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シアン

七、シアン


 襲ってきた男が倒れ、二人が立ち去ろうとすると武装した少年が走ってくるのが見えた。

マニと一緒の歳ぐらいに見えた。

少年はマニと湖の魔女の方を見てきた。

「この盗賊はお前が倒したのか?」

少年はマニの方に怪訝な視線を送る。

「いや、これは事故、事故なのよ!!」

湖の魔女は必死に説明している。

「せっかく、俺が倒してやろうと思ったのに。お前、強いんなら俺と勝負し!。」

「ええー」

剣の先を向けられたマニは正直困った。

「ちが……」

言い訳を聞かないまま少年は襲い掛かってくる。

とっさにマニは後ろに跳ねて避ける。

ああ、たぶんこの人は話の通じない人だとなんとなく悟ったので、応戦することにした。

速い剣さばきを何とか避け、炎を放つ。

「お前、魔法使いか?」

相手が一瞬ひるんだところを牙の攻撃力から創った小刀で後頭部を強く殴った。

少年は一撃で砂に沈んだ。

「やった!」

マニは何とか相手を倒し、身を守ったことで自身がついた。

「マニ君、運動神経いいのね」

魔女がほめてくれた。

倒れていた少年はゆっくり立ち上がった。

「お前、強いな。俺が悪かった」

意外にも素直に謝ってきたのだった。

「え?謝ってくれるならいいよ」

「俺はシアン。このあたりに出る盗賊を倒そうとしてたんだ」

「そうなんだ。僕、マニ。ちょっと行くところがあって」

「そうそう。私たち旅をしているの」

「そうだったのか。俺は帰る。じゃあな」

少年は歩き出そうとし、そして足を止めて振り返った。

「迷った…。仲間と合流できない」

「「えー!?」」

荒野に立ち尽くす三人だった。


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