ドワーグニの迷宮探索 前編
翌朝、キリシアを先頭に迷宮に入っていく
『マルス、ワーム、少し色が違いますね』
リリシャが微笑みながら言う
『そうだね、少し茶色いかな?』
マルスが笑顔で言う
『魔石も少し茶色いです』
ミリアが魔石を拾って、見ている
『土石だからかな? もっと石や土の属性だから、茶色いのかな?』
マルスも手に持って見て言うと、リリシャが微笑みながら覗き込んでいる
『こらーーー! 早く来い!! 時間が勿体無い』
キリシアが大声で怒鳴っている
『キリシア、やる気凄いですね』
リリシャが微笑みながら、マルスを見ている
『11層から鉱石が有るから楽しみだよ』
マルスが笑顔で言う
『鉱石、沢山拾います』
ミリアが嬉しそうに言うと、小走りでキリシアを追いかけていく
11層に到着すると、キリシアがムカデを見付けて、闘気をまとった槍を振り、両断すると、黒い煙になって消える
『この雑魚!! 手応えが無い!!』
キリシアが大声で言う
『土石、少し大きくなりました・・・この石ころが、鉱石ですか?』
ミリアが拾って見ている
『袋に集めておいてね』
マルスが笑顔で言うと、ミリアが袋に入れている
11層をキリシアが殲滅して進み、一周する
『マルス、もっと手応えの有る階層に行きたい』
キリシアが大声で言う
『今日は20層までと約束したよね?』
『え! それは・・・手応え無さすぎる』
キリシアがマルスを見ている
『キリシア、楽しそうに槍を振っていたのは、誰ですか?』
リリシャが微笑みながら言うと、みんなキリシアを見ている
『槍を振っただけだよ! 柔らかすぎる』
キリシアが笑顔で言う
『早く12層の小部屋を焼き払おう』
マルスが笑顔で言う
『はい! 沢山焼き払います』
ミリアが嬉しそうに言う
『順番です!! 早い者勝ちじゃないですよね?』
メトリシアが少し心配そうに言う
『こんな雑魚、焼き払いましょうね』
リリシャが嬉しそうに言う
『土石拾い係りか・・・』
キリシアが呟く
『キリシア師匠しか戦ってなかったので、少し休憩してください』
エミールが微笑みながら言う
『仕方無いか・・・』
キリシアがつまらなそうに言う
12層に向かい、小部屋を覗くと、アースムカデが集まっている
『ファイヤーテンペスト』
マルスが魔法を放つと、小さな火の玉が無数に発生して、次々とアースムカデに当たり、黒い煙になって消えていく
『マルス師匠、威力を弱めています?』
ミリアが覗きながら言う
『火の魔法の効き目を確認したけど、威力をあげれば余裕で倒せるね』
マルスが微笑みながら言う
『次は私の番ですよ』
リリシャが嬉しそうに言うと、歩いていく
『リリシャ、土石と鉱石拾いしないと』
マルスがリリシャの後ろ姿を見て言う
『え! 早く拾いましょう』
リリシャが慌てて言う
『リリシャ師匠が忘れてました』
メトリシアが笑顔で言う
『メトリシア、弟子の仕事ですよ! 早く拾って来てね』
リリシャが微笑みながらメトリシアを見ている
『え! 弟子の仕事?』
メトリシアが考えている
『リリシャ師匠、拾ってきます』
エミール笑顔で言うと、エミールとエレーヌが拾い始める
『あ! エミール御姉様、私も拾います』
ミリアが後をエミールの追いかけて拾い始め、みんな拾い始める
『メトリシア、拾わないの?』
マルスが見ているだけのメトリシアを見ている
『え! 弟子の役目って、何ですか?』
メトリシアが考えながら言う
『雑用かな?』
マルスが笑顔で言う
『雑用? あ!! 忘れてました』
メトリシアが考えてから呟く
『メトリシア様、師弟の約束も忘れるなんて・・・教育が必要なのでしょうか?』
ケニスが苦笑いしていると、キリシアが笑っている
『言われたの初めてだから、忘れてました』
メトリシアが笑顔で言う
『早く拾って、次にいきますよ』
リリシャが笑顔で言う
『メトリシア様に荷物持ちさせましょう』
ケニスが笑顔で言う
『いつも大部屋を覗いて、遊んでますから良いですね』
リリシャが微笑みながら言う
『え! 荷物持ち?』
メトリシアが驚いている
『ソリを引いてくださいね』
リシリアが微笑みながら、ソリを見ている
『えーーーーー!じゅじゅじゅ順番にしましょう』
メトリシアが泣きそうになって言う
『いつもケニスとアニーが引いてくれてますから、たまには、メトリシアが引くのも良いかな?』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠まで!!』
メトリシアがマルスを見ている
『早く行きますよ、メトリシア。この階層はメトリシアが引いてくださいね』
エミールが微笑みながら言うと、メトリシアがソリを引いて歩いていく
『エミール御姉様も・・・意地悪』
メトリシアが泣きそうになりながら言う
『そういえば、いつもメトリシアは、雑用を何もしてない?』
ミリアが考えて言う
『え! ミリア!! いつも・・・あれ? 雑用してません!!』
メトリシアが大声で言う
『マルス師匠が甘やかせていたからですね、マルス師匠、この際メトリシア様にも雑用を指示してください』
ケニスが笑顔で言うと、メトリシアが助けを求めるようにマルスを見ている
『ケニスが教育係だから、任せるよ』
マルスが考えてから言うと、ケニスが微笑んでいる
『マルス師匠!!』
メトリシアが大声で言う
『早く先に行きますよ』
リリシャが微笑みながら言い、歩いて次の小部屋を焼き払いに向かう




