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とある憑依領主の懐刀  作者: sayu
第一章
12/18

お茶会

side リーシャ


 翌日になって侯爵閣下の言う通りに家で待っていると、レティシアさんが来てくれました。

彼女はいつも通り、爽やかな笑顔で私を見つめています。その笑顔だけで、何だが満たされる気分になってしまいます。私の顔が赤くなっていると彼女に指摘されましたが、気のせいだと言って誤魔化しました。


 恐らく彼女の言う通り、赤くなっている事でしょう。彼女に会えて嬉しがっている自分に、最近だと戸惑いもしない事を自覚しています。彼女が旅に出てしばらく会えないと聞かされた時に、教えてくれた侯爵閣下に憎悪すら覚えました。ふと我に返り、思わずあまりの自分勝手さに愕然としました。


 そんな事を考えていると、彼女が私の家の中をを見たいと言い出しました。正直に言うとあまり面白味のない内装なのですが、それでも良いので見たいと言う彼女に、押し切られてしまいました。


 彼女は好奇心一杯の瞳で、色々と見ています。その内に正気に返ったのか、ジロジロ見てゴメンなさいとあやまってきました。元貴族の彼女にしてみたら、一般的な家はめずらしいのかもと思い、気にしないでほしいといっておきました。


 彼女が殺風景な私の家の中で、唯一カラフルに並べられている、茶葉の数々に興味深深な様子でした。茶葉集めは、私の少ない趣味の一つです。色々なコネを使い、たとえ侯爵閣下クラスの人でもかなり珍しいと言って頂ける一品ぞろいなのです。 


 お茶でも淹れましょうか?と聞いて見たら、彼女も私の出すお茶に興味を惹かれたのか、【お願いね】と言ってきました。 





side レティシア


 今日まで機会がありませんでしたが、彼女の家へとやってきました。

昨日の様子から、しばらく会えない事にかなりのショックを感じている様でした。少し慰めてあげる必要があるでしょう。

  

 アイーシャ的にはそんなにショックを受ける事でもない様に思うのですが、彼女には重大な事に感じたようです。レティシアとしたら、悪い気分ではありませんね。


 家の前で考え事をしていても仕方がないので、呼び鈴を鳴らして彼女を呼び出す事にしました。

すぐにリーシャが出てきて、私にむかって物凄く可愛い笑顔をしています。とても可愛く思うのですが、

同時に気になる事もあります。彼女のレティシアに対する態度と、侯爵閣下わたしに対する態度に物凄い温度差を感じる事です。


 仕事の時にこうしゃくに対する、無価値な物を見る様な目をする彼女。領民達に炊き出しをしていた、綺麗な笑顔をしていた彼女。恋する乙女がする様な目をレティシアにむける向ける彼女。どれが本物のリーシャなのでしょか?


 彼女の事を仕事の駒として利用しようとしている自分と、本気で彼女の事を大事に思っている自分との線引きが分からなくなっている私が言うのもどうかと思いますが・・・・・・


 深く考えても今は、結果が出そうもありませんので建設的にこれからの事を考えて見ましょう。まず普段彼女がどういった所に住んでいるのか、非常に興味があります・・・ぜひ見せてもらいましょう。


 次の目標としては、やり過ぎない程度に元気づけてあげましょう。やりすぎて【仕事やめて、一緒に旅に出る】などと言われては元もこうもありません。(何事もバランスが大事ですね。)


 ちょっと強引に、彼女の家に入れてもらいました。あまり人に見せられるものじゃないなんて言っていましたが、これはこれで興味深いですね。思わず色々と、見入ってしまいました。


 特に彼女の趣味なのか、色々な種類の茶葉が並べられていました。私ですら聞いた事しかないような貴重な茶葉が、かなりの種類ありました。リーシャがお茶いります?と聞いてきたので、淹れて貰う事にしました。


 彼女の淹れ方が良いのと、茶葉自体が最上級な物を使用したと思われるせいか、王族主催のお茶会でも飲めるかどうかと言ったレベルの出来の物が出てきました。


 あやうく建前を忘れて、彼女の家でお茶をしながら過ごしてしまうところでした。彼女にお茶のお礼を言いつつ、時間も結構経ってしまったので本題の買い物に出かけることにしました。


 さて、クラウスは今頃どの辺りにいるのでしょうか?おそらくお昼はあの店で取ると思うので、そこで偶然に会った形を取るのが良いでしょう。

 




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