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神託の果て ー神を目指して見ようと思います!ー  作者: かぼちゃ畑


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3/7

人攫いの邪教徒さん

「そろそろ起きろ!」

俺はアヤの座っている席を蹴り、目の前で爆睡しているアヤを起こした。


(結局コイツあれからセントルイスまで寝てやがった。見ず知らずの男の目の前で良く爆睡かませるよな。それほど自分の強さに自信があるのか、それともただ危機感のない馬鹿なのか。)


「う〜ん、あれ?もう着いたの?」

目を擦りながら、大きくあくびをしている。


「ようやく起きやがった。着いてからもう10分経ってるんですけど。」


「あぁ、すまない少しうたた寝が過ぎてしまった」

もう一度あくびをすると、両手を上げ身体を伸ばし

た。


(うたた寝ってレベルじゃないだろ。)


「次はいつ動くんだい?」


「今からだと、、、3時間後だな。」


「そうか、、、。」


グゥ〜。


2人同時に腹の音が鳴った。

確かにここに来るまでの5時間何も食べていない、腹が空くのは当然と言えば当然か。


「腹が減った。」


「確かにさそうだな。」


「ここはセントルイス、大勢人が乗り込む可能性が高い駅だ。」


「そうだな。」


「君。今からセントルイスで食べ物買って来てくれ。」


「は?今までの話しからどういう流れでその結論になったのかな?」


「流れは簡単だよ。この駅では大勢の人が乗り込む、あと2時間座れないままドルトシアまでは苦痛だろ。君が買い出しに行っている間、私が荷物と席を守っておいてあげる。良い話じゃないか。」


俺は深くため息をつき、頭をかいた。


(こいつ、本当に遠慮とか常識ってもんが無いな。)


「はぁー。しょうがねぇな。」

俺はそう言いながら立ち上がる。


「おっ、行ってくれるのかい?ありがとね。なかなか聞き分けがいいじゃないか。」


「俺も腹すいたし、仕方なくだよ。仕方なく。」


「私は、肉であれば何でもいいよ。」


(こいつ、本当に。)

俺は少し、怒りの感情で殴りそうになった拳を、必死に抑えた。







駅から出たはいいが、見渡す限りに建物だらけだ。鍛冶屋に服の店、本屋など。その他は民家だろうか、もういい時間なのにあちこちで灯りがついている。


とりあえず肉だったか。

今の時間売っている店はあるのだろうか。


「とりあえずこれくらい有ればいいか。」


俺が途中にあった店で買った串肉を持ち、セントルイスの大通をしばらく歩いていると。


「人攫いが出たぞー。」

背後からとても焦ったような大きな声が聞こえた。


「また邪教徒の連中だ。」

別の男の怒鳴り声が大通に響き渡った。辺りが一瞬にして緊張状態になる。


「邪教徒か。」

確か、暗い紫色のローブに一つ目のマークが入った仮面を付けている。邪神を崇めているもの好きの集まりだ。


ドンッ


(またかよ。)


俺は後方から走ってきた男に前方へ吹き飛ばされた。手に持っていた串肉を落とすと、走ってきたもう1人の男にその肉を踏まれてしまった。


「邪魔だ!」


顔を上げると、大男1人が麻袋で誰かを抱えて俺に怒鳴り散らし、前にはもう1人おそらく俺に最初にぶつかって来た奴だろうそこまでガタイは良くないが、圧が凄い。


「この。」

大男は俺が落とした串肉が入った袋を踏みつけぐちゃぐちゃにした後、もう1人の男を追うように走っていった。


普段の俺なら、人攫いだの邪教徒だのは俺には関係ないと一蹴し、その場から離れるだろうが、今の俺は違う。


何も正義感が芽生えたとかそう言う話でもない。


俺は、


ただ 一一


せっかく買った飯を目の前で踏みつぶされ、すこぶる不機嫌なのだ。



「待ちやがれぇ。」

俺は起き上がると、全力疾走で前の男達を追いかける。


「なんだあいつ、追ってきやがったぞ。」

大男が後ろを振り返り、もう1人の男に呟く。


「無視でいい、所詮ガキだ。上だ、上に行く。」

冷静な口調でそう指示すると、壁をつたい屋根の上に飛び登る。


チッ、上か。


「逃げんな。」

俺も後を追い、屋根の上に飛び登る。屋根に着地をすると腰にある刀に手をかける。この距離なら当たるか?


「どうする、まだ追って来るぞ。」

大男は再び後ろを振り返ると、麻袋を抱え直す。


「俺が相手をする、お前は先に器を届けろ。」


「分かった。」


「3番を置いて行け。」


「了解した。」

大男はローブの中から日本刀の様なものを取り出し、もう1人の男にその武器を渡した。

その後すぐに大男は逃走した。


「あ、そのデカい方の男待ちやがれ。」

(無視ですか、まぁ妥当だな。)


「下がれ、ガキ。」

男は鞘から刀を抜き鞘を下へ捨てた。声が出るほど美しい刀身、これが日本刀と言う物なのか。


「誰が下がるか。」

俺は腰の刀を引き抜く。

俺の刀は奴の刀の半分程しかないが鍛え抜かれた刀だ。


負ける気は、、、ない。


瞬間。

互いの刀が交差する。


キィィン一一!

甲高い音が夜の街に響いた。火花が散り、重い衝撃が腕に走った。


(重い、腕が痺れる。)


「くそ、」

俺は後ろへ下がる。

ふと、刀に目をやると相手の一撃で刀にもうヒビが入っている、替えの刀なんか持って無いのに。次に攻撃を喰らえば確実に折れる。


「その程度か。」


「フッ。」

冷静を装い、笑顔を浮かべ相手を嘲笑う。


(フッ、その通りだ。俺の実力何てこの程度なんですよ。対人なんて少し訓練しただけだ。)


(一か八かあれを。)


「もう下がれ、俺も無駄な殺生は好まん。」

男は再び刀を構える。


「そうかよ。」

俺は腰にある鞘に刀を収めた。


腰を落とし、呼吸を整える。


神託(ギフト)・斬撃】


「我流居合抜刀。」

刀を鞘から素早く抜去る。


「居合?」

(居合、東大陸特有の技だ。だがこの距離で居合など当たるはずが一一)


次の瞬間。


「ガハッ、」

肩から腹にかけ体が切れ、飛び出した血が宙を舞う。


「よっしゃ、成功。」


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