王太子を御招待
夕暮れになると、セクラと王太子がシルフィード号にやってくる
『セクラ様、王太子殿下、こちらへどうぞ』
マルスが出迎え、セクラと王太子を食堂に案内する
『え! これが飛空艇の食堂?』
王太子が天井のライトと大きな窓を見て驚いている
『シルフィード号凄いですよね! 下手な王宮の部屋より豪華ですから』
セクラが笑顔で言う
『これ程の飛空艇、クライドルド王家が没収しないのか?』
王太子が考えながら聞く
『マルス様から没収なんて出来ません! クレシア様のお茶会用の部屋も凄い豪華でした』
セクラが笑顔で言う
『クレシア様のお茶会の部屋? どんな部屋だろう?』
王太子が考えている
『クレシアの子供が出来た祝いに作りました』
マルスが笑顔で言う
『作った? 部屋を?』
王太子が驚いてマルスを見る
『部屋では無く、一軒家です。 2階がお茶会の部屋でした。 御兄様も見学に行けば良いのに・・・』
セクラが笑顔で言い、どんな部屋だったか説明していると、王太子が驚いている
(ライトに鍋まで魔道具? マルス殿が作ったお茶会の建物・・・)
『ん? 子供が出来た祝い?』
王太子が思い出したように呟く
『そうですよ、みんなで祝っておきました』
セクラが笑顔で言う
『祝っておきました? ちょっと待て!! クレシア王太子妃の子供って言う事は・・・国として、祝いの品を送らないとダメだろう!!』
王太子が慌てて言う
『まだ生まれてませんけど?』
『遠いのだから、早く出した方が良いだろう!!』
『そうですか? すぐに着きますけど』
セクラが微笑みながら言う
『オルセント号なら早くても、また遊びに行くつもりか?』
王太子が苦笑いしている
『はい! 任せてください、またお茶会に参加します。レセナ様とメーレシア様とサトメル様とメリアさんとミーレスちゃんとレイナール様と仲良くしておきますね』
セクラが笑顔で言う
『誰なのか? 友達か?』
王太子が考えている
『はい! 仲良しです!』
セクラが微笑みながら言う
『クライドルド王国の貴族の娘か?』
『各国の王女様とマルス様が養っているガベラス王国の王女様とマルス様の弟子です』
セクラが笑顔で言う
『は? 各国の王女様!! セクラが外交もしていたのか?』
王太子が苦笑いしている
『お友達です。』
セクラが微笑みながら言うと、王太子がマルスを見ている
『何か?』
『各国の王女様が何故クライドルド王国に?』
『メーレシア様は、ウルシナ公国を救った後、人質? 居着いているだけかな? サトメル様は、リオンド・ベラクード王国が安定するまで避難かな? レセナ様は、人質でしたけど、オテリオス王国に嫁ぐまで自由にしてます。メリアは、国王陛下に押し付けられて養ってます。レイナール様は、バゼルノアス王国を叩き潰した後、留学に来てます』
マルスが笑顔で説明している
『全部マルス様が関わってますので、みんな仲良しです』
セクラが満面の笑顔で言う
『リベリアの英雄関係か・・・それだけの国々の王族と関わるのは、良いことだな』
王太子が考えている
『早く座れーーーー!』
キリシアがマルス達を見て怒鳴る
『あ! はい!』
王太子が慌てて座り、並ぶ料理を見て驚いている
『御兄様どうしたのですか?食べないのですか?』
セクラが食べ始めない、王太子を見て聞く
『豪華な食事に見えて、少し驚いただけだ・・・鍋のまま出すのか?』
王太子が言うと、鍋を見ている
『御兄様、それは暖めているだけです。小皿に取り分けて食べてください』
セクラが言うと、セクラが鍋から煮込んだボア肉を小皿に取って食べ始め、王太子も取って食べる
『あっち!!』
王太子が食べると、肉汁が口の中に飛び出て王太子が慌てて飲み物を飲んでいる
『御兄様気を付けてください、鍋も魔道具なので、中は熱々ですから』
『先に教えてくれ・・・この水も凄く冷たいが・・・』
王太子がグラスを見ている
『水差しが魔道具ですから、冷やしてます』
セクラが微笑みながら言うと、王太子が驚いて、テーブルの上に並ぶ物を見ている
(は? このテーブルの上の物ほとんど魔道具か? どれだけ豪華な食堂なんだ)
王太子も料理を食べ終わる
『御兄様どうでしたか?』
セクラが笑顔で聞く
『宮廷料理より旨いな・・・ここは本当に飛空艇の中か?』
王太子がセクラを見て言う
『外を見れば解ります』
セクラが微笑みながら言うと、王太子が外を見て驚いている
『いつの間に空へ? 外を見ながら食事も良いな』
王太子が外を見ながら言う
『宮廷料理人にアニー様から料理を教えて貰うように言ってくださいね』
セクラが笑顔で言う
『それが目的か・・・どうしても、シルフィード号で食べたいと言っていたのは・・・この料理では仕方無い』
王太子がテーブルの上の空になった鍋を見ている
『それでは、料理人を連れて、リベリアに遊びに行きますね』
セクラが満面の笑顔で言う
『それはダメだ!! 国が安定してないのに、遊びに行くなんて!』
王太子が慌てて言う
(セクラ、何考えている!! いくらマルス殿が好きでも、そんな事許せない!!)
『え! 行きます!!』
『ダメだ!!』
王太子とセクラが言い合いを始めると、みんな微笑みながら見ている




