修行
十三、修行
マニはまずはキャスタノプシスと人間の姿で飛ぶ練習をすることになった。何でも元々彼は魔術師らしい。二人は神殿を出発し、森の崖を目指した。
「師匠、どうして神殿の所だけ霧がかかっていたんですか?」
「さあ、それは私も良くわからないのです」
「ふうん。じゃあ、あのあたりのいい香りが何ですか?」
「あれはお香の香りです。癒しの効果があります」
話ながら歩いていると木々が途切れ、崖に着いた。
崖から見える景色は良く、森や遠くの方に町が見える。
「では、さっそく練習しましょう。まず、肩甲骨あたりに魔力を集中させてから地面を蹴ります」
マニがはいとマニが答えようとした瞬間後ろから背中を押され、崖から転落した。
「うあっ」
地面がすぐに迫るなか何とかマニは飛び上がった。
そして崖の上へと何とか戻った。
「はあ、はあ」
飛び慣れているとは言え、急なことで心臓がどきどきしている。
マニは地面に突っ伏して呼吸を整えた。
「死ぬかと思った……」
「さすがです。マニ君。飛び慣れているだけありますねー」
笑顔の師匠を見て、これからの修行に怯えるマニであった。
サンサとココアは神殿から少し歩いたところに薬草を摘みに来ていた。
今日は帽子に長袖、長ズボンと動きやすい服装だった。
「このヒャイロックという草は、日陰にたくさん生えているのよ。止血効果があるの!」
「はい」
二人はもくもくと薬草を摘んではかごに入れていった。
なんだか大人しい子ね。
それがサンサのココアに対する印象だった。
でも、真面目でいい子だわ。
「キャッ」
「どうしたの?」
ココアの方を見ると足元に小さな蛇がいた。
草刈り鎌で応戦しようとしているが、苦手なのか震えている。
「落ち着いて、ゆっくり離れて」
ココアはなんとかこちらに歩いてきた。
「もう、今日は帰りましょう」
「うん」
何とかかごを抱えて二人は走って逃げた。
「森は蛇や蜂もいるから、気を付けてね」
「……がんばる」
その後、神殿に帰った二人は薬草を洗い、縛って干したのだった。
森の近くの町から少し離れたところにある廃墟となった城があった。
今では荒くれ集団が住み着き、近隣の町を襲っていた。
古墟の広間の階段を上の廊下に体格の良い男とグラマラスな女がいた。
「どう、レオ?町長を脅して、金をたくさんもらう作戦は?」
「順調だぜ、ベリータ。だがそのうち町自体を手に入れてやる」
「それいいわねえ。早く攻め込みましょうよお」
女は扇子を広げて表情を隠していたが、その下は口角が上がっていた。
「だが、近くに湖の魔女の縄張りの森があるから様子見ながらになるな……国を一日で壊滅させえたこともあるらしいぜ」
男は悔しそうに手すりの支えを蹴る。
「そんな、数百年も前のことまだ言ってんのお?どうせたいした攻撃力も無いんでしょ」
「まあ、そうなんだが……そろそろ時間だ。行くぞ」
男を懐中時計をから目を離して階段を降り、女も後に続いた。




