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星のランプ  作者: 染未
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自由な人

 ゴミ山がトウモロコシ畑になって、ナターシャは子どもでも払える値段で畑の道具を借り出す事にしました。

 一番最初に借りに来たのが、モウリーでした。

 

「モウリー!火星は?ウラウ先生は?」

「ウラウ先生は昨日の夜、流れ星に当たってトウモロコシになっちゃたんだ。」

 ナターシャは耳が聞えなくなってしまったので、側にいたモモナお姉さんにモウリーが話した事を紙に描いてもらいました。

 それを見たモウリーはとても悲しい顔をしました。

 

 それからモウリーは毎日道具を借りに来るようになりました。

 そしてその様子を毎日見ていたヨクバールに声をかけられ、ヨクバールの一番の使いの人の下で見習いをする事になりました。

 

 ヨクバールの一番の使いの人は、ナターシャの屋敷に一番最初に来てくれた使いの人で、名前をバロンと言いました。

 

 ナターシャが口の動きだけで相手の言ってる事が分かるようになったころ、バロンとモモナお姉さんが結婚する事になりました。

 ナターシャはとても喜んで盛大な結婚式を開きました。

 そして数年後、ナターシャもモウリーと結婚し、子どもが出来て、その後孫も出来ました。


 ナターシャは12人目の孫が生れた夜、ランプを片手に塔に登って一人になってから、魔人を呼び出しました。

 丸い塔の壁の花模様をを、光りが映し出し、星影が舞いました。

 ナターシャの足元にその星影が集まり、その影が大きく膨らみ、夜より真っ黒な魔人になりました。

「ねぇライト、どうして声を出す力は願いの交換条件に入って無いの?」

「願いを声に出して頂かないと、契約が成立しないからですよ。」

「ふーん」

「そんな事聞くために、呼び出したんですか?」

「今日はとっても良い気分でまだ寝たくなかったの。」

「そうでございましたか。」

「魔人さん、わたしの見る力と引き換えに、あなたを自由な人にします。」

 魔人が驚いた顔をすると、流れ星が空から降ってきて、魔人を光りで包みました。

 ナターシャも余りの眩しさに目を瞑りました。

 光りが消えると、ナターシャの目の前には一人の青年が立っていました。

「ありがとうございます。」

 魔人だった青年は恭しくナターシャに頭を下げました。

「五つ目の願い事は無いのですか?」

「自分の力を悪い事に使わないで、そして幸せになって欲しいわ。」

「それでは、願い事が二つになってしまいますよ。」

 魔人だった青年はそうお道化て言ってから、その場を去って行きました。



ここまで読んで下さってありがとうございました。

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