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とある憑依領主の懐刀  作者: sayu
第一章
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side シャ-ズ


 かなりの時間呆けてた気がするが、とりあえず兄貴には了解した事を伝えた。正直に言うと毒気を完全に抜かれてしまった感じがする。

 

 兄貴も俺の気持ちを察したのか、一言【たのんだぞ】と言って俺の部屋から去っていった。時間を無駄に出来ないので、小娘に俺の仕事の説明をする事から始めた。


 始めたは良いが、俺の説明に対しての理解度が理解出来ない。こいつが小娘ではなく、実務経験50年以上の老人と言われた方がまだ納得がいく。俺が一を教えたら千ぐらい理解して、さらにしてくる質問の鋭さと着眼点と言ったら脱帽といった言葉が相応しいと思う。


 恐らく俺も自分の専門分野じゃなければ、この小娘の足元にも及ばないだろうと素直に実感した。正に内政をする為に生まれてきた様な奴だと・・・・・・・・と思ったところで、俺の中の何かが引っかかりを覚えた。  


 【だいたい侯爵閣下くそおんなの直属になる様な奴は、なんらかの噂になるはずだ。小娘やつの話なんぞ聞いた事もない。俺の事は置いとくにしても、おそらく豪腕や幻の宰相閣下すら及ばぬ才・・・・・小娘・・・・・女・・・・】と考えている内にある単語が脳裏に閃いた。・・・・・・・・・まさかあれが《リシャールの至宝》か




side リーシャ


 シャーズさんは口は悪いが、仕事に関しては本当に凄い人ですね。思わず真剣に議論してしまいました。バローンさんにも指摘されましたが、案外ボロが出てしまっている様ですね。


 侯爵閣下の直属の人は、本当に仕事が出来る人達ばかりです。それにしても、問題が増え続ける原因は何なんでしょうか? 


 領主アイーシャのせい?治める領土が広いから?モンスターが出るから?隣の領から難民が流れて来るから?税金を高くしないといけない(王国に納める税が高額)だから?人心が荒廃しているから?カルト教団が暗躍しているから?王国貴族がばかばっかだから?原因は沢山あるでしょう。


 まぁ私は出来る範囲の仕事をして、目立たずに一生を過ごす事を目標に生きています。それなりのお給料を頂く為にある程度の仕事はしますが、厄介ごとは領主様かのじょにお任せいたします。この領は私が何もしなくても、人材が揃っていますからそう酷い事にはならないでしょう。


 結局シャ-ズさんのところも、4日程お世話になりました。何か彼も3日目ぐらいから、疲れた顔をしながら教えてくれました。最後にはもう来るなとばかりに追い出されましたが、彼なりの別れの挨拶てれかくしだったのでしょう。『頑張ってきます』といったらこちらを振り向く事はありませんでしたが、片手をあげてくれました。




side アイーシャ


 【シャーズのところも、4日でクリアしてきたと言うのですね。】と報告に訪れていたリーシャに向かい問いかけました。彼女は【はい、閣下】と言葉短めに返事をしてきました。やはり上司こうしゃくかっかだからでしょうか、彼女は私に対して壁の様なものがありますね。ここは懐柔策といったら大袈裟ですが、ポイントを稼いで置くとしましょうか。


 【明後日から別な仕事についてもらいます。その仕事が軌道に乗るまで、しばらくは休みが取れないと思うので特別休暇をあげます。】と一旦さげておいて、【ここからは仕事の話じゃないのだけど】と前置きをしながら彼女にレティシアを投入します。


 私の友人が旅に出るらしく、何やら慌しく準備をしているらしいわ。何やら準備ショッピングを手伝ってくれる人が居ないかって、言っていたわね。貴方さえ良ければ手伝ってあげてほしいのだけど・・・・どうかしら?と聞いて見ました。 


 彼女らしくない事ですが、回りが見えていないのか何事か呟いています。【旅にでるなんて・・とか

暫くあえないとか・・・】ちっと薬が効きすぎたのか、どんどん表情が暗くなってきました。

私の想定と逆の効果が・・・・・。(てっきり、デートだと言って喜ぶものかと思いましたが・・・・)

なにやらまずそうな気配なので、流れを修正する事にします。


 彼女の様子に気が付いてない風を装って、どうしますか?と再度聞いてみた。その声で正気に戻ったのか、いつもの彼女に戻り短く【お手伝いします】と返事をしてきました。

では、友人にその事を伝えておきます。と彼女に言って、用事は終ったからと言って下がらせました。

  

 去り際に小さい声で【ありがとうございます閣下】と聞こえた気がしましたが、気のせいではないと思いたいですね。


 

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