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自己紹介



八、自己紹介


 道に迷ったシアンを放っておけず、マニと湖の魔女は北の森に向かう前に近くの町まで彼を送ることにした。

大変なのは自己紹介だった。

マニは今では希少な竜であることをよく見知らぬ人にばらすことは良くないのだ。

湖の魔女が自己紹介を始めた。

「はじめまして。私はサンサよ」

「え?湖の魔女さん?」

突然名乗りだして混乱してしまう。

以前は名前が無いと言っていたのに。

「お前があの湖の魔女なのか?」

シアンは目を見開いて驚いている。

「いいえ、私は湖の魔女ではなく北の魔女の率いる北の森派の魔女のサンサなのです!」

サンサははっきりと言い切った。

だが動揺しているようだった。

「…それはそうだよな」

サンサは続ける。

「私はマニ君に依頼され、彼の生き別れの家族を探しているの」

「うん、まあ。そんな感じだけど」

「そうか。今、北の森派の魔女は禄な仕事が無いと聞くが本当に大変そうだな」

「まあ、たいした金額にはならないけどやりがいのある仕事よ」

シアンとサンサの話についていけず、マニが聞いてみる。

「それって、どういうこと?」

「あの、それは……」

「湖の魔女が予言を外したせいで、北の森派の魔女は信用なくしてどこも雇ってくれねーらしいぜー」

言葉が続かないサンサの代わりにシアンが答えた。

思い返せば、彼女の魔法は失敗していたし、予言も外したのかもしれない。

だけど、マニに親切なのは変わりないのでついていくことにした。

きっと予言を外したことが恥ずかしくて黙っていたのだろう。

それから荒野を三人で荒野を進んだ。

サンサは足元に小さな水たまりをいつでも呼べるので、飲み水には困らないし、地図も出してくれた。

紙の地図が濡れてないのが魔法の力なのだろうか。

これにはシアンも驚いて、サンサのことを見直していた。

食事の焼いたサソリは香ばしくておいしかったがシアンには不評だった。


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