エミールの逆鱗 前編
キャス号が着陸すると、エミール達がシルフィード号から飛び降りている
『リベリアの英雄様!! 御用でしょうか?』
中隊長が慌ててやってくる
『グロゼメリア兵士ですか?』
エミールが微笑みながら聞く
『いきなり襲われました。英雄騎士隊が撃退し、今集めているところです』
中隊長が説明を始めると、降りてきたロイドが苦笑いしている
『英雄騎士隊を入れておいて良かったな』
ロイドが考えながら呟く
『ロイド! 何故ここに?』
中隊長がロイドを見て驚いている
『状況が変わった・・・王都には報告の騎士を向かわせたが・・・魔法結社ダークブラドーゼンは、グロゼメリア男爵家を乗っ取り、内戦の準備をしている。すぐに討伐をする・・・リベリアの英雄様を怒らせたらどうなるか解るよな!』
ロイドが睨んで言う
『え! ・・・後始末ですか?』
中隊長が青ざめている
(魔法結社ダークブラドーゼンは、何をしたんだ!! 怒らせたら終わりだぞ!!)
『魔法結社ダークブラドーゼンの人達はいますか? お仕置きしておかないと』
エミールが微笑みながら睨んでいると、エミールの体から魔力が漏れ出ている
『え!! 調査中です』
中隊長がエミールを見て、脂汗と共に後退りしている
『生きている事を後悔するな・・・後始末は頼む』
ロイドが苦笑いしている
(エミール殿の怒りが怖い!!)
『案内してくださいね』
エミールが微笑みながら睨んでいる
エミール達が魔法結社ダークブラドーゼンの人達の所に向かう
『エミール様、ミリア様、何故ここに』
英雄騎士隊員が驚いている
『魔法結社ダークブラドーゼンにお仕置きです』
エミールが微笑みながら言う
『え! あそこに転がっていますが・・・骨を砕きすぎました』
英雄騎士隊員が苦笑いしていると、瀕死の魔法使い達が寝ている
『寝ているのは良くないですね、苦しんで貰わないと』
『ポイズンフィールド』
『ぎゃーーーーーーー!!』
男達が苦しみ悲鳴をあげる
『怪我したままだと死にそう』
『ヒールフィールド』
ミリアが微笑みながら魔法を使うと、苦しんでいる男達の傷が塞がっていく
『ミリア、そのまま維持しておいてくださいね』
エミールが微笑みながら言う
『ファイヤー』
エミールが魔法を放ち、男達に当たり炎に焼かれ始め、男達が痛みにのたうち回っている。騎士達が青ざめて震えている
(焼き殺しているのか? 何故焼けた肌が綺麗に元に・・・)
服も焼き尽くされて、男達が放心状態で地面に横たわっている
『次は兵士達の方かしら?』
エミールが微笑みながら言うと、兵士達を睨む
『ひぇーーーーーーーーー!! 』
近くの兵士達がパニックになって逃げ始める
『動くな!!』
騎士が慌てて武器を構える
『パンシーフィールド』
エビリアとクレスタが、逃げ出した兵士達に魔法を使い、兵士達がその場に倒れていく
『お前達!! 誰を怒らせたか解ったか!! お仕置きされたくなかったら、あの騎士に計画を全部吐け!』
ロイドが大声で言うと、兵士達が倒れたまま見ている
『何もしたくないのですね、焼く? 凍らせる? 水? 何からにしましょうか?』
エミールが見下して言うと、騎士達が後退りする
『エミール御姉様、何から試しましょうか?』
ミリアが笑顔で聞く
『麻痺してますけど』
英雄騎士隊員がエミールに言う
『え? 使ってませんよ?』
エミールが不思議そうに言う
『パンシーリカバーフィールド』
クレスタが魔法を使うと、兵士達が慌てて騎士の方に走り出して、騎士に必死に何かを叫んでいる
『回復させてませんでした』
エビリアが笑顔で言う
『回復も必要ないです!! お仕置き出来ませんでした!! 次はあっちかな?』
エミールが微笑みながら言うと、兵士達が身の危険を察知して、近くの騎士に何かを叫び始める
『相当怒っている・・・何が』
中隊長がロイドに聞く
『リリシャ殿の涙を流させたから、キレたようだ・・・下手したら、町が消し飛ばされる』
ロイドが苦笑いしながら言う
『英雄騎士隊もそうだが・・・次元が違いすぎる』
『英雄騎士隊だけで全滅させたのか?』
『殿が兵士を弾き飛ばし始めたら、何か怒鳴りながら、急に速度が上がり、この通りだ!!』
『数より質か』
ロイドが呟くと、中隊長が苦笑いする
『人の動きじゃない!! 戦力が読めない! 撤退しようとしたら、逆に全滅させているのだから』
『このまま町を攻めて、領主を救出しないといけないから、すぐに出発の準備を』
『本気か? リベリアの英雄様が乗り込むなら、後始末か?』
『弟子達の逆鱗に触れたからな・・・手加減してくれないから・・・英雄騎士隊員10人も一緒にやるぞ』
苦笑いしながらエミールを見る
『騎士団は後始末だな・・・』
中隊長が苦笑いしている
エミール達がアースコントロールで囲いを作ると、騎士達がグロゼメリア兵士を中に入れていき、半数の騎士が出発の準備をして、町に向けて進み始める
 




