リリシャとセレーニア
セレーニアの倒れている場所に戻り、ロイドが惨状を見て考えている
『セレーニア、大丈夫?』
カミラが回復魔法を使っているのを見て聞く
『ダメです・・・いくら回復魔法を使っても、これ以上回復しません』
カミラが疲れたように言うと、セレーニアが力無く倒れていて、黒く変色していた場所は、元に戻っている
『マルス・・・』
リリシャがマルスを見ると、マルスが魔力視と闘気の流れをみている
魔力が無くなった?闘気も・・・魔力も闘気も中心部には有るけど、流れてないのか? どうしたら良いかわからない・・・
マルスが考えている
『浄化も回復魔法も完全に出来ているけど・・・これが限界なのか?』
マルスが考えながら呟く
『セレーニア・・・』
リリシャが悲しそうにセレーニアの顔を見る
『り・・・り・・・シャ・・・』
セレーニアが目を開き、リリシャを見て力無く呟く
『セレーニア、治す方法を探すから、ゆっくり休んでね』
リリシャがセレーニアの手を握り言う
『リリシャ・・・もう良いの・・・この国では・・・もう反逆者だから・・・それに死者だから・・・行く場所も無いの・・・』
セレーニアがリリシャを見て、涙を流している
『セレーニア・・・』
リリシャは何も言わず、手を握りしめている。リリシャの姿をエミール達が見ている。マルスはロイドとキリシアに何が有ったか、詳細に説明をすると、ロイドが考え込んでいる
マルス達はシルフィード号に戻り、ロイドと騎士達に後始末を始めて貰う
『エミール、ミリア、エビリア、クレスタ、言いたい事はわかりますね』
フローネが睨みながら言う
『ごめんなさい・・・全部私が悪いです。 フローネ先生、ミリア達を責めないで下さい』
エミールが申し訳なさそうに言う
『エミール、わかってくれたら良いですね・・・マルスに怒られましたか?』
フローネが微笑みながら言う
『はい、マルス師匠に言われて、自分達がしたのは、お仕置きではなく、ただの八つ当たりの弱いもの虐めでした・・・弟子が同じことをしたら、どんなに悲しい事か理解しました・・・』
エミールが頭を下げながら言う
『マルス、何をしたのですか?』
リリシャが1人、何が有ったのかわからず、マルスを見ている
『エミールどうする?』
マルスがエミール見て聞く
『リリシャ師匠、ごめんなさい・・・・』
エミールが頭を下げて言うと、ミリアとエビリアとクレスタとエレーヌとカミラが頭を下げている。エミールが何をしたのか、詳細に説明してから、もう一度謝っている
『エミール・・・もう2度としないで・・・怒るのは師匠の役目です・・・癒しながら焼くなんて思い付きませんでした・・・ふふふ』
リリシャが微笑みながら言う
『リリシャ、あれは怖いから、やめて!!』
キリシアが大声で言う
『そうですね・・・やらないようにしましょう・・・最上級のお仕置きです。エミール、わかりましたか?』
リリシャが微笑みながら言うと、イーレシア達がホッとしている
『リリシャ怖い!! 最上級のお仕置って言うからには、やるつもりでしょ!!』
キリシアが大声をあげる
『そんなお仕置を受ける悪い人に会わなければ、良いですね』
リリシャが微笑みながら言うと、みんな笑い出す
『ダメですね・・・』
フローネが諦めたように呟く
翌朝、セレーニアの所にマルスとリリシャとキリシアとエミールとフローネとリシリアとイーレシアで向かう
『マルス殿、こちらです』
英雄騎士隊隊員が笑顔で言うと、ベットでセレーニアが寝ている
『リリシャ・・・夢で無かったのですね』
セレーニアがリリシャの顔を見て言う
『セレーニア・・・どうして、魔法結社ダークブラグラーゼンに?』
『リリシャ、家を追われて、魔法結社に勧誘されました。行く宛も無く、魔法結社に入り、北の国に向かい、魔法結晶を埋め込めば、魔法が使えると言われて、使いました・・・まさかこんな事になるなんて・・・数年振りにクライドルド王国に戻ったら、国が様変わりしていて驚いたけど・・・もう計画を止めれなく、遂行してました・・・計画が全て潰されるとは思ってなかったです』
セレーニアが淡々と話している
『セレーニア・・・ごめんね・・・私も自分の事で精一杯だったから、セレーニアが苦しんでいるのを助けられなくて・・・』
リリシャが手を握りながら言う
『リリシャ・・・リリシャは、何をしていたの?』
『私は、卒業後、冒険者登録して、冒険者をしていました・・・・・・』
リリシャが詳細に説明をしていると、セレーニアが目を見開き驚いている
『リリシャがリベリアの英雄だったなんて・・・考え付かなかった・・・』
セレーニアが驚きながら呟く
『キリシアとマルスとフローネ先生のお陰です』
『リリシャ・・・お願いが有ります・・・弟と妹と子供達を殺した事にして、北の古い遺跡に匿いました・・・保護してくれますか? 王家に知られたら、処刑も有ります・・・だからお願い』
セレーニアが考えてから、リリシャに言う
『大体の場所を教えてくださいね・・・王家に文句は言わせません!! ロイド、良いですよね?』
リリシャが振り返り、ロイドを睨んで言う
『え! えーと、善処します・・・マルス殿の保護下なら、問題は有りません』
ロイドが慌てて、マルスを見て言う
『メトリシアとヒストリアに任せよう・・・文句言えないようにしよ』
マルスが笑顔で言うと、セレーニアが驚きながらも居場所の説明を始める
マルス達はシルフィード号に戻り、北の遺跡に飛んでいく




