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ワールドエンドルート  作者: イカランム
20/67

EP:19 初救助と次目標


和「蛍さんと白さんですね。」


蛍「ええ」


白「です。」


和「お二人はここに居て長いんでしょうか?」


白「それなりに……多分2年位ここに居ます。」


和「他に生存者の方は?」


白「最初の頃は50人位居ましたけど……今は私達二人だけです。」


和「なるほど……。

ここで防衛しているプラントは今も稼働しているのでしょうか?」


白「してます。おかげで食料に困りませんから」


なんだか面接みたいな形で和の質問に答える白


彼女たちの話によると

ゾンビパニックの超初期の頃、

ここには5000人ほどの人間を収容していたらしい。


軍部隊も相当な数がいてなんとか防衛を続けていたが……。

対ゾンビ電波を設置し、稼働させたことが仇となった。


プラントと対ゾンビ電波の相性は悪く、

プラントに電波がカブるとプラントに不調が起きる。

そのため、プラントを覆うように電波を設置して防衛線を築く計画だった。


が、想定通りに電波防壁を張れたのは僅か10分程度

あっという間に効果範囲が狭まったことで大混乱が巻き起こった。


混乱の最中で殆どの人がゾンビに襲われ

ねずみ算式にゾンビが増え……最後に残ったのは僅か50人だったそうだ。


その50人で防衛を続けていたが……。

救助が期待できない極限状態で50人の協力関係は極めて難しい


男女関係による亀裂や食糧、燃料に対する意識の違いなどなど

状況から来るストレスと相まってかなり厳しい状況にあったらしい。


二人はその状況に耐え切れなって、元の施設の反対側へと移動したんだとか


結果的にこの行動が良い方向へと作用したらしく

大量の食料を確保し、今まで防衛を続けてこれたそうだ。


蛍「それもこれも私の最愛の妹、白のお陰よ!なんたって白は天才だからね!」


白「お姉ちゃん、恥ずかしいから黙ってて」


蛍「はい」


話しているうちに緊張が解けていつもの調子?に戻ったのか

多少ふざけながらも話が弾みだした。


白「それで、貴方達は……ゾンビ……ですよね?」


和「はい、私とそちらの咲実さんはゾンビです。正確には半ゾンビですが」


蛍「そっちの男の人は?」


和「暁様は人間です。」


蛍「はぁ!?人間!?はぁ!?」


蛍「おかしいでしょ!?

5kmくらい距離があったのにほとんど一瞬で距離を詰めてきたんだよ!?」


蛍「てか近距離で銃弾を弾き飛ばしたんだけど!?

しかも手榴弾を素手で握りつぶしてるんだよ!!?」


和「暁様の血にはゾンビを半ゾンビ化させる力があります。

これは世界を救える唯一の力です。」


和「その力を守るために私達のリーダーであるクイーンが人体改造を施し、

ゾンビにも負けない体になっています。」


咲実「ゾンビどころか巨大ロボにも勝てるんじゃね?」


暁「明らかにオーバースペックだけどな」


蛍「改造人間……す、すげぇ……。」キラキラ


咲実「なんか喜ばれたな。オレも気持ちはわかるが」


分かるのか……。

意外と改造人間ヒーローの文化はこの世界にまで残っているのかもしれない。

幾年月経ても日本人は日本人ということか……。


和「暁様の血を摂取することでゾンビは半ゾンビ化し、

腐敗病から逃れることが出来ます。」


和「ごく一部の人は私や咲実さんの様に意識を取り戻すこともあります。」


白「ということは研究すればいずれは世界がもとに戻る……と」


和「まだ可能性の段階ではありますが」


蛍「じゃあ、私達も助かるの!?」


和「可能性はあります。」


蛍「良かった……良かったよ。うぅ」ポロポロ


白「お姉ちゃん」


蛍「やっと助かるんだ……やっと、白ぉ~」


助かる希望が見つかったことで涙を流して歓喜する蛍

表情は薄いが白もうるうるしているようにみえる。

たった二人でこの地獄を生き抜いてきてやっと希望が見えてきた。


俺は目が覚めたばかりで実感は薄いが気持ちはなんとなくわかった。

咲実も同じ気持ちなのかちょっと涙目になってる。


白「それで……これから私達はどうすればいいんですか?」


和「お二人でしたら問題なさそうですので

私達の拠点に来てもらえば今後の安全を約束できます。」


蛍「はいはい!行く!行きたい!もうこんなとこやだ!」


咲実「おぉ、初の生存者救助だな……ってかいいのか?暁的に」


暁「まぁ、問題はないだろう」


俺が蛍を殺すのを躊躇したのは血の匂いがしなかったからだ。

ずっと真っ当に生きてきたんだろう。


本人の血やゾンビの匂い、軍用犬の匂いはしたが

他人の血の匂いは一滴もしなかった。


ついでに白に関してはゾンビの匂いも軍用犬の匂いもしなかった。

つまり、蛍は妹のために戦場に身を置いて来たんだろう。

命がけで戦い食料を得て妹を助け続けてきた。


妹の方は戦闘の匂いはしなかったが油やサビ、鉄、火薬の匂いが色濃かった。

それは蛍のために幾つもの設備や装備を整えてきた証明


二人が寄り添い合って生き抜いてきたのがわかったから殺すのを躊躇した。


和を攻撃した武器を向けられて逆上したが……今は完全に落ち着いている。

攻撃したのは許せないが……和が何も言わないなら俺はそれに従うだけだ。


白「お姉ちゃんが行くなら私も行きます。」


和「お二人のご英断に感謝します。」


和「さっそく、ここから移動して私達の使っている移動拠点へ

……と言いたいところなのですが」


和「私達は自らの拠点をより生活しやすくするための活動を行っていまして

出来れば小型の燃料プラントと食料の場所を教えてほしいのですが」


白「小型の燃料プラントならこの施設の駐車場に10個位あると思います。

ここから西に回った方向ですね。」


白「利用するために地下道を掘ってあるので行くのは簡単だと思います。」


咲実「おぉ~幸先いいじゃん。」


白「食料に関してはマップがあるのでこれを参考にしてくれれば……

3つほど稼働してませんけど他の17箇所はまだ稼働してます。」


暁「結構稼働してるもんなんだな。」


和「半永久稼働が目的で作られてますから10年程度では壊れませんよ。

ですが壊れた三つが少し気になりますね……。」


蛍「三つが壊れたのはなんかデカイゾンビが居るからなのよ!」


和「デカイゾンビですか?」


白「映像があります。」


そう言ってモニターに映し出されたのはプラント内部の監視カメラの映像

写っていたのはなんともいい難い巨大な化け物の姿だった。


体長は3mほど……。

妙に長い腕でゴリラのようにナックルウォーキングで移動している。


頭は妙に小さいく、

成長して……ではなく何かが寄り集まって巨大になった印象がある。


咲実「気持ち悪!?これも軍事兵器とかなのか?」


和「いえ、これは間違いなく突然変異種でしょう。」


蛍「これは本当にヤバイゾンビよ。」


蛍「銃が全く効かない上に対ゾンビ電波を無視して突っ込んでくるし

壊れてる施設は全部こいつが潰していったのよ。」


白「なんとか対策方法を考えているんですが現状では逃げるしか無くて……。」


咲実「結構破壊力もありそうだよな。」


和「プラントを壊すほどの破壊力ですか……脅威ですね。」


蛍「他の生き残りを殺したのもこいつよ。

最後の通信にデカイ化物って入ってたし……。」


白「プラントに入って食料を集めるにはこれをどうにかする必要があります。」


和「あなた方はどうやって食料を集めてきたんですか?」


蛍「白がプラント内をマッピングして安全なルートを見つけてから

その通りに進んで食料を集めてきたわ。」


咲実「おいおい、生身でか?ゾンビが寄ってくるだろ?」


蛍「ふふん、そこが白の凄いところよ!」


蛍「対ゾンビ電波を解析して

ブレスレット型の対ゾンビ電波発生装置を作ったのよ!」


蛍「これがあればゾンビに索敵されずにプラント内部を進めるって寸法よ!」


白「あくまで索敵されないだけなので接触で居場所がバレますが

食料を集めるくらいならんとかなります。」


蛍「それにこの白特性弾を使えばこう……

なんだかんだで頭を打つとゾンビが死ぬのよ!」


白「この特性弾にはナノマシンの機能を静止させる力があるんです。」


白「脳に命中させて伝達をシャットアウトさせる必要がありますが

当てるだけでゾンビが復活するのを防ぎます。」


白「ただ、電波の出力の関係で人間サイズが限界で

……あの巨大ゾンビには通じませんでした。」


和「なるほど」


暁「想像より凄いな。」


咲実「あれ、オレ達が食らってたらやばかったんじゃね?」


白「それは……多分大丈夫だと思います。

腐敗病で防衛機構が弱体化してるナノマシンをシャットアウトするので」


白「腐敗病が完治している状態の人には効かないんじゃないかと」


咲実「そうなのか」


和「腐敗病に感染してなければ

ナノマシンの防衛機構を破るのは現実的ではありませんから……。」


和「咲実さんや私が常人離れしているのは

腐敗病でナノマシンが変質した可能性もありますね。」


咲実「へ~」


暁「何にしてもこれが突然変異種なら

今後のために持って帰る必要があるんじゃないのか?」


蛍「突然変異種を持って帰るの!?」


暁「今後の参考に持って帰れってのがクイーンの指示だからな。

そのために一時的に機能停止させるカプセルも渡されてるしな」


和「今はそちらの方は置いておきましょう。

当初の目的の野菜系の食料と燃料プラントの回収を済ませれば大丈夫かと」


和「見たところ、この突然変異種はこの場所を動く様子がありませんし

お二人の救出を終えたあとでクイーンを連れてくれば問題ないかと」


咲実「泣き出しそうだけどな……。」


暁「世界平和のためだ。泣かせよう。」


咲実「迷いないな。」


突然変異種回収は一旦棚上げして

俺達は達成が容易な目標を並べていく……。

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