アーセルとクリス
マルス達は、発着場に向かい、食事会の準備を始めていると、アーセルが興味津々にランプを見ている
『マルス様、これは新しいランプですか?』
アーセルが鑑定しながら聞く
『一昨日作った、新型貸出し用ランプです』
マルスが構造を説明していると、アーセルがじっくり見ながら聞いている
『一体型・・・それにこの明るさ凄いです・・・価値も相当な価値になります』
アーセルがランプを見ながら言う
『アーセルはどんなランプが欲しいかな?』
マルスが笑顔で聞く
『え? どんなランプ? ・・・夜帰る時に魔導船のランプが有ったらと思いました』
アーセルが考え込んでいる
『あれか・・・それなら・・・』
マルスが笑みを浮かべて歩いていくと、アーセルがマルスの後ろ姿を目で追っている。エミールがマルスが歩いていくのを見付けて、後ろを歩いている
日が暮れて、みんな集まり始めると、マルスとエミールが戻ってくる
『アーセル、これで良いかな?』
マルスが手に筒状の取っての有る魔導具を持って来て、アーセルに見せる
『え! まさか・・・作ってきたのですか?』
アーセルが驚きながら見ている
『マルス師匠が作る気になったら、すぐに作ります。形を変えるなんて、すぐですよ』
エミールがアーセルを微笑みながら見ている
『凄い・・・明るい!!』
アーセルが手に持って、点灯して壁を照らしていると、みんな興味津々に集まってくる
『マルス・・・作って来たのですか? 少し重いですが、良いライトですね』
フローネが微笑みながら言う
『マルス師匠!! 作るのを見たかったのに!!』
メトリシアがマルスに詰め寄って言う
『アーセルの希望だったから、作っただけだよ』
マルスが笑顔で言うと、エミールが説明してみんな笑っている
『アーセルさん、これがマルスです。 すぐに形にしてくれます』
リリシャが微笑みながら言うと、アーセルが考えている
(え? もしかして、マルス様に何か頼んだら、すぐに完成するのですか? 何も言わない方が良いのでしょうか?)
『エミール、何を持っているのですか?』
フローネがエミールの持っている、ガラスのキノコ型の物を見て聞く
『マルス師匠がついでで作った物です』
エミールが笑顔で見せると、フローネがじっくり見てから、点灯させて微笑んでいる
『卓上ランプ? 部屋用ですね』
フローネが微笑みながら呟くと、みんなじっくり観察している
『明るいから、外装を曇りガラスで作りました』
マルスが笑顔で言う
『ガラスですか・・・割れないようにした方が良いのですね』
アーセルが微笑みながら言う
『マルス、装飾したら、インテリアになりますね』
リリシャが微笑みながら呟くと、みんな思い浮かべて微笑んでいる
『マルス、ほどほどに・・・』
フローネが苦笑いしている
バイルとバイルの奥さんとヘザーネとクラウスと奥さんとグゼンとシュルトとミドルがやってくる
『マルス様、これが発着場ですね』
バイルが微笑みながら言うと、みんなキョロキョロしている
『あれ? 見た事無かったかな?』
マルスが考えている
『倉庫には1度入りましたが、それ以外はまだ見てません』
ヘザーネが笑顔で言う
『案内しますね』
マルスが笑顔で言うと、奥の書庫と倉庫から案内を始めている
魔法訓練場から爆発音が聞こえてくると、バイルが気にしている
『マルスくん、この音は何でしょうか?』
バイルがマルスを見て聞くと、みんなマルスを見ている
『魔法練習ですけど、誰が始めたかな?』
マルスがリリシャを見ている
『レティナちゃんかな? ナディアかな?』
リリシャが微笑みながら言うと、屋敷を出て魔法練習場に向かう。ウイントレス達がやって来て、爆発音に魔法練習場に向かって歩いている
『マルス殿、これは誰が? かなりの威力だと思うが・・・』
ウイントレスが考えながら聞くと、クレシアとアーセルも付いてきている
『覗いてみましょう』
リリシャが微笑みながら言うと、魔法練習場に入る。
『クリスちゃん、魔力をもっと溜めて・・・』
レティナが笑顔でクリスの魔力を見ている
『・・・・ファイヤーキャノン』
クリスが魔法を放つと、的に当たり、周囲に爆発の衝撃波と熱風が吹き荒れている
『・・・・ファイヤーボール』
一方イリアが指導して、メーレスが魔法を放ち、爆発の衝撃波と熱風が吹き荒れる
『レティナちゃん出来た!! 次は氷系教えて』
クリスが笑顔で聞くと、レティナがクリスに教えている
『クリス!! 何を』
ウイントレスが青ざめて叫ぶと、ウルストとイーレシアが目を見開いて立ち尽くしている
(クリスまでとんでもない魔法を!! まずい!! 絶対に大変な事になる!!)
『あ!! 暇な御父様何か用?』
クリスが笑顔で言う
『クリス!! 今のは何だ!!』
『ファイヤーキャノンですけど?』
『マルス殿!! 何て魔法を教えているんだ!!』
ウイントレスが慌てて叫び、マルスを見ている
『あれ? レティナ、誰にファイヤーキャノン習ったの?』
マルスが考えて聞く
『フローネ先生に習いました』
レティナが笑顔で言うと、全員が振り向きフローネを見ている
『レティナちゃん良くできました。クリスちゃんには教えたらダメですよ』
フローネが微笑みながら言う
『え? 何故? 友達だから良いでしょ?』
『リベリアの英雄以外に使えるのは、マルスが教えた人達ですから、簡単に教えたらダメですよ』
フローネが微笑みながら、レティナとイリアに話し始める。 ウイントレス達が頭を抱えている
(フローネ師頼む! 監視になってないぞ!! フローネ師だけに文句が言えん!!)
『折角教えて貰っていたのに!! 何で止めるのですかーーー!!』
クリスがウイントレスに詰め寄り怒鳴る
『クリス、魔法を習うのは良いが・・・リベリアの英雄の真似はしないでくれ・・・貴族なのだから』
ウイントレスがクリスに言うと、クレシアが微笑んでいる
『メトリシア様も王女様です!! ルキアさんも貴族です!! 文句有りますか!!』
クリスが大声で言う
『それは・・・』
ウイントレスが返す言葉を探しながら、クレシアを見ている
『クリス、仲良くするのは、良いですね。戦う力は、時として責任を持たないといけないです。 クリスは覚悟有りますか?』
『え! クレシア御姉様・・・責任? 何の責任』
『優れた実力者なら、力に対しての責任とその威力で人を殺める可能性が有るなら、魔法を使う責任です』
クレシア微笑みながら説明をしている。ヘルトが頭を押さえて聞いている
(クレシア、クリスちゃんに説教するのは、良いが・・・クレシアも居候していたのだから、真似される事について、責任をもって欲しい)
『領民を守る力を持ったらダメなのですか?』
クリスが大声で言う
『それは良いですね・・・』
クレシアが考え込んでいる
『沢山勉強して、人々を助けられるようになります』
クリスが笑顔で言う
『え!・・・必要ですね』
クレシアが考え込んで、ヘルトを見ると、ヘルトが慌てて、マルスを見ている
(言い返せない!! どうしたら・・・マルス殿!)
『クリス様、強力な魔法を覚えるより、魔力の質を上げてね』
マルスが笑顔で言い
『ファイヤーボール』
マルスが魔法を放つと、爆発の衝撃波と熱風が吹き荒れる
『え!! ファイヤーボールですか? キャノンより威力が有りそう・・・』
クリスが呟く
『クリス様、魔力の質をあげて、威力が増しただけです。 クリス様も無理に強力な魔法を覚えるより、基礎を強化して、威力と放てる回数を増やしてくださいね』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス様!!』
クリスが嬉しそうに言うと、ヘルトが考えて、徐々に青ざめていく
(丸く収まったのか?・・・・基礎を強化したら、魔法が強くなるなら・・・キャノンを放ったら・・・何気に恐ろしい事を教えていたのか? これはどうしたら・・・)




