「―――――っっ!!」ブォンッ!!


暁「っと、うぉっ!?しまっ!?」


とっさに飛び退いた先にトリモチが転がっていて足を取られてしまう

かなり強力なトリモチで俺は完全に動けなくなり


巨ゾ「っっ―――――!!!」


それを好機と見たハルクゾンビが全速力で襲い掛かってくる。


暁「まずっ」


ズゴォォォン……。

俺に向かってデカい拳を握り、全力で突っ込んできたハルクゾンビ


俺絶体絶命……という状況なのに

ハルクゾンビが突然俺の目の前から姿を消した。


どこに言ったのか……それは地面の下


暁「いっちょ上がりっとな。」


落とし穴の中だ。


暁「ある程度の知能が仇になったな。」


知能があるということは普通では罠にはまらない。

なんで罠の位置が分かるのかまでは知らんが

罠を間に挟んだのに普通に回避していく


知能があるならそれも納得できる。

当然、それを踏まえればむしろ本能で動くケモノよりも罠に嵌めやすい。


わざとトリモチにハマったふりをすれば一発だった。


巨ゾ「―――――!!!」


頭がなくて何を吠えてるのか分からないが

……罠にはめられたことを怒ってるのはなんとなくわかった。


だからといって完全に落とし穴にズッポリハマってる状態を

すぐ何とかは出来ないだろう。


暁「とりあえず……バァァ~~~カ!」


巨ゾ「――――――――!!!!!!!!」


より怒らせて理性を取っ払っておき

ついでに……。


暁「煙幕もトリモチも全部使うか」ポイポイッ!


暁「あとはデカい石で蓋をしてっと!」ズシンッ!!


暁「これで少しは時間を稼げるだろ。」


これだけやっても時間を稼ぐくらいしか出来ないんだから恐ろしい。


クイーンに頼んでなんとか対処方法を探してもらわないといけないなぁ。


なんて思ってると


PiPiPi PiPiPi


通信機が鳴り響いた。


暁「こちら暁」


咲実『無事か!?』


暁「なんとかな。そっちは?」


和「既に二人を収容しました。今から咲実さんがそっちに向かいます!」


暁「あ~ゆっくりでいいぞ、とりあえず」


ゴォンッ……。


暁「マジか……。」


ゴォンッ……。


咲実『何かあったのか!?』


暁「あ~」


ゴォンッ……。


暁「ちょっとまずいかもしれんから早めに頼む」ピッ


ゴォォォォォンッッッ!!!


暁「もう少しくらい時間を稼がせろよ。」


とんでもない地響きと共にデカい何かが上空に飛び出し


ズシィィィン……。


地面に降り立った。


巨ゾ「ヴォォオオオオォォォオォォォオオオォォォ!!!!」


ご丁寧に頭も復活している。


暁「第三ラウンド開始ってことか……。」


勘弁してくれよと思いながら発狂状態のハルクゾンビに立ち向かう。

今まで得た情報を併せて次こそ完全に動けなくするために……。


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