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星のランプ  作者: 染未
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学校

 ナターシャは貧しい国の貧乏な小さな女の子。

 お酒が大好きなお父さんと2人暮らしで毎日ゴミ置き場のゴミを拾っては、そのゴミをお金にかえて生活していました。

 そんなナターシャの楽しみは学校にいく事です。

 月に何回かある学校の日。

 平日の毎日学校にいける人もいましたが、ナターシャはお金を支払えないので出来ません。

 学校に行くと 普段会わないような自分と同じ年ごろの子に会う事が出来、みんなで何か新しい事をやるのはとても楽しい事でした。


  月に何回かあるうちの特別な日は、大きな国から支援があり、ナターシャも学校で授業を受けられます。

 その日は特別授業の日で、異国から特別な先生が特別な授業をしに学校に来ました。

 今日の先生はナターシャも何回か見た事のあるウラウ先生です。

 人の良さそうな顔立ちで、紺色の艶のあるスーツを着こなしていました。

 特別授業では特別に新しいクレヨンがみんなに配られました。

「これからみなさんにクレヨンを使って自由に木の絵を描いてもらいます。」

 ナターシャは新しいクレヨンを貰ったのが嬉しくて、紙からはみ出す程大きな木を描きました。


 すると、ウラウ先生が壇上に現れ「お絵描きの時間は終わりです。」と言いました。


「今回みなさんに絵を描いてもらったもは、みなさんの絵を見てみなさんの心の状態を見る為です。例えば、紙にはみ出す程大きな木をかくっていうのは、自分はここまでじゃないっていう気持の現れ何ですよね。」


 呆気にとられたまま、教壇の上の先生を見るしかありません。


「自分はここまでじゃないっていう気持の現れ何ですよ!」

 吐くように床に叫んでるウラウ先生がいました。

 頭の考える力が何処かえ行ってしまって、まったく授業に集中できないのに、ウラウ先生が繰り返しそれを言うのだけははっきり聞こえました。


 ナターシャは授業中なので、必死で悲しい気持ちを我慢しました。

 

 たまに来るだけの自分が周りに迷惑をかけてはいけないと思ったからです。


 ナターシャが帰ろうとするとウラウ先生がナターシャに近づいてきました。

 小さい男の子見たいに左右に揺れながら腕を脇で小さく振っています。

 何度かウラウ先生の授業を受けましたが、この先生は何時もナターシャが帰ろうとすると、こうやって近づいてきて、うらうらしてるのです。

 勿論その理由をナターシャが聞いた事はありません。

「今日の授業は私には難しかったです。」

「どうしてそう思うのかっていう、自分自身の心の持ち方の問題だと思いますよ?」

 まくしたてるように上からこう言われるのも毎回の事でした。

「物事をどう捉えるかは、その人本人の心の問題ですからね。」

 毎回の事で慣れたつもりでいて、気に留めてなかったが、何だが言葉じゃ無いところで自分の無邪気な必死さごと否定されてる気がしました。

 そしてその感情をその場で言葉に出来る程大人では有りませんでした。

 だからそれから何年もナターシャはそのわからなさに悩む事になりました。


 ナターシャは先に外に出ていた他の先生たちに自分が感じた事をそれと無く話してみました、しかしどの先生も口を揃えて「そんな事気にならなかった」と言っていました。

 ナターシャは家に帰ってから一人で泣きました。


 ああいう大きな国の先生が来てくれるからナターシャの学校が成り立っているのは分かっていたので、仕方ない事なのは、子どものナターシャにも何となく分かっていましたが、ナターシャはもう学校にいけなくなりました。


「世界中に誰も見方がいない」

 ナターシャは布団の中で小さく呟きました。

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