ドワーグニへ
3日間オルセントの王都を散策して過ごし、マルス達はシルフィード号に乗って準備をしている
『マルス様、御一緒したかったのですが・・・御父様からオルフェスタ・ガゼルド王国に親書を届ける役目を頼まれたので・・・』
セクラががっかりしながら言う
『セクラ様のお陰でバロンド号とホビッツ号の引き取りが出来ました。後始末よろしくお願いします』
マルスが微笑みながら言う
『はい! マルス様、後始末は御兄様に押し付けます』
セクラが笑顔で言うと、ルーセントが頭を押さえている
『また、遊びに寄りますね』
マルスが笑顔で言う
『はい!お待ちしてます』
セクラが笑顔で言う
『マルス殿、次来る時は、師匠を必ず連れてきて欲しい・・・師匠の監視が無いと大変だから』
ルーセントが真剣な顔付きで言う
『師匠に伝えておきます。可愛いもう一人の弟子を連れてきますね』
リシリアが笑顔で言う
『は? もう一人の弟子を? 弟子を増やしたのか?』
ルーセントが驚いている
『ナディアの弟子ですけど、私の弟子でも有ります。 一生懸命育てますね』
リシリアが微笑みながら言う
『気合いは入れなくて良いが・・・常識だけは、教えて欲しい』
ルーセントが苦笑いしている
『魔法学院に入試で落ちたぐらいの実力者ですから』
『魔法学院に落ちた実力? 将来落ちた事を喜ぶのか? 魔法学院の生徒と比べるのか? ・・・まさか、魔法学院の生徒に見せ付けるのか?』
ルーセントが考えながら呟いている
『半人前になったら、魔法学院に遊びに行かせますよ』
リシリアが微笑みながら言うと、みんな笑っている
『やっぱり、嫌みか・・・ほどほどに』
ルーセントが溜め息をしてから言う
(師匠、自重の言葉の意味を教えてください。弟子が勝手に弟子を育てたら、無計画に賢者を増産してしまいます・・・師匠・・・リシリアは、マルスとリリシャの弟子でも有るのか・・・考えるだけ無駄か・・・)
ドワーグニの町が見えてくると、シルフィード号が低空飛行になると、ドワーフ達の指示で着陸する
マルス達がシルフィード号を降りていくと、エクラーゼが笑顔で走ってくる
『英雄様、来訪嬉しく思います』
エクラーゼが笑顔で言うと、ドワーフ達が集まってくる
『オルフェスタ・ガゼルドで内戦をしようとしていたから、食料を買い取ってきたから、使ってね』
マルスが笑顔で言う
『内戦をしようとしていたから、食料を買い取った? 何で?』
エクラーゼが考え込んでいる
『マルス師匠、内戦を止めたついでに、内戦を起こそうとしていた者達の食料を全部買い取って、内戦を起こせないようにしてきたから、使ってくださいと、言ってください』
エミールが笑顔で言うと、みんな笑っている
『内戦を止めて、食料を買い取ったのですな・・・食料が少ないから、内戦が起こせなくなったのか? これ以上支援を受けても・・・』
エクラーゼが考え込んでいると、キャス号が着陸する
『じゃあ、早く降ろそう』
マルスが笑顔で言うと、みんなキャス号の方に歩いていく
『やっぱり、受けとる訳には・・・え? 居ない』
エクラーゼが考えて言うと、目の前にマルス達が居なく、マルス達がキャス号に歩いていく、後ろ姿を見付けて、苦笑いする
(は? もしかして、断れないのか? ・・・あの飛空艇見たこと無いぞ・・・何隻飛空艇有るんだ? オルセントの飛空艇しか、飛べない筈では・・・)
マルス達がキャス号から食料を降ろし始めると、ドワーフ達がキャス号の前から、食料を運び始める。
『凄い量だ・・・これなら、数ヶ月食べていけるが・・・』
エクラーゼがキャス号から降ろされる、積荷を見て呟く
『マルス師匠、倉庫が一杯になりました』
エミールが倉庫を見て戻ってくる
『一杯か・・・残りはどのぐらいかな?』
マルスがアニーを見て聞く
『食料は大半運び出しました。 後は薪です』
アニーが微笑みながら言う
『薪なら、外でも良いのかな?』
マルスが微笑みながら言うと、みんな薪を降ろし始めている
『英雄様、まさか・・・木材? 薪か? 大量に持ってきてくれたのか?』
エクラーゼが降ろされる薪を見て聞く
『薪が無いと、大変でしょ?』
マルスが微笑みながら聞く
『薪を作る為に、山に入らないといけないからな・・・』
エクラーゼの視線の先には、木を切った山肌を見ている
『伐採し過ぎたら、山が崩れるからね』
『英雄様、そこまで考えて・・・感謝します』
エクラーゼが頭を下げる
『迷宮は探索可能なのかな?』
マルスがエクラーゼを見ながら聞く
『迷宮は、誰も入ってません・・・冒険者ギルドの再建も、町の再建も終わってませんので』
エクラーゼが考えてから言う
『冒険者ギルド? 迷宮だから、冒険者ギルドが無いと探索出来ないのですか?』
マルスが考えながら聞く
『探索事態は、可能ですが・・・買い取りが出来ません! それに何か有っても助けを呼ぶことが出来ません』
エクラーゼが考えてから、説明を始める
『救援と買い取りが出来ないだけですね、それなら少し探索したいかな?』
マルスが笑顔で言う
『キリシア師匠が聞いたら、明日迷宮探索ですね』
エミールが微笑みながら言う
『モンスター次第かな?』
マルスが考えていると、エクラーゼがモンスターについて説明をしている
1層 ワーム
3層 スパイダー
5層 アント
7層 コウモリ
9層 ラット
11層 アースムカデ
13層 ボム
15層 アースタートル
17層 ゴーレム
19層 アースホーン
『キリシアが好きそうかな?』
マルスが呟く
『キリシア師匠なら確実に探索すると言います』
エミールが微笑みながら言う
『英雄様の実力なら、余程の事が無ければ、命の危機にならないと思います』
エクラーゼが考えながら言う
(英雄様なら、魔土石も得られるのだろう・・・)




