森の冒険
視界が明るく開けてきた。
「ヴッ!ちょっと酔ったし。」
苦手なんだよな~。こういうのは。
イヤホンがなくなっている。
夢の中だから、意識状態に入ったてことか。
本体は、元居た世界にあると考えてよさそうだな。
さて、ここはどこだ?
森の中に転送されてきたようだ。
「これも誰かの夢なのかな。」
とりあえず、歩き回ってみるか。
「暇だ。何もない。」
相当広い森に転送されたのか。
「にしても、環境はめちゃめちゃ良いな。この森。」
道中、2時間ほど歩いたけど、ここまでに大量の果物が生っていた。
そら、動物も元気に暮らせているわけだ。
空を見上げると鳥が、地面を見ると蛇など多くの生き物が共存されている。
「夢とかいう異世界みたいなもんだけど、動物の見た目とかは現実と変わらないんだな。」
ー数時間後ー
「お。なんか開けた場所に出れそうだな。」
ここまで果物を採らせてもらいながら歩き続けてきた。
「なんかあってくれ。頼む。」
そんな思いも虚しく、何もなかった。
言葉の通り何もなかった。
「・・・焼野原。」
ここまでの自然が嘘だったかのように、自然がすべて燃やし尽くされていた。
グツグツと地面が溶岩のような液体が流れている。
「ここまで真っ二つに自然が対極になることがあるのか。」
ん?
「何かが奥にいるような・・・?」
その時、溶岩が吹きあがってくる。
「やば。向こうを歩くか。」
別の方向に歩くことに決め、この場を立ち去ることにした。
-数時間後-
「辺りが暗くなってきたな。」
一日中、歩き回ったが何も成果がなかった。
今日はこの辺で寝るしかないかもな。
夢の中で夢って見るのかな?
「ちょっと気になるな。」
小さな洞窟を見つけた。
「ちょうどいいな。ここで寝させてもらおう。」
「ドンッ!」
「ハッ!何の音だ?」
外から爆音が聞こえた。
「何だ・・・これ」
空が赤色に包まれている。
森の雰囲気が一変し、森に大型の動物が徘徊していた。