変な機械
九、変な機械
三人で荒野を歩き続け、森の手前の町にたどり着いた。
シアンはその町に知り合いがいるらしい。
「マニ、今度は負けないからな。」
「うん。また会えたらね。」
彼は手を振って人ごみに消えた。
シアンは方向音痴だけど、さすがに町で迷わないといいな。
あらためて周りを見回してみる。
「町ってたくさん人がいるし、建物もたくさんあるな。」
「マニ君は町が初めてだったよね。」
そこへ道行く人の話声が聞こえてきた。
「この前、裏道でたくさんの人が倒れていたんだって。」
「こわーい。何でも毒にやられていたらしいわよ。」
マニは怖くなってきた。
「世の中危険だらけだね。」
「そうなの。戦争があってからは悪い奴らがやりたい放題で。とりあえず、早く森へ向かいましょ。」
二人は森へ向かうため町の中心部から裏通りへと入っていく。
そこに足に車輪のついた機械が角から現れた。
しかも刃物が着いた腕を回転させてこちらに突っ込んでくる。
「逃げろー。」
裏通りにいた2、3人が四方へ走りだした。
マニもサンサと逃げようとしたその時、反対方向からフードを被った少女が現れた。
見た目はマニやサンサより幼いようだった。
少女は先に重りの着いたひもを正確に投げ、機械の中心近くの細い部分に巻き付けた。
「早く、早く殺さないと。」
少女が機械の進行方向と反対側に引っ張っているため、動きが鈍くなる。
ひもが細いパイプ部分を締め、折れそうになっている。
上の部分には大き目の缶のようなものがついていた。
マニは嫌な予感がした。
「だめだ。」
叫んだが既に遅く、パイプからピンクの煙が噴き出す。
本能的に危険を感じたマニはサンサの腕を引いて、建物のドアを開け入り、急いで扉を閉める。
中は無人で今は使われていないような小屋だった。
心泊数が上がり息も上がっていた。
あの機械や少女はどうなっただろう。
もうだめだろうか。
「どうしよう。」
「外は危険よ。有害なガスだと思うの。私がちょっと見てくるから。」
「だめだ。僕が行くよ。」
マニは彼女を行かせるわけにはいかなかった。
「わかったわ。気休め程度だけどこれを被っていって。」
サンサは小さな水たまりを呼び出し、そこからガラスの金魚鉢を出した。
「ありがとう。」
マニは隠れていた小屋にガスが入らないよう、さっと扉を開け外へ出て、すぐに扉を閉めた。




