魔法学院試験とエミール
魔法学院試験の日まで王都観光を楽しんで、試験の朝エミールを校門まで見送る
『エミール、忘れ物は無いかな?』
『はい!師匠』
エミールはちょっと緊張しながら中に入っていく。みんなで見送る
『結構、人が多いね』
『今年も受験者多いようですね』
『貴族や魔法使いの子供ばかりですよね』
そう言いながら王都を観光することにする
エミールは午前中の筆記試験を終わらせ、まずは近接戦闘試験を受ける
『この試験は接近戦をしてもらうが、今年から始まった試験内容である!加点は付くが、マイナスにはならないから気楽に受けてくれ!』
エミールの前まではみんな数秒で負けてしまう。そしてエミールの番になる
『隙があれば反撃して倒しても良いのですか?』
『当たり前だ!やれるものならばな!!』
試験官は笑いながら言うと
[はじめ]合図と共に試験官は攻撃を開始するが、少しかわしてから、
『そろそろ反撃します』
と言ってから、エミールは試験官の手を杖で叩き、剣を落とさせてから渾身の一撃を腹に与え、弾き飛ばす
『あ!少し強くやり過ぎました!大丈夫ですか?』
『馬鹿な!魔法使いごときに叩きのめされるとは・・・・・』
試験官は痛みに耐えながら悔しがる
『エミールさんは接近戦闘も訓練していたのですか?』
『師匠にいろいろ教えて貰いました』
『魔法の実技も頑張ってください』
『痛い!』
試験官が剣を握ろうとするが痛みに試験が出来ないと言っている
『回復魔法使いに直ぐにきてもらい、回復させますので、しばらく待ってください』
試験官の1人が呼びに走る
『あのー、回復魔法も使えるので、やった方が良いですか?待たせるのも悪いので』
『出来るのですか?出来るのならばお願いします』
エミールは怪我をさせた試験官に回復魔法を使う
『・・・・・ヒール』
『本当に使えるとは・・・・』
そして実技の試験に移る
『あの的に魔法を狙って撃ってください。魔法の種類は問いませんが、魔法の発動速度と威力と正確さを見ます。勿論、的を壊して良いので最大威力で放ってください』
試験官の説明の後、1人ずつ魔法を放ち、的に命中させていく。そしてエミールの番になり、エミールは魔力を杖に集めて
『・・・・ファイヤーボール!』
爆発と共に岩に書かれた的を粉砕する
『え?・・・・・・・』
試験官は吹き飛んだ岩をただ見ている
『何の音だ!!』
別の場所にいた試験官が来て
『的が・・・・何が有ったんだ!』
我に返った試験官は
『ファイヤーボールで吹き飛ばされました・・・』
『は?ファイヤーボール撃てる学生なんているわけ無いだろう!!岩を吹き飛ばす事も不可能だ!』
他の受験生はただ呆然としていたが
『凄い・・・・あんな威力』
受験生達もざわつき始める
『エミール、お前は何者だ!』
『え?ただの受験生ですけど?』
『あり得ない!どんなカラクリがあるんだ!杖をみせろ』
エミールは杖を渡す
『え?ただの杖?そんなことは・・・・』
試験官は杖を返して、相談を始めるそして
『確認のために、もう一度この場所を目掛けてファイヤーボールを撃て!』
試験官はそう言って準備して、撃つように言うと、エミールは魔力を杖に集めて
『・・・・・ファイヤーボール!』
岩の有った地面に当たり、爆発して地面に穴が空く
『・・・・・・馬鹿な、本当に普通の魔法でこの威力』
試験官は唖然としながら呟く
『あの、もう少し威力を押さえた方が良かったですか?』
エミールの言葉に
『すまない、これで試験は終わりだ。筆記試験をした教室に戻ってください』
試験官はそう言って受験生を教室に戻して待機させ、全ての試験が終わるまで待たせ、終わった後、解散させる
試験官の教師達は校長と相談を始める
『筆記試験の結果は明日の朝までに全て出揃いますが、近接戦闘試験と実技の方で1人、とんでもない実力者がいました』
『近接戦闘試験で教官とまともにやりあえたのか?』
校長が言うと
『私が軽く叩きのめされました』
『は?負けたのか?』
『その上、手の骨を折られました』
『大丈夫なのか?』
『その受験生が回復魔法で治してくれました』
『は?受験生が回復魔法?使えるわけ無いだろう!』
『私が見ている前で回復していましたので間違い有りません』
教師の言葉に驚く校長だった
『このエミールと言う生徒です』
エミールの資料を確認して
『後見人がフローネか・・・久しぶりに今度聞いてみるか』
『お知り合いですか?』
『昔の知り合いだが付与魔法の天才だ』
校長が言うと
『実技の方でもエミールは的の岩を吹き飛ばしました』
『岩を吹き飛ばしただと!』
『確認のためにもう一度撃って貰いました。間違い有りません』
『実力派だな。一度フローネに手紙で確認をするか』
校長はそう言って
『他にトラブルは?』
『ありません』
会議は終わり、評価点を付けていく
エミールは試験が終わって宿屋に戻り、部屋で反省していた
『エミール、いるかな?』
『あ!師匠』
『試験はどうでした?』
『近接戦闘で試験官を怪我させてしまいました』
『え?近接戦闘試験?そんなの無かったはずだけど』
『今年から出来たと言っていました』
『そうなのね』
リリシャはそう言ってマルスを見る
『マルスの訓練のせいだね』
キリシアがそう言って笑う
『実技で的の岩を砕いたら、杖を疑われ、確認のためにもう一度やり直しになりました』
『慣れない杖ですから仕方ないですね。結果が出るまで王都で楽しみましょう』
リリシャはそう言うとエミールは頷く
食事をしながらマルスは切り出す
『クランドル町に行ってみたいのだけど』
『クランドル?と言うと温泉の有る町だよね』
『良いですよね』
マルスの提案に全員同意して、エミールの試験の結果が出たら行くことにする
試験結果発表の日、全員で見に行くことにする
『張り出されているね』
エミールは緊張しながら探して笑顔になる
『ありました。合格です』
『おめでとうエミール』
『リリシャ師匠、マルス師匠、ありがとうございました』
エミールは頭を下げて言う
『早速手続きをしちゃいましょう』
手続きカウンターに行き
『手続きをしたいのですが』
『受験証をだしてください』
エミールは受験証を出して渡す
『あなたが噂のエミールさんですね』
『はい!』
『こちらが入学金の納付と授業料の納付の書類です。寮は必要ですか?』
『寮は必要です』
『わかりました。こちらが入寮の申請書です。確認してください』
エミールは受け取り
『寮はこっちの相部屋で大丈夫です』
『貴族はいない方ですね。解りました』
職員は説明をしてくれて、書類にサインする
『入学金と授業料と寮費3年分一括で納付したいのですがよろしいですか?』
『一括ですか?』
リリシャは金貨の袋を出して見せる
『わかりました。計算してきます』
職員は奥に行き
『3年分の授業料と入学金と寮費で金貨105枚です』
『解りました』
リリシャは金貨の袋と金貨5枚渡すと、職員が枚数を確認し始める
『金貨105枚間違いなくあります。これが納付の証明書です』
職員は、別の職員に袋を渡して再度確認してもらう
『エミールさん、主席ですので、入学式で学生代表で挨拶して貰いますが、よろしいですか?』
『え?私なんか挨拶なんて出来ません』
エミールはそう言ってリリシャを見る
『主席ですか?凄いわね』
リリシャはエミールを見つめて言う
『挨拶なんて出来ないです・・・・』
『主席ですので、よろしくお願いします』
職員に念を押されエミールはうつむく
『エミール、頑張ろう!』
マルスは頭を撫でながら言う
『最後に制服は寮の方に用意しておきます。寮は一週間後から入れます』
『解りました』
職員に見送られて帰る事にする
『あ!戻ってきた!どうだった?』
『エミールは主席でした』
『え?主席ですか、凄い』
リリシャの言葉にみんなでエミールを誉める
『ありがとうございます』
みんな一緒に宿屋に戻り、翌朝クランドルの町に向かうことにする
第2章はこれで終わりです
弟子エミール成長して魔法学院入学が決まり主席をとりました
第3章も楽しみにしてください。
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