食事会 後編
入口から数人の怒鳴り声が聞こえてくると、豪華な服を来た男が先頭にマルス達の方に歩いてくる
『これは、明るい!! このランプを寄越せ』
男が魔法のランプを見て笑顔で言う
『あっちにも・・・お前達!! 何者か知らないが、王国の重鎮クレゼメス子爵様の視察である!! この魔法のランプは献上する為に王都へ持っていく!! 文句は無いな!!』
豪華な服を来た男の横の男が大声で言う
『勝手に人の屋敷に入り込み、何を言っているのですか? 頭おかしいのですか?』
メトリシアが笑顔で言うと、ウイントレスが笑いを堪えながら、顔を背けている
『小娘!! 王国に逆らうのか!! 捕らえて牢屋に入れるぞ!!』
男がメトリシアに向かって怒鳴ると、ヘルトが笑いを堪えながら見ている
『捕らえる? 捕まえられるのですか? 勿論返り討ちにしますけど』
メトリシアが笑顔で言うと、ケニスとヒストリアがメトリシアの後ろに行く
『この小娘風情が!! 痛い目を見たいようだな!! 捕らえろ』
男が怒鳴ると、四人の男が笑みを浮かべて、メトリシアを取り囲むように、前に出てくる。男達がメトリシアを捕まえようとする。メトリシアが手を避けながら1人目の股間を蹴りあげて男が踞ると、頭を蹴り、男が白目を剥くと、次の男を回し蹴りで頭を蹴り、男が弾き飛びながら白目を剥いている
『小娘など早く捕まえろ!! 斬っても構わん』
豪華な服の男がイラついて怒鳴ると、警備隊隊員と英雄騎士隊が取り囲み始めている
『うるさいな!! 小娘など言われる筋合いは有りません!! ここに居る人全員を捕らえて、ランプを奪うつもりなら、覚悟してくださいね』
『小娘風情が!! ここに居るもの全員を殺せ!!』
豪華な服を着た男がが怒鳴ると、ヘルトが笑い声を漏らしている
男達がメトリシア目掛けて斬り掛かり、メトリシアはかわしながら
『パンシーフィールド』
2人の男達が苦悶の表情でその場に倒れる
『証拠十分ですね、御父様』
クレシアが微笑みながら聞く
『十分? メトリシアを捕らえようとした時点で、反逆罪だ!!』
ウイントレスが笑いながら言うと、全員が顔を見合わせている
『相手も解らず襲うとは・・・どこの愚か者か・・・』
バイルが呟く
『偽者と思ったが・・・本人が来ているとは』
ウイントレスが笑いを堪えながら言うと、豪華な服を着た男がウイントレスを見ている
『この場合、少し脅えた方が良いのですか?』
サトメルがメーレスに聞く
『可哀想な人達に哀れみの視線で良いですね』
メーレスが微笑みながら言うと、サトメルが頷いている
『ウイントレス公!! 何故ここに!!』
豪華な服を着た男がウイントレスを見て慌てている
『もう遅い!! 取り敢えず捕らえなさい』
アーセルが大声で言うと、英雄騎士隊隊員達が男達を押さえ込んで、ロープで拘束を始めている
『こんな事をして只で済まないぞ!! 早く解放しないと、どうなるか思い知らせてやる!! リベリアの悪い噂を流すぞ!!』
豪華な服を着た男が大声で叫んでいる
『惨め・・・』
メトリシアが見下している
『小娘が!!』
『愚か者は良いが・・・警備隊隊員、余興で通したのか?』
ヘルトが苦笑いして言う
『外で無力化も面倒だったので・・・この手の貴族は、反逆者の方がお似合いです』
警備隊隊員が笑顔で言うと、クレシアが笑っている
『気が利くな・・・メトリシアもワザワザ出迎えるなんて・・・確信犯か? それもワザワザ全員を殺せと言わせたな・・・』
『こんな人嫌いですから!! ヘルト御兄様も命を狙われたのですから、もう少し脅えてください』
メトリシアが笑いながら言うと、みんな笑っている
『くそーー! 貴様ら絶対に許さん!! この仕打ち親類縁者からどれだけの文句がくるか、思い知れ!! ウイントレス公!!』
豪華な服を着た男が喚いている
『リベリア冒険者ギルドマスターバイルとして、証人になりましょう』
バイルが笑顔で言う
『リベリア商業ギルドマスターとして、証人になりますぞ! 必要も無いが・・・』
クラウスが笑いながら言うと、豪華な服を着た男が驚いた表情でキョロキョロしている
『ヘルト御兄様、トドメを』
メトリシアが笑顔で言う
『クライドルト王国王太子ヘルトが命ずる、この者達を徹底的に調べ、反逆罪として処分せよ! 宮廷魔術師副師長アーセル頼んだぞ』
ヘルトがアーセルを見て言うと、男達が青ざめて震えている
『畏まりました。騎士の皆さん、あちらに訓練場が有りますので、ゆっくり聞きましょうね』
アーセルが笑顔で言うと、英雄騎士達が笑い出して、男達を連行していく
『あれは・・・やる気か・・・』
ウイントレスが呟くと、みんな思い浮かべて、笑い出す
『ウイントレス様、昨日の愚か者はどうなってますか?』
メトリシアが思い出したように聞く
『王都に護送だな・・・本人は否定しても、王女様に危害が及ぶ危険が有ったからな・・・撃退されて情けない姿だったからな』
ウイントレスが苦笑いしている
『あれは後で御母様の文句が面白そうですが・・・』
ヘルトが笑いながら言う
『それは良いな・・・愚か者もリリアが無礼者だと喚いているぞ』
『無理ですね・・・リリアの後ろ楯は、リベリアの英雄と御母様だから・・・反逆罪で家取り潰しになります』
ヘルトが苦笑いして言う
『あんな貴族早く消えて欲しいですね』
クレシアが微笑みながら言う
『ウルスト、解ったか? これがリベリアの英雄と王家の繋がりだ!! 良く覚えておけ!リリア様も家柄は覚えているな!』
ウイントレスがウルストを見て言うと、ウルストが考えている
(リリアの家柄・・・聞いたような・・・あ!! ガベラス王国の王女様!! 王女様が撃退したなら、貴族ごときが文句言えない!! 下手したら家取り潰しだ!! 仲良く食事していたが、これは・・・接待しないと、ダメなのか? クリスの友達なら仲良くして欲しいが・・・何気にクリスが接待していたのか?)
 




