グロゼメリア男爵家へ
エミールとミリアは、マルスを連れてイーレシアの元に向かう
『マルス様、何か御用ですか?』
イーレシアが微笑みながら聞く
『イーレシア様、申し訳ないのですが、すぐに出発します!! 怒らせたらどうなるか、思い知らせます』
エミールが微笑みながら言う
『はい! 許しません!!』
ミリアが笑顔で言う
『え! 怒らせたら? 何が・・・』
イーレシアがマルスを見ている
『ちょっと・・・逆鱗に触れたみたいです』
マルスが考えてから言う
『え! 逆鱗に・・・』
イーレシアがエミールとミリアを見ている
(ミリアちゃんの笑顔可愛い・・・逆鱗の意味が解っているのですか? 怒っていると言う事ですよ・・・魔法結社絡みなら、リベリアの英雄様が動くのは、仕方ないですが・・・何が起きたのか、フローネ師に伺う事にします)
イーレシア達がシルフィード号に乗り込み始める
『イーレシア、結婚式必ず参加する。体に気を付けて欲しい』
男爵が笑顔でイーレシアに言う
『イーレシア、ウルスト様を支えるのですよ』
母親が心配そうに言う
『御母様、ウルストの事は、生涯支えます。』
イーレシアが、微笑みながら両親と別れを惜しんでから、シルフィード号に乗り込み、上昇していき、西に飛んでいく
グロゼメリア男爵家の領地内に入り、グロゼメリアの町に向かって飛んでいる
『あれは・・・戦いの跡?』
エビリアが多くの兵士が倒れているのを見付ける
『王国騎士団? 騎士団が勝てたの?』
エミールが双眼鏡で見ている
『魔法の跡も有ります。 王国騎士団も頑張ったのですね』
クレスタが双眼鏡を覗きながら、騎士団の人達を見ている
シルフィード号が到着する少し前
王国騎士団の進行先に、グロゼメリア男爵兵士が包囲するように現れる
『大変です!! グロゼメリア兵士が戦闘準備してます』
騎士が中隊長に報告すると、中隊長が慌ててグロゼメリア軍を見て考え込む
『このままでは、勝ち目は無いな・・・1度退くぞ! すぐにグロゼメリアの意向を確認の使者を出せ』
中隊長が騎士に言う
『すぐに向かいます』
騎士が慌てて、グロゼメリア軍に近付くいていく姿を中隊長が見ている
『・・・・・ファイヤーアロー』
グロゼメリア軍の魔法使いが魔法を放ち、騎士目掛けて炎が飛んでくる。騎士に直撃して、爆風で地面に転がりながら倒れる
『100人ごとき騎士等皆殺しだ!!かかれ!!』
魔法使いの男が大声で言うと、兵士達が一斉に騎士に向かって突撃してくる
『撤退だ!! 速やかに撤退しろ!!』
中隊長が慌てて叫び、騎士達が慌てて隊列を崩して、走り出す
『殿は我らがする!! こい!! 反逆者共!!』
英雄騎士隊員が5人金属の棒を持って並び、グロゼメリア兵が近付き、英雄騎士隊員が金属の棒に闘気をまとわせてグロゼメリア兵を凪払い、弾き飛ばす
『数で押し潰せ!!』
魔法使いの男が英雄騎士隊を睨み叫ぶと、兵士が一斉に斬りかかる
『この程度で怪我をしてみろ!! カミラ殿とケニス殿が何て言う!!』
英雄騎士隊員が大声をあげる
『ボコられる!! あれに比べたら、こんなの敵でなーーーーーい!!』
『あれに比べたら!! こんなの怖くない!!』
『あの速度に比べたら!! 止まっているようなものだ!!』
英雄騎士隊員が次々と叫び、速度を上げて、次々と凪払い、骨の砕ける音と共に兵士隊が弾き飛ばされていく
『う!! ばばばばっ化物!!』
兵士達が怯え始める
『・・・・・・ファイヤーアロー』
魔法使い達が次々と魔法を放ち、英雄騎士隊員達は、迫る炎をかわしながら、兵士を凪払い、突き進み始める
『それで魔法か!! その程度当たるものか!!』
英雄騎士隊員が魔法使いに迫り怒鳴る
『化物!! 速すぎる!! くるなーーーーー!! 奴らを止めろ!!』
魔法使いの男が叫び、後退りする
『逃がすか!!』
英雄騎士隊員が次々と魔法使いを金属の棒で殴り骨が砕ける音と共に弾き飛び、力無く倒れていく
『いつもボコられている気持ちが解ったかーーーー!! 容赦無いケニス殿!! 剣姫ヒストリア!! たまには手加減してくれ!!!』
英雄騎士隊員が叫び、英雄騎士隊員が次々と弾き飛ばしている
『英雄騎士隊員の退路を確保しながら、すぐに撤退する』
中隊長がグロゼメリア軍から離れ、騎士に指示を出している
『隊長・・・撤退する必要が有るのですか?』
騎士がグロゼメリア軍を見て苦笑いしている。その視線の先には、5人の英雄騎士隊員が容赦無くグロゼメリア兵を弾き飛ばしている姿が有る
『敵軍は300はいるぞ!! 魔法使いもいるんだぞ!!』
『それが・・・ほぼ壊滅してますが・・・』
『は? 何を・・・はーーーーーーー!! なんだ!!あの強さは!! リベリア警備隊か!!』
中隊長が目を見開き叫ぶ
『リベリア警備隊・・・』
騎士が呟き、顔を見合せる
『騎士団長と副団長とデストラをボコったって噂は本当なのか?・・・』
騎士が呟く
『リベリアの英雄様が鍛えすぎたと言われていたが・・・鍛えすぎたじゃない!! 人間の動きじゃない!!』
中隊長か大声をあげると、騎士達が苦笑いしている
(あれはリベリアの英雄様の戦い方だ!! これって俺達は・・・雑用か後始末係なのか?)
『何を叫んでいるんだ?』
騎士が気にして呟く
『容赦無いケニスどの? なんだ? もしかして、八つ当たりか?』
中隊長が呟くと周囲の騎士達が苦笑いしている
(ケニス殿? もしかして、メトリシア様の護衛役のケニス殿か? もしかして、いつも鍛練でストレスが溜まっているのか?)




