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とある憑依領主の懐刀  作者: sayu
第一章
8/18

過去の繋がり

side ハルト

 

 妹の結婚式に、無事参加する事が出来ました。閣下と彼女リーシャには、感謝しております。

休暇から帰った挨拶を閣下にするべく、執務室に行きました。閣下には【こんな時しか休めないのだから、もう少しゆっくりしても良かったのに】と言って頂きました。


 本音を言うと、これ以上私の業務を彼女にさせておくのは悪いので早めに帰ってきました。

閣下からは【貴方の報告通り、まったく問題なかったわ】と言って頂き、肩の荷が下りた気分でした。


 【貴方も復帰した事ですし、彼女は次の研修先に言ってもらおうと思います。】と閣下が言い、私が『次はどの部署ですか?』と聞いたら【バローンの元へ送りましょう】との事でした。


 バローン殿は閣下直属の中で、主に通商系を取り扱っている御仁です。かなりの強面コワモテですが、根は良い人です。彼なら、悪いようにはしないでしょう。


 彼女にも頑張ってもらったお礼を言って、心ばかりの品を彼女に渡しました。 彼女は【気にしなくても良かったのに・・・・逆に気を使わせてしまいましたね】と言って恐縮そうにしていました。


 【ところでハルトさん、私の次の研修先って?】と聞かれたので、バローン殿の事を簡単に説明しました。彼女も【あの人かぁ】と言っていたので、面識はあるのでしょう。


 そんな会話をしていると、バローン殿の部屋に到着しました。ノックをすると【入りな!】と聞こえてきたので入室する事にしました。




side バローン 


 入室してきた人物を見て、俺は思わずつぶやいていた。『ハルト殿とお嬢だと・・・・どんな組み合わせだ!!』


 ハルト殿に『お知り合いで?』と聞かれたので、一緒に仕事したことがあるんだよと答えておいた。

あのお嬢様は《俺以外の閣下直属には、猫をかぶっていた》事を思い出し、適当に誤魔化しておくことにした。


 『珍しい組み合わせの二人が、なぜ俺の部屋に来た?』

あまりに予想外すぎて、過程が理解できないので、とりあえず理由を聞いて見ることにした。


 するとハルト殿が、ここにいるリーシャさんが閣下直属になりまして、そこで新人研修を行っています。侯爵閣下の指名で、バローン殿の元で学ばせなさいとの事でした。


 危なく、『俺の元で学ぶ事なんてあるものか』と言いかけたが、彼女がこちらをにらんでいるので慌てて口を閉じた。


【彼女は優秀ですので、教えるのが楽しくなりますよ】とハルト殿が笑って言い、彼女の事を宜しくお願いしますと言ってハルト殿は去っていった。


 ハルト殿が去った後で、二人になった瞬間に俺は彼女に問いかけていた。

『で、リシャールの最終兵器様に仕事を教えろとは、いったい何の罰ゲームだよ!!』




side リーシャ


 『そんな事言わずに、教えてる振りで良いのでお願いしますよ。』と彼に頼み込みました。

過去の仕事で、彼に大手柄を上げさせた事があります。そのおかげで、彼は直属の中でも《部屋持ち》に昇進した経緯いきさつがあったり、なかったりして♪


『ちょっと、ドジっちゃいまして、閣下の直属に推薦されていまいました。』と訳を話し、彼に協力してもらう事にしました。【協力するのは構わないが、辺境の女神ともあろうお方がドジるとは信じられんな】と彼は真剣な顔でそう言いました。


 いつから《リシャールの最終兵器》やら《辺境の女神》などと言う、二つ名がついたのですか?と聞いて見ましたが、【案外本人は、気がつかないものさ】とあっさりと流されてしまいました。


 やられっ放しなのは少々癪なので、ちょっとした仕返しをして見る事にしました。バローンさんにむかって、甘える様な声と仕草で話しかけ『これから宜しくお願いしますね。せ・ん・せ・い♪』と言って見ました。


 顔に似合わず妙に照れた口調で【お・・・おぅ】とバローンさんにしては、珍しい反応を見られたので、さっきの件は水に流すとしましょう。



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