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とある憑依領主の懐刀  作者: sayu
第一章
2/18

侯爵閣下と呼ばれる女


side アイーシャ


 私の名前は、村宮 小夜子 と言います。普通のOLをしておりましたが、突然異世界に飛ばされてしまいました。飛ばされた先でなぜか侯爵令嬢をしています。


 当初は突然の事だったのでもちろん混乱しましたが、元々この手の小説が好きだった事から案外とすぐに馴染んでしまいました。 


 どうやら憑依と言った現象らしく、姿形すがたかたちはアイーシャ・フォン・リシャールと言う少女で中身が、 村宮 小夜子 と言った形になったようです。


 幸いな事にどうやら記憶自体は二人分持っているみたいで、普通に暮らす分には何の問題もなく、貴族生活を楽しんでおりました。【礼儀作法等、令嬢として必要な知識はパーフェクト♪】


 そんなある日、おじい様が病から公務を続行が不可能な状態になり、引退する事になりました。

おじい様も本来であれば、こんな状態になる前に何とかしたかった様です。


 お父様は事故で亡くなったのですが、その時点では次男【お父様の弟】は、貴族の子弟が家督を継げる年齢に達していなかった。そこで一旦退いた侯爵位でしたが、おじい様が侯爵位に復帰されるしか道がなかった様です。あとから聞いた話では、おじい様も数年頑張れば良いと考えていた様です。


 爵位を継げる年齢になり、おじい様も病を患い始めた事から爵位をアルフレットさん【お父様の弟】に継がそうとしたらしいのです。いざ家督を継ぐといった段階で、突然爵位を継ぐのを拒否し商人の娘と駆け落ちをしてしまったのです。


 もちろん周囲は大騒ぎになりました。結局アルフレットさんも見つからず、心労からおじい様の容態も急激に悪化して、家督は自動的に私のところにやってきたという訳です。


 爵位を継いでから1年が経過しました。当時は現代知識を利用して民を富ませて、私もウハウハと言った事を考えておりました。しかし現実は厳しく、そんな私と周囲の者達の間で、段々と軋轢が発生していったのです。


 そんなある日の事です。私はある一つの噂を耳にしました。《リシャールの至宝》と呼ばれている女性がいる。その人がいる限り、領主がどんな人であっても領内は安泰であると言った噂でした。

 

 そんな現状を打破すべく、私はわらをも掴むつもりで噂の真相を解明しようとしました。

幾人もの部下や村人に話を聞きました。知らないのか隠しているのか解りませんでしたが、結局真相は解らずじまいでした。


 ある日気分転換に平民に変装して、領内を見回っていた時の事でした。

偶然にも発見してしまったのです。あれだけ探して見つからなかった《リシャールの至宝》と呼ばれる

女性を・・・・・・・・・・・・・。


 視察を行っていたのは、先日モンスターが大量発生して村が半壊したと報告のあった村でした。

今の世の中珍しいことではありませんが、無論その話自体は私の耳のも入ってきており、支援をする様に指示は出していました。


 しかし、その村で見た光景は報告とまったく違うものでした。村人の顔には笑顔があふれ、各人が協力しあって村を家を建てたり、修復を行っている光景でした。


 潰れたはずの家も、見たことの無い様式な住居に立て替えられていました。それが至るところ見られ、本当に話のあった村なのか一瞬疑いました。


 しかし、報告は間違いなくこの村の事でした。村人の姿を良く見てみたら、泥だらけになったり、腕を吊っていたり、包帯を巻いたりしていながら作業をしている事が見て取れました。


 さらに良く観察していると、一人の女性に目が行きました。食事係りの女性に見えるのですが、村人の笑顔と復旧作業が、彼女中心に回っているの事に気が付きました。直感ですが、彼女こそちまたで噂の《リシャールの至宝》だと確信しました。


 彼女を見てから考え事をしていると、コンコンコーンと金属を打ちつける音が聞こえました。

反射的にて見ると『みんなーーごはんだよーーー』と明るい女性の声が聞こえてきました。


 問題の彼女さがしびとはこの辺ではめずらしくロング黒髪で、それを自然に後ろに流していた。男好きしそうな甘やかな笑顔と、豊満なバストが特徴的なロリ巨乳と言うのが、私の第一印象でした。


 彼女と一瞬目が合ってしまって、『旅人さんだね。貴方もご飯食べていったら』と誘いがありました。

私は言葉に甘え【千載一遇のチャンスと思い】、一緒に食事をする事にしました。


 これが後の世に名君と呼ばれ尊敬される私と、その業績を実際に行った《リシャールの至宝》と呼ばれる女性との初邂逅となった。




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