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【ゆっくり寸劇】デスマフィン【台本】

作者: 三木香泣

霊=霊夢

マ=魔理沙

その他・「」=ナレーション

『とあるアートイベントでの出来事』


マ「ふー、一通り見て回ったし小腹が空いたんだぜ。」


「美味しいですよー、お一つどうですかー」


マ「お、マフィンなんだぜ。お一つ貰うんだぜ!」


マ「…なんか、このマフィンおかしくないか…臭いがキツいし、心なしか糸がネバってしてるような気が…」


マ「……。」


マ「まあ、イベントで売ってるものだし、おかしなことにはならないはずだぜ!(パクっ)」


『帰り道』


マ「(ぎゅるるるうぅうぅぅるるるるぅるるる―――――――)」


マ「……ぐ、おおお……腹が…ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…―――――――ッッ!!」


『翌日』


マ「すみません、デザフェスのマフィンを食べた後、お腹痛くなったので返金して欲しいんだぜ。」


霊「証拠見せてくれる?商品名は?」


マ「ええと、確かデスマフィンと思うんだぜ。」


霊「…そんなマフィンはうちでは作ってません!うちは無添加で通常の砂糖も半分しか使ってない離乳食完了期のお子様にも美味しくお召し上がり頂けるオーガニック洋菓子店なんです!!チッ、腹下して死ね糞クレーマー!」


マ「あ、商品名が違ったんだぜ。…けどそれにしてもなんて酷い対応なんだぜ。」


霊「だいたい今ね、殺人予告があって警察に立ち寄ってもらっててそれどころじゃないのよおおおぉぉぉっ!こんなんじゃママから引き継いだお店看板にきずがついちゃうでしょおおぉおぉぉおぉおッッッ!!」


マ「そんなこと知らないんだぜ。自業自得じゃないか?」


霊「あんたそもそも本当に商品買ったの?証拠としてレシート出してよ。」


マ「いや、貰った覚えがないんだぜ。そもそもデザフェスでレシートは出してなかったと思うんだぜ。」


霊「じゃあ、実物を送り返してくれたら返金してあげるわ。」


マ「いや、普通取っておかないし。もう捨てちゃったんだぜ。」


霊「あのね、そんなんじゃ相手してられないわ。そもそもマフィンを買ったっていうのはあなたの妄想では?」


マ「いや、お腹が痛くなって途中でうんち漏らしそうになったんだぜ。」


霊「……(ガチャン)」


マ「あ、おい。もしもし……!」


『その翌日』


霊「どうしたの魔理沙、そんな苦虫を噛み潰したような顔して。」


マ「…いや、なんでもないんだぜ。それよりお土産はなんなんだぜ?」


霊「デスマフィンよ。」


マ「こんなもの食えるかあああああぁぁぁッッ!!」


霊「ちなみに返金対応はX(旧Twitter)・Instagramのアカウントで対応しているわよ。」


マ「URLは?」


霊「(ポチっ)はい、これ。」


マ「……。アカウント削除してんじゃねえか~~~~~~ッッ!!」


霊「これで返金しなくて良くなったわね。」


マ「マジ、ふざけてんのか!!消費者庁に電話するぞ!」


霊「言い辛いけど、消費者庁のリコール情報ページに書いてある対応先がそれよ。」


マ「もしかして、逃げた…?」


霊「少なくとも、返金の問い合わせ先はよく分からなくなったわね。」


マ「泣き寝入りはゴメンだ、もう一度店に決意の抗議の電話を入れるんだぜ!」


霊「ちなみに店(ハニーハニーキス(Honey×Honey xoxo))は2023年11月21日閉業したわ。」


マ「おまえええええぇえぇえぇぇぇえええええええ!!!!!」


霊「あと、営業再開の予定は無いわ。」


マ「おかねかえしてよえええええぇぇえぇぇぇえぇぇえぇええ!!!!!!!!!」


霊「あれ?でも、店のHPは残ってるみたいね。」


マ「…どういうことなんだぜ?」


霊「一応、公式HPの商品の一つのマフィンの説明を読むわね。」


「通常の焼き菓子店で販売されているお菓子の半分以下のお砂糖の量で作っております。お砂糖の代わりに大量のお野菜やフルーツ、チョコチップなどが入っておりますので、離乳食完了期のお子様より美味しくお召し上がりいただけます。また、乳製品が入っていないマフィンが多数ございますので、乳製品アレルギーの方でもお召し上がりいただけます。(原文ママ)」


マ「砂糖半分って美味いのか?てか、こんなもん絶対子供に食わせちゃダメだろ!」


霊「添加物とか配慮する前に食中毒起こしてるからね。下手をすれば命に関わることだってあったかも知れない。」


マ「変なプライド持たずに防腐剤を入れる判断をして、安全を確保出来なかったのか?」


霊「話によるとイベントでは大量に個数が必要、発注時点で保管場所に窮することは想定できたはずよね。」


マ「そもそも、なんでマフィンが腐ったんだ?夏場ならともかく1日や2日で腐るものなのか?」


霊「なんか5日前のものをその辺に放置してたみたいね。」


マ「…頭おかしくないか?」


霊「しかも、常温保存で保存料や砂糖が使われていない食品よ。はっきり言って一日でも放置したものを食べたくないわ。」


マ「もしかして、砂糖って実は使われていない方が長持ちするとかいう配慮だったり…」


霊「魔理沙は知らないだろうけど、砂糖は防腐剤の効果もあるのよ。」


マ「…もしかして、店サイドでわざと腐らせようとしていないか…?」


霊「俯瞰して見て、そう疑われるもの無理ないほどの杜撰な管理体制だと思うわね。到底、食品製造に携わる者とは思えないわ。」


マ「商品説明を見てるとやたらと『お子様』に食べさせたがってるのが鼻に付くな。」


霊「前からこの店で買っていた人は、以前のオーナーの時は普通に美味しかったみたいなのよね。今のオーナーになって、どこか変わってしまったと。」


マ「やたら変なこだわりを主張してるみたいな商品説明もその辺が関係してるのかな?」


霊「推論に過ぎないけど、今の店主に代わって店の方針に自身のイデオロギーを全面に出すようになって、おかしくなっていったのかもね。」


マ「自称・自然派の旗手か何かのつもりだったんだろうか、知らんけど。」


霊「どんな思想や信仰を持っていようが構わないけど、食品を扱う以上、最低限の食品衛生は守る製造者であって欲しいわね。」


霊・マ「ご視聴ありがとうございました。」

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