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銀の蝶  作者: yu-zu
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10年後

セオルア大陸には南北にはしる巨大な山脈の為に大きく東西に分かれている

その東側にあたる部分には7つの国がある

山脈に接するように大きな国が二つ。ガライアとフル―ルである。この二つは山脈の真ん中でちょうど南北に分かれている。この二つは昔は一つの強大な国だったが、内乱により分裂し、分かれた今でも内乱が続き国内が安定していない国である

フル―ルの北にある横長の国がアイゼンである。また、アイゼンの南、フルールの東にウェンデルがある。この国とアイゼンはとても仲が良く、国を行き来する者も、国を越えての結婚をするものが多い。また、ウェンデルは剣士を多く輩出する国で毎年剣術大会が開かれているほど盛んである

そのウェンデルの南、フル―ルとガライアの東に研究国家レイデがある。そしてレイデとフル―ル、ウェンデルに囲まれた最小の面積を持つも長い歴史を持つ宗教国家ガルドがある。この国は周りを多くの国に囲まれているも出入りには厳しい検閲があり、神秘の国、謎の国と言われている

そしてレイデの東に七つ目の国、魔法国家ゾルデがある


 魔法国家と呼ばれる国がある通り、この世界には魔法があり、その魔法は大まかに分けて3つに分けれる

一つ目はエレ属性と呼ばれる自然にあるものを扱う力である。火や雷、光、地などを扱う人々がこれにあたる

二つ目は精霊属性でこれは精霊の守護を得たものがその精霊の力を扱えるようになる力である。治癒や遠見などが有名である。他に筋力を司る精霊はマッスルになれたりもする。精霊の中には火や水などを司るものもおり、その精霊に守護されしものは火が扱えるためエレメンタル属性にもあたる

最後はスペリア属性である。これは上記二つにあてはまらない属性のもので、色々なものがある。

元々魔法は色々な属性を扱えるものは少なく、特定のもしか扱えない。しかも火が扱えると言ってもなんでも出来るわけではなく、相手を燃やすことができる、持っている武器に火を纏わせる、球のようにだして投げるなど出来ることは様々である。多くの人は水晶のようなもので自分の得意のエレを見付け、自分には何ができるのかを探していくのが一般的である。それに対して精霊属性は基本守護してくれる精霊が扱いかたを教えてくれる。そして最後のスペリア属性は小さい頃から無意識に扱えたり、突発的に扱えるようになるものである。一代限りしか使えないものが多いため、どのようなものがあるのかあまり知られていない


 また、この世界ではまだまだ奴隷制度が組み込まれている国が多く、ウェンデルとアイゼンだけは何十年前かに廃止となったが、二つとも強大な土地のため、目が行きとどかない場所などではいまだに人を奴隷として扱っている場所もある。しかし、この二つの国は他の国よりも進んでいる国であり、比較的安定した国である
















*      *     *


まだ夜が明けきっていない、空が白み始めたくらいの頃、森の開けた所で騎士に魔物が襲いかかっていた

100はいたであろう騎士たちの半分以上は地面に倒れており、そのうち何人かは魔物がに食べられて原型がなくなっていた

その中で一際立派な鎧をきた男が中心となって指示しているために、生き残っている騎士たちはなんとか踏ん張っていられている状況だ


ザシュッ


「ダン!」


それでも、何時間ももう既に戦っている騎士たちは体力が限界を向かえており、疲れのため油断した騎士がまた一人、魔物の餌食となった。その同僚の男がさらに怪我を負う前に助けようと駆け出そうとするも、中心となっている騎士がそれを止める


「止まれ!自分が死にたいのか?!今でさえギリギリなんだ、これ以上人数が減ったら勝てる勝機が減る。冷静になれ!」


「っつ!…隊長」


その言葉にハッとしたように歩を止める

悔しそうに倒れ負した同僚を見ると食い千切られ、うめいている。その上に同僚に致命傷を負わせた奴が覆いかぶさり、その身体を貪ろうとしている

そこに、炎が飛んできて同僚の身体をあっという間に焼き、彼は絶命した

苦しむよりは早く死なせたほうが良いと判断した隊長と呼ばれた男が魔法を使ったのだ

それに少しだけほっとした顔で彼は見せると目の前の魔物に集中し始めた

そこまで見た隊長は他の騎士たちの様子を伺う

他の騎士たちも皆、限界をとっくに超えている

それでもここで自分たちが踏ん張らなければ近くの村や街に被害が出る

負けるわけにはいかない。何より、自分はこんな所で死ぬわけにはいかないのだ。自分が目指すもののためには


そんなことをつらつらと考えていたためか、疲労のためかいつもなら気付く気配に気付けなかった


「アルフリア隊長!」


部下の叫びにも近い呼び声でとっさに反射の行動をとるが、今までの経験上、わかった


間に合わないーー


目前に魔物の鋭い爪が迫ってくるのを目を逸らすことも出来ず、凝視しながらここに来る前に見た、尊敬するあの方の帰ってこいという言葉とその時の真剣な顔を思い出していた


















カッカッカッ


暖かな日差しが降り注ぐ回廊をアルフリア=ダークハラム近衛第二隊長は足早に進んでいた。回廊から扉をくぐり、さらに進み、一つの大きな扉の前まで来ると制服を正し、ノックをした


「誰だ?」


「ダークハラムです。呼ばれたとお聞きしましたが」


「入れ」


アルフリアのノック により、誰何の声が中から響いた。その問い掛けに名前を名乗ると入室が許可されたので、扉を開き、中に入った


「失礼します」


アルフリアが扉を開けて入ると真正面にある執務机に身成の良い服を着た、がっしりとした体格の男が座りながらこちらを見ていた


「よく来た。そこに座ってくれ」


男の言葉に従い、アルフリアは応接用のソファに座った。男も立ち上がると向かいのソファに座る

アルフリアが座った目の前の男を見ると疲労の色を滲ませているのがわかった。最近ずっと執務が忙しく、あまり寝ていないからだろう。そう考えつつもドカッといつもならしない乱暴な作法で座ったことから、今はそれ以外に疲労の原因になるものがありそうな気がする。それが自分を呼んだ理由と関係がありそうだと思いながら、口を開いた


「御用はなんでしょうか、殿下」


殿下と呼ばれた男はその言葉に一度瞬くと、複雑そうに切り出した


「実は…お前にあるところに行ってもらいたい」


「それは…殿下とは別にということですか?」


「私も行こうとはしたのだか…陛下の許可がおりなかった。けれども、問題は性急な解決が必要な内容だ。だから…お前に行ってもらいたい」


アルフリアの指揮する近衛第二隊は目の前に座っている男、現在ウェンデル王国を治める陛下の次男ゲルバッハ=ディ=ウェンデル殿下を守るために存在している。つまり、彼がいる場所が近衛第二隊のいるべき場所なのだ。そのため、遠征するにしてものアルフリアは隊長になってから、殿下と別れて遠征に行ったことなどは無い。守る対象がいてこそ、第二隊は存在する意味が出来る。それをわざわざ遠征に行かそうとしている。つまり、自分のような隊長格以上の実力者が行かないとおさまらない内容ということだ


「わかりました」


察しのいいアルフリアが頷くと、ゲルバッハ殿下は大きくため息を吐いた


「相変わらず、聞き分けの良い…。お前が管轄外だと言えば、少しは交渉の余地はあるんだそ?」


「殿下げお決めになったことに間違いはないでしょう」


「…そうか、わかった。お前に任せる。で、詳しい説明をするぞ。ある街で、魔物が大量発生している。そこにいる騎士たちは度重なる襲撃に疲弊し、今満足に動ける者が四割をきっている。場所が場所なだけに、動ける騎士が多くないといけない。それに、常駐している騎士では現在確認できている残っている魔物を全滅するにはいたらないと報告が来た」


さらりと信用していると告げられた殿下はまたもや複雑な表情になるも、任務の詳細を話し始めた。それに、アルフリアがどこですか?と尋ねて返って来た場所は隣国との国境の街で、しかもその国はあまり仲がよくない。なるほど、だから早急な解決が必要なのかと納得したアルフリアがすぐに解決してみせますと


「頼んだぞ。…今回の魔物は手強いと聞く。絶対に…帰ってこいよ」


その真剣な表情に自分も行きたい押し殺している気持ちが読み取れ、ならば殿下の代わりに完璧に任務をこなして、無事に帰ってきてみせると心の底で絶対に帰って来ると誓った







そう、誓ったのにーー


「俺は帰らなくてはいけないっ」









迫ってくる魔物の爪がスローモーションに感じる中、衝撃を覚悟した


しかし、あと寸前という所で魔物がいきなり視界から消えた

その後に聞こえてくるドンッという、木に何かがぶつかる、音

まさかと思いつつ、視線を横に巡らせると先ほどの魔物が10m先の木の根元に倒れ、首の骨が折れていた


「…」


まさか、いまの一撃だけでこの距離を飛ばし、木にぶつかるだけで首の骨が折れるほどの威力を出したのか

信じられない気持ちで魔物が視界から消える瞬間ーー早すぎて詳しくはわからなかったがーー多分回し蹴りをきめたであろう人物がいる方に目をやる

けれども、そこにはすでに誰もいなかった

どこにいるんだと思い、あたりを見回すと衝撃的な光景が目に飛び込んで来た


「なっ?!」


それは、先ほどの自分たちを囲んでいた魔物たちのほとんどがバラバラに

四肢が離れ、地面に倒れ伏している光景だった。自分が意識をそらしてからさほど時間は経っていないのに、一体何があったというのだろうか

生き残っている騎士も呆然と立ち尽くしている。言葉も無く、剣をかまえつつも棒立ちになっている騎士の一人に話を聞こうと声をかけようとしたその時、その騎士の後ろに魔物が迫っているのが見えた


「危ない!」


しかし、咄嗟に叫んだのと同時に、黒い外套を着、しかもフードまですっぽり被り、全く姿が見えない格好をした奴がその魔物を後ろから切り上げた

自分の目には二回しか軌道が見えなかったのに、気が付いたら細切れといほどになっていた。そのことから、こいつが魔物達を殺したのだと察する。けれども国でもトップに類する自分が全ての剣筋を見えないとは一体何者だろうか


「こいつ、何者だ…?」


俺の心の内の言葉を思わずポツリとこぼしたら、小さい声だったにもかかわらず、聞こえたらしく、奴がこっちを向いたがすぐに視線は逸らされ、別のとこを向く。その視線の先を辿れば似たような服を着た者がいることに気付く。よく見ると、黒い外套を着た奴は3人いた。気配に敏い自分に全く気づかせないことにさらに愕然とする

そこに黒い外套の一人が言葉を発した


「思った以上に魔物の数が多かったわね」


「そうだね。街に大きい被害が出る前で良かったよ。まさか、この近くに巣をつくってるとは思わなかったから」


「そうね。騎士団が倒しても倒してもわきでてくるわけだわ」


「巣…?」


なるほど、巣があったから倒してもキリがなかったのかと納得する。しかし、それを考えるとこいつらがいなかったら甚大な被害が出ていただろう。この付近は地盤が硬く、洞窟もないはずだから、巣をつくることはめったにない。だから、巣があることに気付くのはもっと先だろう。気付くまでずっと、攻めてくる魔物を相手しているのを想像するとゾッとした


「終わった。生きていた人は全員助けた」


そこにもう一人、外套を着た奴が増えた。先ほど発されたのもそうだが、声を意識して出しているのか、先ほどから話す声を聞いても年齢がわからない。年のほども子供にも聞こえるし、少年にも大人にも聞こえる


「お疲れ様。んじゃ、行くか」


細切れにした奴が始めて言葉を発した

この声はどこかで聞いたことがあるような気がする。気のせいか…?


「ええ。行きましょう」


そのセリフで全員が地面を蹴り、木の上に飛び乗る


「待ってくれ!」


慌てて、静止の声をかけるが、あっという間に彼らは消えて行った


「くそ、逃げられた」


助けてくれたことには感謝するが、どう見ても怪しいやつらだった。 奴らもすぐに逃げていったから、正体をあかせないわけでもあるのだろう。仕方が無い。殿下には、報告をして、調べてみるとしよう。ただ、頭の片隅でそう簡単に尻尾がつかめなさそうだと思いながら


「隊長!」


「なんだ?」


物思いにしずんでいたが、部下の声で今はそれどころではないと我にかえった


「死にかけていた奴が全員、黒い外套を着たやつが治して行きました!」


「は?」


「四肢がバラバラで辛うじて生きていた奴も今はすっかり五体満足で何の問題もなく、生きています!」


「…ホントか?」


部下の興奮した声に信じられないと言葉を返す。とにかく、来てくださいとの声についていくと、確かに倒れ伏していた奴が元気に跳ねていた。…元気というのはわかるが一応治ったばかりなのだから、あまり過剰に動かすな。嬉しいのはわかるが、いい年した奴が跳ねているのは、見ていて良いものではない。というか、先ほどの助けた、という言葉はそういう意味か。なるほど、やってくれたもんだ。悪い奴らではないのだろう。だが、本当に何者だ?アルフリアは奴らが去って行った方を見ながら、眉間に皺を寄せた










その頃、さっていた黒い外套を着た四人は、森の中を木の上を飛び移りながら、疾走していた


「ああ、焦ったー。何でいつもは第二殿下についてるのにいるんだよ…」


「?」


ある程度離れていきなり大きく息を吐き出したアルベルトにルーネが疑問の視線を投げる


「ああ、始めて会ったんだよね。僕たちを引きとめようとしたやつがアルベルト様の二番目の兄だよ」


「あら、随分と似てないわね」


スフィエスが目を丸くして、アルベルトを見やるとその隣のケルガがけっ、という顔をした


「はは、似ているわけないじゃないか。アルベルト様の方が何倍も優れた方なんだから。差がありすぎると、顔姿形も似てないものだね」


「いや、絶対関係無いだろ。俺はどちらかというと、一番目の兄に似ている方だな。二番目の兄の筋肉質な身体は、父親に似たんだろ。俺と長男は母親に似たのか細いんだ」


「似てませんよ、一番目の奴とも」


「相変わらず、ケルガはアルのお兄さん達が嫌いなのね」


「というか、キャロたちには普通なのに俺にだけ敬語だし、様つきなんだよなー」


「尊敬してゆえですよ。自分の主ですから」


「なんだかなー」


「…でも距離を置いているわけではない」


「確かに、そうね。よく見てるのね、ルーネ」


「おーおー、他人に興味ないルーネが。…もしかして、好きなのか?」


「へ?」


「…死にたいの?」


「おー、こわー」


「目が本気すぎる…。そんなに僕が嫌なの?!」


「ふふ、照れなくても良いのに」


「スフィエス、やめて」


「あら、ごめんなさい。つい。可愛くって」


「あのー…ルーネさん?僕の発言に何がしの返答はな」


「スフィエス、意味がわからない」


「ふふ、そう?」


「僕を無視しないで…」


「着いたわね」


「先に入るぞ」


「うう、ひどい…」


そう仲良く4人は喋りながら、大きな木に辿り着く

その木の根元にある人が四つん這いで一人位しか入れない穴に上手に体を滑らし潜って行く。ある程度進むとその穴から大きな洞窟に辿り着く。外套に付いた土をパンパンとはらい立ち上がると、4人は再び歩き出した。そして壁にぶち当たりと立ち止まった



アルベルトが一歩前に出て、壁の中央に埋め込まれた水晶のようなものに手をかざす。水晶に赤色の光がほとばしり、辺りを赤色一色に染め上げた瞬間、4人の姿は消えた















そして、消えたのと同時刻に遙か遠くの土地の地下に4人の姿は現れた


「おかえりなさい」


「ミーシャさん。ただいま帰りました」


「あー、疲れたわー」


「ただいま。アルベルト様、まずは挨拶です」


「無視されっ子の癖に生意気だなー」


「それは関係無いですよね?!」


「…ただいま」




4人がたどり着いたのは、ホールのような天井が高い丸い空間だった。その中央に腰位の高さの円柱の台座があり、その上に先ほどと同じ水晶が埋め込んである。その台座の周りに4人は現れた

ホールの入り口近くに置いてある事務用机の前に座っていた20後半の髪を二つの三つ編みにして肩を垂らした、眼鏡をかけた優しそうな女の人がこちらを見て出迎えた



「皆さんがお待ちですよ」


「誰が帰って来てるのですか?」


「スフィエスさん達が最後ですよ」


「久しぶりに全員集合だな」


「ということは」


「…始まる」


「情勢的にフルールかガライアね」


「内乱に首を突っ込むのは大変そうだけど」


「そうね。けど」


「まぁ、シャルが望むのなら、な」









「じゃあ、僕たちは行きますね」


ケルガがぺこりと頭を下げて部屋を出て行くと、それに三人も続いた


「これから忙しくなるなー」


「ようやくシャル様の目的に一歩近付けるのね」


「…頑張らないと」


「うん、そうだね」


廊下を進んでいた四人はある扉のまでくるとそこをくぐり、そこに三人の先客を見つけた


「あ、来たー!」


「お帰り」


「久しぶりー!」


「元気?」


「聞いて!きいて、あのね、」


「ぼく、ね、」


「ウィル、ウィリー。少し落ち着きなさい。ただいますら言えてません。お帰りなさい、四人とも。大変だったみたいですね」


息つく間もなくたたみかけた双子を諌めたヘライアは、四人にニッコリと微笑みかけた


「おう、久しぶりだな!って、へライア、なんだその敬語…」


「ああ、今まであるところに潜入してたんだですけど、笑顔でニッコリ笑って、優しく話しかける方が色々便利だと気が付きまして。癖になりました」


「こっえーよ…」


「何か?」


「いやいや、なんでもない。…ウィル、ウィリーも久しぶりだなー」


「「背が大っきくなった!」」


「あら、確かに。成長期なのかしら」


「まだまだ伸びる予定」


「まだいける」


「…抜かされた」


「あ、確かに。ルーネよりも大きいね。あはは、ちょっぴりショック?…っ!」


「うん、ケルガの足は踏み心地がいい」


「ちょ、まじいたいっ!離して!ごめんなさい、謝るから!」



ケルガが踏まれている足を抜こうと躍起になっている中、さらに三人が入ってきた。真ん中にクローゼンが立ち、その左隣に赤紫の髪の少女、キャロ、右隣に青緑の少年、フロセスがその光景に一瞬目を丸くし、次いでクローゼンとキャロはプッと吐き出した


「あーあー、ケルガが相変わらずルーネにいびられてるー」


「キャロ、元気そうね」


「久しぶりー、スフィエス。今着いたの?」


「ええ。そちらは?」


「二時間ほど前だな」


「クローゼン、フロセスも久しぶりだなー。元気そうでなによりだ」


「ああ、久しぶりだな、アルベルト。ここ何年かは特に忙しかったからな。まぁ、これからの方が忙しいが」


「では、やはり…」


「ああ、へライアが考えてる通り、始まるな」


「…」


「うん?嬉しいのか?」


「…」


「ああ、やっぱり皆いた方がやる気は出るな」


「…」


「ええ、頑張りましょう。ふふ、私もプロセスが何を言いたいのか段々わかってきたわ」


「うう、誰が助けて…」


「んー?まだ踏まれてたの?」


「酷い…、キャロ、忘れるなんて!助けてよ!」


「よし、皆揃ったなら、始めるか。シャルから、今回のことを言付かってきた。説明する」


「クローゼンー!」







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